平井呈一氏による翻訳怪奇小説集
ラヴクラフトやブラックウッドなど13編が収録されている、が故に好みが分かれてしまい、明らかにスピードが落ちてしまうものもいくつかあった
その為途中で他の本を読んだりで読了まで二週間弱かかってしまった

序盤のラヴクラフト「アウトサイダー」やブラックウッド「幽霊島」、ベンソンの「塔の中の部屋」は非常に面白く読めたが、アスキス「鎮魂曲」ワイルド「カンタヴィルの幽霊」はしんどかった
この二篇どちらもだいぶ長いのだが、これといって盛り上がる場面もなく、淡々と進んで淡々と終わってしまう
一応ワイルドの方はなかなか涼やかな終わり方ではあったが、他の作品とあまりにも毛色が違いすぎて、というか完全にコメディになっていて、そのノリがしんどかった

アンソロジーとしてはゴーリー編の憑かれた鏡の方が一冊通して楽しめた
やはり編者の好みが一致すると安心できる