アシスタント(映画)
これは、きつい映画です。
まあまあ面白かったけど、「イヤ映画」(笑)、の部類かもしれません。
いやーな台詞もいっぱい。
「だいじょうぶ。君は彼のタイプじゃない」・・・
サイッテーだな。
これを見て「私はまだましだなあ」と思うか、
「ああ、ここにも私が!」と思うかでも、ずいぶん見方は違うかも。
組織の恐ろしさを感じます。
公私混同、浄化されようのない組織のありかたなどに、
慣れきってしまった大人たち。
まだそれに慣れない主人公。
どう闘う?
闘い方はいろいろあると思うけれど。。。
逃げてもいいし、腹を据えて居座ってもいい。
どちらを選んでも、誰にも批判されるいわれはないと思う。
負けるな! ってヒロインを応援したくなる。
でも、自分がすり減らないでね。
それから、あなたが加害者にならないでね、と願いながら。
ART(舞台)
男性キャスト3人のみによる台詞劇。
硬軟どちらにも自在に触れる役者さんの顔合わせで、見応えのある舞台でした。
できれば、もうちょっと小さめの劇場で見たかったけど。。。
ただ、いかにも西洋の芝居だな、という感じは否定できないかも。
というのは、日本の年配男性が、これだけ互いの関係について、
きちんと言語でやりとりするって、あんまり想像しにくい。
そのうえで「お試し期間」なんて言葉が出てくるのだけど、
これも、どちらかというとジェンダーで言うと女性っぽい発想かなって思う。
とはいえ、彼らの会話には、彼らと、(キャストにはなっていないけれど)
身近な女性たちとの関係も垣間見える。
男同士って、実は何にも中身のある会話してないことが多いよね、
特に「仲良し」って思いあっている、「男同士の絆」っぽい集団は。
って、意地悪な目でいつも見ている私です。
親しい男性には、わりと論理的かつ穏やかな人が多いけど
(というか、論理的にものを言えない人は嫌いで)、
みな、男性の共同体ではちょっと浮いている人ばかり。
あ、そうか、だから私が仲良くなれるのか。
役者さんたちはきっと、芝居を作るうえできちんと議論をするので、
この脚本にすんなり入っていけるのかもしれません。
・・なんて、いろいろ考えさせられた、という点でも面白いお芝居でした。
ウーマントーキング 私たちの選択(映画)
これは、多くの人に見て欲しい映画だと思いました。
実話がもとになっているとのこと。
原作の小説を読みたいと思いましたが、まだ日本語に訳されていないのかな?
村で起きた事件を受けて、女性たちが今後自分たちがどうすべきかを話し合う物語。
途中でついて行けなくなったりしないかな? と、見る前は不安があったのですが、
それはまったくの杞憂でした。
最後まで、彼女たちが何を選ぶのか、目が離せない。
一言で言えば、「ホモソーシャルからの逃走、再構築」ということになるのでしょうか。
極端な世界の物語だと思う人がいるかもしれしないけど、そんなことはない。
暴力がわかりやすくむき出しにされているだけで、これによく似た図式は、
今も世界の至る所にあふれている気がする。
この後にどういう世界を構築できるのか。
そのために何ができるのか。
考えて、できることはしていきたい。
改めて、そう思う映画でした。
でも、やっぱりキリスト教の要素を理解するのがいつも課題だなー。