今週末も二つのライブに呼んでいただき、その都度最高のパフォーマンスとドラマを、ご来場くださった皆様にお届けすることができました。私はというと、普段弦6本のみで自分を主張して聴かせなければならない仕事をさせてもらっているので、個人的な反省点は勿論の事、共演者の方々のご迷惑にならないよう、日々精進させてもらっている身です。

さて、ライブの個人的な感想と行きましょう。今回は内容の関係上、日付が逆さまになっています。

 

 

9/11(土) 八王子グラン・デセオ フラメンコライブ
 スペイン本土のタブラオは、コロナ禍の影響からか、現在、瞬く間に数を減らしていってしまっているそうです。そんななか、距離にして凡そ1万km以上離れた日本で、こうしてタブラオライブを続けてできるというのは、ある意味奇跡に近いのではないでしょうか。(タブラオライブとは、フラメンコ舞踊が主力となるライブの事です。)
 構成は踊り手が4名(関口京子さん、池森暢昌さん、藤澤茉莉佳さん、島崎リノさん)、そしてカンテ(フラメンコボーカル)のダニエル・アスカラテとギターの僕でした。このようなライブになると、カンテとギターは、基本的に踊りの伴奏のみを担当することとなり、ソロ演奏は滅多にしないのですが、時間に余裕があったり、長いプログラムを組んだりすると双方のソロ演奏を任されることがあります。今回は、お客様に僕のギターを聴きたいとの強い要望があり、世界的な天才フラメンコギタリストである「Paco de Lucía」の「Río de la miel」という曲を一曲演奏させていただきました。良い評判をいただいたそうなのですが、時間と都合の関係上、要望してくださったお客様へ、しっかりご挨拶することができませんでした。
この場を借りてしまいます!大変申し訳ございません!泣
ぜひとも、謝罪の言葉を受け止めていただければ幸いです…。

さて、本題に戻って、4名の踊り手は、フラメンコの基本に忠実に、そして踊りは自身の個性をしっかり出力されていました。関口京子さんはタラントとグアヒーラ、藤澤茉莉佳さんはアレグリアス、池森暢昌さんはシギリージャとアレグリアス、島崎リノさんはティエントでした。いつものタブラオライブ形式で、いつもの仕事という感覚ではありますが、それを美しく魅せるのは至難の業です。それを難なくこなし、魅せることができる踊り手4名は、本当に素晴らしい踊り手だと思います。

(※今後のこのブログの方針で、踊りや他分野については、殆どわからない価値観もあるので、この場での批評的なコメントは避けたいと思います。)

 

 

9/10(金) 橋本容昌企画Vol.1 Mano a Mano 一対一 in La Barrica

 カホン奏者、基、ラテンミュージック・ハンドパーカッション奏者「橋本容昌(ようすけ)」氏の企画によるライブでした。内容は、前代未聞と言ってしまったらそこまでなのでしょうが、

とにかくライブコンセプトが全て新しい。

フラメンコライブ、というのに、容昌さんを軸に、私と他3名のアーティストが回り巡って対決していくという、まるで対バンライブのような、とても面白い企画でした。しかもこのライブ、容昌さんという主役がいながら、共演者を限界までステージで輝かせていました。 

 橋本容昌さんは、元々フラメンコ音楽のパーカッションを担当していたわけではなく、根っからのラテンミュージック志向でした。共演者のバイオリニスト兼作曲家の森川拓哉さんは容昌さんの大学時代からのご友人でらっしゃって、森川さん曰く「当時は全くフラメンコに興味がなかった。」とのこと。その後、数多のフラメンコパーカッション奏者の演奏に出会い、フラメンコ界にずるずると惹かれて、昨年は私の留学先でもあるセビーリャに1年フラメンコカホン修行をしに行ってしまうほどの熱狂さ。(僕もやったことないほどの厳しい訓練を受けてこられました。) その頃、丁度私がセビーリャにいる頃と被っている時期があり、元々私のライブでも数回出演していただいたご縁もあって、色々お話させていただいていました。その頃、「自分はこんなライブを一回企画してやってみたい!」という話があり、それがこのライブでした。最初は小さな箱でやってみて…とのことでした。「面白い企画を思いつくなぁ…。」と感心していたところ、ギターの白羽の矢が私の元に…!

わし 「え?僕でよいのですか?」
容昌氏 「はい。お願いします。」

そして、その後、遠征でセビーリャを離れて別の都市にいた間にロックダウンになり、私はセビーリャに帰ることが許されず、なくなく留学中断。しかし、そんなアーティストとの貴重な時間がめっきり減っていく中、彼はできる限りの修行をして、無事に帰国されてきました。そして、中々ライブ開催できるほどの環境にならず、時間が空き、その間に様々な活動を経て、このライブへとつながっていくのでした。僕は今回、「互いにやりあおう」というコンセプトのもと、ブレリアスとソレアを選び、好き勝手やるけどもフラメンコには忠実に、という現代的思考をもって演奏させていただきました。中々ハードな演奏になり、自分よがりにならないか心配でしたが、そこは容昌さんの素晴らしいパーカスさばきで、うまく僕をフォローしてくださいました。

 

うん。やはり一流は本当に素晴らしい。

で、肝心な感触ですが、大繁盛状態で、コロナ禍にもかかわらず、制限定員数ギリギリに達するほど多くの方にご来場いただき、また配信もご視聴いただきました。そして、その中から

「このメンバーで第2弾を開催してほしい!」

という声を、多数いただきました。僕も感触の良いライブだったと感じていたので、お客様にそれ以上喜んでいただけたのは、本当に光栄でした。もとより、このライブの評判は、容昌氏の企画力が天賦の才能のような素晴らしいものだったからなのです。新たな挑戦によって繰り広げられた壮大な世界観に、主演も共演も、お客様も、みんな楽しいライブでした。


というわけで、また明日~。