くまみのブログ -5ページ目

アシスタント(映画)

 

これは、きつい映画です。

まあまあ面白かったけど、「イヤ映画」(笑)、の部類かもしれません。

 

いやーな台詞もいっぱい。

「だいじょうぶ。君は彼のタイプじゃない」・・・

サイッテーだな。

 

これを見て「私はまだましだなあ」と思うか、

「ああ、ここにも私が!」と思うかでも、ずいぶん見方は違うかも。

 

組織の恐ろしさを感じます。

 

公私混同、浄化されようのない組織のありかたなどに、

慣れきってしまった大人たち。

まだそれに慣れない主人公。

 

どう闘う?

闘い方はいろいろあると思うけれど。。。

逃げてもいいし、腹を据えて居座ってもいい。

どちらを選んでも、誰にも批判されるいわれはないと思う。

 

負けるな! ってヒロインを応援したくなる。

でも、自分がすり減らないでね。

それから、あなたが加害者にならないでね、と願いながら。

 

ART(舞台)

 

男性キャスト3人のみによる台詞劇。

硬軟どちらにも自在に触れる役者さんの顔合わせで、見応えのある舞台でした。

 

できれば、もうちょっと小さめの劇場で見たかったけど。。。

 

ただ、いかにも西洋の芝居だな、という感じは否定できないかも。

というのは、日本の年配男性が、これだけ互いの関係について、

きちんと言語でやりとりするって、あんまり想像しにくい。

 

そのうえで「お試し期間」なんて言葉が出てくるのだけど、

これも、どちらかというとジェンダーで言うと女性っぽい発想かなって思う。

 

とはいえ、彼らの会話には、彼らと、(キャストにはなっていないけれど)

身近な女性たちとの関係も垣間見える。

 

男同士って、実は何にも中身のある会話してないことが多いよね、

特に「仲良し」って思いあっている、「男同士の絆」っぽい集団は。

って、意地悪な目でいつも見ている私です。

 

親しい男性には、わりと論理的かつ穏やかな人が多いけど

(というか、論理的にものを言えない人は嫌いで)、

みな、男性の共同体ではちょっと浮いている人ばかり。

あ、そうか、だから私が仲良くなれるのか。

 

役者さんたちはきっと、芝居を作るうえできちんと議論をするので、

この脚本にすんなり入っていけるのかもしれません。

 

・・なんて、いろいろ考えさせられた、という点でも面白いお芝居でした。

 

 

 

 

ウーマントーキング 私たちの選択(映画)

 

これは、多くの人に見て欲しい映画だと思いました。

 

実話がもとになっているとのこと。

原作の小説を読みたいと思いましたが、まだ日本語に訳されていないのかな?

 

村で起きた事件を受けて、女性たちが今後自分たちがどうすべきかを話し合う物語。

 

途中でついて行けなくなったりしないかな? と、見る前は不安があったのですが、

それはまったくの杞憂でした。

最後まで、彼女たちが何を選ぶのか、目が離せない。

 

一言で言えば、「ホモソーシャルからの逃走、再構築」ということになるのでしょうか。

極端な世界の物語だと思う人がいるかもしれしないけど、そんなことはない。

暴力がわかりやすくむき出しにされているだけで、これによく似た図式は、

今も世界の至る所にあふれている気がする。

 

この後にどういう世界を構築できるのか。

そのために何ができるのか。

 

考えて、できることはしていきたい。

改めて、そう思う映画でした。

 

でも、やっぱりキリスト教の要素を理解するのがいつも課題だなー。