私が花を撮るようになったのはきっかけは以下のとおりである。

数年前のことである。私は外国人の技術指導を行っていた。その外国人は東南アジア出身の娘であった。素直で頭がいい。

日本に来たばかりで必死に日本の文化に慣れようと努力していた。その姿をみた私は、何か手助けができないものかと色々考えて対応した。その時にその娘が花好きであることを知った。

研修を終え仕事に就くときの不安げな様子が心に残った。

このため、きれいな花を見つけた折には撮ってSNSで送った。少しでも寂しさがまぎれればいいとの思いであった。送ったたびに

「きれいです。ありがとうございます。」

という返事をもらった。嬉しかったが、その一方で迷惑ではないかとも思っていた。

約半年ぐらい続けたが、徐々に連絡が途絶えてきて自然消滅してしまった。日本の生活にも慣れ、いい友達ができたのだろうと思っている。元気で暮らしていることを願うばかりである。

さて花の話であるが、

もともと花にあまり興味がなかった私がこんなことをやるようになったのには自分でも驚いている。

誰かのために役立ちたいと思う気持ちがそうさせたのだと思っている。ただ自己満足の域を超えていないのが何とももどかしいところである・・・

そしてこれがきっかけで、今でもきれいな花を見つけたら撮るようになった。もちろん専門家でもないずぶの素人が撮った写真である。大したものではないのは明らかである。

それでも小さな感動があると思わず撮ってしまう。

それでいいのだと思っている。なのでこれからも撮り続ける。

ここ数日とても暑い日が続いている。

花も枯れ気味であまり咲いていない。

それでも散歩の傍らに見つけたこのニチニチソウは、けなげに咲いている。そう感じた私は思わずシャッターを押した。

暑い中で見つけたニチニチソウ