kumanofude

【概  要】
筆づくりの歴史と伝統が生き続ける筆の街から、厳選した約150種類の「熊野筆」気軽に体験(試筆)できる機会を演出します。普段見ることのない「伝統工芸士の筆づくり」や東日本大震災で甚大な被害を被った「雄勝硯」(宮城県石巻市)、「墨」(三重県鈴鹿市)、「紙」(鳥取県鳥取市)の「日本の伝統的工芸品:文房四宝」を紹介(試用体験)します。

また、2Fの熊野筆セレクトショップ銀座店(広島ブランドショップTAU)では、オリジナル化粧筆の新作発表や体験を行ないます。

【主  催】 広島県熊野町(総務部商工観光課)        

【企画協力】 一般財団法人 筆の里振興事業団、熊野筆事業協同組合

【開催日時】 平成251118()19日(火)の2日間、各回とも定員25

  ①181630分~20時(163018002回 各回90分) 

  ②1911時~15時(110013302回 各回90分)

【参 加 費】 無料(事前の申込の上ご参加いただいた方には、「熊野筆(書簡用)」を1本プレゼント)

【参加申込先】 氏名、参加人数を下記宛てメール等でお知らせ下さい。

  〒731-4292 広島県安芸郡熊野町中溝1-1-1 熊野町総務部商工観光課

      ℡082(820)5602  fax082(854)8009

       e-mail  kanko@town.kumano.hiroshima.jp       http://www.town.kumano.hiroshima.jp/

   *各回とも、定員に達してない場合には当日参加も可能です。

【申込期限】 平成251031日(木) 

【場  所】 東京都中央区銀座1-6-10 広島ブランドショップTAU 

   * 3Fイベントスペース及び2F熊野筆セレクトショップ銀座店

      http://www.tau-hiroshima.jp/

【対 象 者】 首都圏在住の筆に親しむ大学生・書道愛好家、化粧筆プレス関係者他

【事業内容】(1)熊野筆試筆コーナー

  ①希少で手に入りにくい珍筆や、昔の技法で作られた筆、高級羊毛筆などの書筆、日本画筆など厳選した150種類の多種様々な筆を用意し、熊野筆の書き心地を自由に体感                                              

 20130825試筆会(広島県・熊野町・筆の里工房の様子)

  ②文房四宝産地工芸品の試用体験

  ③講師によるワークショップの実施

(2)筆づくり実演コーナー

  若手伝統工芸士による筆づくり実演を通じて、筆づくりの技を紹介する。

(3)熊野化粧筆体感ルーム

   オリジナル新商品発表及び熊野筆セレクトショップ化粧筆体験(300種類)

   日時 平成251119日(火)11001700

   場所 熊野筆セレクトショップ銀座店(TAU2F

(4)その他

  ①熊野町観光大使 ふでりんによるお出迎え

  ②伝統工芸士作の熊野筆を特別価格で頒布(2F)

  ③facebook登録者にふでりんグッズプレゼント

1.馬・天尾~腰が強く、楷書や学童向けに適した毛質

$広島・熊野筆りんピックin銀座~参加者募集中馬は、ほぼ全身の毛が筆づくりに適しています。数ある毛の中でも最もポピュラーな毛です。胴毛は柔らかく、主に衣毛として使用されますが、その他の部位の毛は弾力に富み、腰が強いのが特徴です。書道用の筆のほか、日本画、水彩画、油彩画、化粧筆などに用いられています。
 尾毛のうち、胴体から約20cmまでの所に生えている特殊な毛を、馬毛の中で特に『天尾(あまお)』と呼びます。

●腰が強く、耐久性に優れており、学童用の筆に多く用いられています。ただ、馬毛のみでは、毛先のまとまりが余り良くないので、他の動物の毛と混毛して用いられることが多い毛です。
●胴の毛は一般的に柔らかく、主に衣毛として用いられていますが、胴毛の中でも特に硬い毛は、染色用の差し刷毛や片羽刷毛に使われています。
●化粧筆のブラシ&コームの毛の部分は馬のたてがみや尾毛が用いられています。

2.イタチ・コリンスキー~弾力・まとまりに優れたしなやかな毛質

$広島・熊野筆りんピックin銀座~参加者募集中イタチ科の動物(イタチ、テンなど)の毛は、腰が強く弾力があり、含み、耐久性に優れた毛質です。すっきりとした線が書けます。毛先がよくまとまるため、楷書や細字に適しています。また、書道用としてのみでなく、水彩画、油彩画などの細部の描写にも適しています。
イタチ毛は、『セーブル』『ヴィーゼル』等、様々な名称で呼ばれています。

●イタチ毛のうち、特に上質なものにコリンスキーがあります。コリンスキーは、他のイタチ毛に比べ毛足が長く、バネがあり、含みが良く、耐久性にも特に優れた、非常に高価な毛です。
●胴体の毛は、毛皮として使用されるため、主に尾毛が筆の原料として使用しています。その中でも、オスの尾毛は毛足が長く、最も優れたものとされています。
●イタチ毛で作られた化粧筆は腰があるため、しっかりと発色します。リップブラシやシャドウブラシ、リキッドブラシなどに用いられています。

3.狸・ラクーン~含みが良く、弾力のある毛質

$広島・熊野筆りんピックin銀座~参加者募集中狸の毛は、軟毛の中では比較的弾力のある毛です。そのため、筆に腰を持たせるために他の原毛と混毛して用いられることもありますが、含みが良く、毛先がよくそろうため、面相筆の原料として使われることもあります。書道用の他、絵画用の筆にも用いられており、薄い絵の具を塗る時や、細部の描写に適しています。

●狸の毛は、毛の根元が細く、先が太い形をしています。そのため、筆にしたとき、穂先に向かってふっくらとした形状になります。墨や絵の具を含ませると、さらにふっくらとした形状になります。先が良くまとまるため、楷書や細字、絵画の細部描写に適しています。軟毛の中では比較的弾力に富むため、筆に腰を持たせるために他の毛と混毛されることも多い毛です。
●尾毛はクセがあるため、胴の毛を使用します。背中の毛は『黒狸』、腹の毛は『白狸』、その他は『合狸』と呼ばれます。

4.猫・玉毛~柔らかくしなやかな毛質

$広島・熊野筆りんピックin銀座~参加者募集中毛質は柔らかで、そのしなやかさは抜群です。毛先が丸いため、『玉毛(たまげ)』と呼ばれることもあります。毛先のまとまりも良く、書道用の筆の中でも、特に細字用の筆に多く用いられる毛です。化粧筆としても使われます。

●とにかく含みの良さで知られる毛です。一説によると、『玉毛』の呼び名の由来として、上記の他に「含みがとても良いので、墨や絵の具を含ませた時に、それが“玉”になって落ちることから、『玉毛』と呼ばれる」という話もあるほどです。先のまとまりも良く、書道用の細字、かな用の筆の他に、蒔絵筆にも用いられます。筆の原料として用いられるのは、猫の背筋の部分です。
●猫の毛のしなやかさは抜群です。化粧筆にすると、指先で化粧をするような、繊細なタッチの筆が出来上がります。耐久性に富んでいますが、粉含みには劣ります。そのため、少しずつ色をつけたい細部に用いるアイシャドウブラシなどに適しています。

5.鹿・山馬~硬い毛質で、筆の腰毛として用いられる

$広島・熊野筆りんピックin銀座~参加者募集中鹿の毛は硬く、原毛の中では最も硬い部類に入ると言われています。そのため、鹿の毛のみで筆を作ることはまれで、筆の腰毛として他の毛と混毛して用いられることが多い毛です。

●鹿の毛は硬く、主に筆の腰毛として用いられることが多い毛です。腰毛以外には、染色の引き染め用の刷毛や、刷り込み刷毛などに用いられます。
●鹿の毛のみで筆を作ると、勢いのある線や、渇筆に適した筆となります。そのため、かすれを生かした書や画の作品作りに適した筆と言えるでしょう。
●『山馬(さんば)』とは、東南アジアに生息する鹿の一種から採取する毛の名称です。胴の毛は筆の腰毛、オスのたてがみは大筆の原料として用いられます。毛の硬さは現在、原毛の中では一番硬いと言われています。現在はワシントン条約で捕獲禁止とされており、原毛の輸入は出来ません。そのため、現在筆づくりに用いられている山馬は、捕獲禁止とされる以前に採取された原毛のみです。

6.羊毛~やわらかな表現に適した毛質

$広島・熊野筆りんピックin銀座~参加者募集中『羊毛』と呼ばれる毛は、中国産のヤギで、ヒツジとは異なります。羊毛の筆を使って書くと、やわらかな線質になりますが、使い方によってさまざまな表現が可能な毛質で、作品制作の場で愛好者の多い筆です。
柔らかで含みがよいことが特徴の羊毛は、耐久性に富み、書道用のほか、水彩画や日本画、水墨画、化粧筆などに用いられています。

●毛質の良い細微毛(毛先が透明に近いアメ色をしています)は、上質の羊毛筆に用いられます。毛質の悪い毛は、塗装用の刷毛などに用いられます。
●羊毛の中でも尾毛は弾力に富んでいます。そのため、筆の芯毛としても使われます。
●化粧筆に使われる場合も、その毛質の違いによって、肌触りが変わってきます。また、白い羊毛は染色され、穂先に色とりどりの色がついているカラーブラシとしても用いられます。