くまちのイケメンですね◎完全版

くまちのイケメンですね◎完全版

こちら、くまぐまのお話の別館になります
本館のイケメンですねを
りにゅーあるして世に出すべく立ち上げました(*´q`*)
あっち・・見づらいしね(´_`)ちーん
ゆくり更新しますので、お付き合いください!

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第一章  星を探して -4-




「ジェンマせんせーーーい!
 ここにもお星様あったよ!!」


走りよってきたマリアを抱きしめる
自慢げに微笑むマリア
彼女の手には歪な星型をした石が
しっかりと握られていた
これで99個・・・あと1つ・・


「それじゃぁ、マリア
 お星様持って笑ってごらん?」


カメラを構えてマリアに向ければ
星型の石を持って
かわいくポーズをとるマリア
シャッターの音と共に
かわいい笑顔と星が記録された


「ジェンマ先生、あと一個ね!!」

「そうねぇ・・あと一つで100個ね」

「私、また頑張って探すね♪
 先生はどんなお星様がいいの??
 見つけてきてあげるーーーーー!!」

「ありがとう、マリア
 でも・・・マリアが素敵だと思ったお星様を
 先生は見てみたいな」


と微笑みながらマリアにそう言った
マリアは頼りにされているのが
とっても嬉しかったのか
元気そうに走っていく


でも・・・本心を言えば
遠い地・・韓国にある私の一番星を
とってきて欲しい
99個目の星を胸に当て
静かに深呼吸を繰り返せば
あの楽しかった・・
そしてとても刺激的だった日々が
昨日の事のように思い出される


「もう・・・半年も前になるのね・・」


もうすぐここにきて
半年が過ぎようとしていた
過酷な環境からか・・・
ボランティア設立当初から
ずっと残っているものも少なく
ミニョはボランティアの
中心的な存在になっていた


子供たちだけではなく
怪我をした人の手当を手伝ったりと
病院などでも献身的に働いていたミニョ
すでにこの地には
なくてはならない存在だった
そんなミニョは・・・
頼りにされればされるほど
ここを離れては行けない
そんな気持ちが胸を締め付け
自由という二文字を雁字搦めにしていた


もうすぐ星を集めて100個になる
100個になったら・・・・・
何か見えるかな?
私の進むべき道が・・・・


いろいろな思いを巡らせながら
ミニョは手紙を書き
A.N.JELLの宿舎に手紙を出した
あと一つ・・・
早く見つけたいような
見つけたら急に空っぽになってしまうような
いろいろな感情に封をして
封筒をポストへと投函した



***



「ヒョンおはよーーーー!!
 はい、ヒョンの分ねー!!」


そういうと
ジェルミは急いで
ソファに腰を下ろした


ジェルミはあれから
毎朝郵便受けを見るのが
日課になっていた
ミニョから手紙が来たときは
走ってみんなの分の手紙を届けて
ニコニコとリビングで手紙を読む
この時ばかりは
リビングにみんながそろい
ミニョからあー言われたとか
こー言われたとか
自然に自慢大会になる


騒がしいリビングにうんざりなのか
テギョンは毎回部屋で
一人で見ることにしていた
そして
封筒を開けてつぶやく


「これだけ集めたのに
 まだ帰らないつもりか?
 デジトッキ!!」


丁寧にファイルされた写真たち
あと1枚で100枚になる
いったいどれだけアフリカには
星があるっていうんだ?
一番輝く星を置いていったくせに
口を尖らせて腕を組む・・・・・
それでもやはり気になる手紙の内容に
ゆっくりと手を下ろして便箋を掴むと
椅子に腰をかけた





***




ヒョンニム




あと1つで100個になります
アフリカの星たちも素敵でしょ??
写真でしか届けられないのが
本当に残念です


こちらでは流れ星も
本当に綺麗に見えるんですよ
ヒョンニムは・・・・・
夜はお星様が見えないから
お願い事もできませんね
かわりに
私がヒョンニムの健康を
一番に祈っておきますね!!
お仕事
どうかご無理をしませんように



***





「デジトッキ
 お前の願いは何なんだ?」


耳を掴んでぬいぐるみに話しかければ
少し寂しそうに見えた顔・・


気のせいか?


そうつぶやいた時
ドアからノックが聞こえてきた
返事を待たずして
ドアが勢い良く開くと
ミナムが不機嫌そうに顔を出す


「おい、テギョン
 お前ミニョがなぜもどらないと思う?」

「急になんだ?」

「いいから・・・」

「・・あっちの生活が楽しいんだろう」


もちろん本心は違うところにある
俺だって聞きたいぐらいだった
ミナムは俺の顔をじっと見つめ
本心を引き出そうとしているのか・・・
とても居心地の悪い視線をずっと向けていた
俺は思わず視線をそらし
ミニョからの手紙に目を向ける


「ふーん、そうか」


そう呟いたミナム
視線をミナムに戻せば
すでに後姿がドアに消えようとしていた
おい!何か言いに来たはずだ!!
今帰してはいけない
思わず席を立ち上がり声をかける


「あいつが・・何か言ってたのか?
 その・・・あれだ
 手紙に書いてあったりだな・・・・」

「いや・・・・別に
 お前がそう思ってるから
 それが正解なんじゃないのか?」


ミナムは吐き捨てるように
俺の顔を見ずにそう言うと
ドアが音を立てるように強く閉めた
俺はそれを呆然と見てるだけ・・


何か言っていたのか?
俺には言わないで
ミナムには何かいったのか??


何か理由があって帰れないのか・・・
それとも
こっちに未練などないのだろうか・・・
俺の事は忘れてないよな?
さっき手紙に書いてあっただろ
俺を想って祈ると・・・


考えても考えても
本人に聞かなければ答えなどでない
それでも・・・・思いを巡らせ
ミニョの意図を必死に考える
聞けば早い・・・それは分かっていても
小さなプライドが邪魔をする
待つと言っていたのに
・・・女々しい事あいつにできるか


「・・・もういい」


頭が割れそうに痛い
いろいろな感情を全て流すべく
俺はきついシャワーを浴びた
いっそのこと
悲しみも不安も全て流れて
穏やかに待てる気持ちだけ残ればいい
会いたいという気持ちも・・
苦しいだけだから
流れてしまえばいい・・・










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