前回の第25回ブログでは、
「どんな名前やロゴが商標として登録できないのか?」
というNGポイントを、太郎くんのおはなしを通して学びました。
そして、太郎くんが考えた3つのクッキーの名前のうち、
・チョコレートクッキー
・くるみサクサククッキー
・たろうイチバン星クッキー
これらを、
① その名前やロゴに識別力があるか? (だれの商品なのかがわかること)
② その名前に特別さ(オリジナリティ)があるか?
③ お店の状況や売れ方、ライバルの状況などの外からの事情
という3つのポイントで見ていくことが大切だと聞きました。
そして前回まででは、
「チョコレートクッキー」と
「くるみサクサククッキー」は
登録の必要性が低いことがわかりました。
では、最後に残った 「たろうイチバン星クッキー」 はどうでしょうか?
ここからは、太郎くんとクマ先生のおはなしの続きです。
3つめのポイントってどんなこと?
~第26回 おはなし~
:「クマ先生、残ったのは『たろうイチバン星クッキー』だけだね。
これは登録したほうがいいのかな?」
:「よし。一緒に考えてみようか。まずは3つのポイントのうち、
前回までに知った
①識別力(だれの商品なのかがわかること) と
②オリジナリティ(特別さがあること)
についてみてみようね。」
識別力があるか? 〇
:「『イチバン星』っていう言葉は、クッキーの味や材料を説明しているわけじゃないね。だから、これはお店の名前としてしっかり覚えてもらえる力があるんだ。」
:「たしかに、『サクサク』とか『チョコ』みたいな説明じゃないもんね。」
オリジナリティがあるか? 〇
:「星形のクッキーは他にもあるかもしれないけど、その名前として、『イチバン星』という言葉を持ってくることは、太郎くんが考えたんだよね。 こういう他のお店と被りにくい特別な言葉は、 オリジナリティがあると言えるんじゃないかな。」
:「よかった!他にはない名前をなるべく考えたんだよね」
:ということで、①識別力、②オリジナリティについては、「たろうイチバン星クッキー」は条件を満たしているといえるね!
太郎くんは、この名前をどうやって考えたの?
:「ところで太郎くん、この名前を考えるとき、どんなことを意識したの?」
:「えっとね……」
太郎くんは、少し照れながら話し始めました。
● 1. 商品の特徴が伝わるように
:「星のカタチをしているし、もちろん僕がつくったクッキーだとわかるように『たろう』の文字も入れたんだ。『イチバン』って入っているとおいしそうでしょ!」
● 2. 大人も子どもも興味を持つように
:「子どもがワクワクする言葉にしたかったし、大人もかわいいって思ってくれそうで。」
● 3. 世界観を感じてもらえるように
:「イチバン星って、なんか夢があって、物語が始まりそうでしょ?」
● 4. 覚えてもらいやすいように
:「一度聞いたら忘れない名前にしたかったんだ。」
:「うんうん。 これはまさに、みんなが普段、名前やロゴを考えるときに自然とやっているブランドづくりなんだよ。」
:「太郎くんが考えたことは、とても大事で、
商品をどう見せたいか、どんな人に届けたいか、
そういう“ブランドのイメージづくり”は、名前を考えるときに自然と出てくる大切な視点なんだ。」
:「よかったぁ!ちゃんと考えられてたんだね。」
:「うん。でもね、商標登録をするかどうかを考えるときには、ここにもう一歩だけ足す必要があるんだ。」
:「もう一歩……?」
お店の状況や売れ方と「外からの事情」
:「それが、前に話した3つ目のポイント——
③ お店の状況や売れ方、ライバルの状況などの『外からの事情』
を考えることなんだよ。」
:「外からの事情……?」
:「たとえばね——」
・この商品はお店のメイン商品として育てたいのか?
・すでにお客さんに人気が出てきているのか?
・ライバルが似た名前を使いそうか?
・SNSや口コミで広まりやすい名前か?
・他のお店にマネされる可能性があるか?
:「これは、自分がどうしたいかという視点に加えて、その商品がお客さんからどう見えるのか?という視点なんだ。ライバルのお店の商品との違いがわかりやすいか?、SNS映えする名前なのか?なんてのは、そういった視点から考えられるよね。
できるだけ多くの「外からの事情」をめぐらせて考えてみると、その名前を商標として守るべきかどうか がもっとはっきりしてくるよ。」
:「なるほど……
僕が名前に込めた思いだけじゃなくて、
お店の状況やライバルのことも考えないといけないんだね。」

:「そう。
太郎くんが考えた『たろうイチバン星クッキー』は、
名前としての力(識別力・オリジナリティ)もあるし、
ブランドとして育てやすいし、
そして『外からの事情』を見ても、守る価値が高い名前なんだよ。」
:「じゃあ……やっぱり登録したほうがいいんだね!」
:「うん。
太郎くんのお店の未来を守るためにも、
この名前は登録を考える価値があると思うよ。」
~ 第26回 おはなし おしまい ~
商標登録を考えるときに大切な3つのポイント
第26回ブログでは、
太郎くんが考えた「たろうイチバン星クッキー」を例にしながら、
商標登録を考えるときに大切な3つのポイント をもう一度確認しました。
① その名前やロゴに識別力があるか? (だれの商品なのかがわかること)
② その名前に特別さ(オリジナリティ)があるか?
③ お店の状況や売れ方、ライバルの状況などの外からの事情
この3つがそろうと、
その名前は“商標として守る価値が高い” と言えます。
今回のおはなしでは、
「たろうイチバン星クッキー」がこの3つを満たしていることがわかりました。
太郎くんが自然にやっていたブランドづくり
おはなしの中で太郎くんは、 名前を考えるときに次の4つを大切にしていました。
・商品の特徴が伝わる
・大人も子どもも興味を持つ
・世界観を感じてもらえる
・覚えてもらいやすい
これは、 多くの人が名前やロゴを考えるときに自然とやっているブランドづくり です。
「どう見せたいか?」 「どんな人に届けたいか?」 「どんな気持ちになってほしいか?」
こうした『内側の思い』は、 ブランドの核になるとても大切な視点です。
もう一歩の視点
ただし、商標登録を考えるときには、
太郎くんがやっていたブランドづくりに もう一歩だけ視点を足す必要があります。
それが、
③ お店の状況や売れ方、ライバルの状況などの外からの事情
です。
・メイン商品として育てたいか
・人気が出てきているか
・ライバルが似た名前を使いそうか
・SNSで広まりやすいか
・マネされる可能性があるか
こうした外の世界の動きを考えることで、 その名前を商標として守るべきかどうか がより明確になります。
商標は、「ただ登録するための制度」ではなく、 お店の未来を守るための道具 だからです。
まとめ
今回のポイントは、
『良い名前 』と『登録すべき名前』は必ずしも同じではない
ということです。
・自分の思い(ブランドの内側)
・お客さんやライバルの動き(外側)
・商標としての強さ(識別力・オリジナリティ)
を考えることで、
本当に守るべき名前が見えてきますよ
次回の第27回ブログからは、
「実際に商標登録するとき、どんな手順で行うの?」
という実践編に進んでいきます。
太郎くんと一緒に、 名前を守るためのステップを学んでいきましょう。
次回をお楽しみに
ではまたね!



