​対局時計の故障


将棋教室や道場には欠かせない対局時計。

今はもう非売品のものも多く、故障したら新しいものに取り替えるしかないとはいえ、何とかなるなら何とかしたい!

と思われている方も多いのでは…。


もちろん時計屋さんに修理を依頼するのも良いと思います!

しかし、時計屋さんによっては部品が手に入らないということでお断りされる場合もあります。


また、金銭面の関係で、すぐに新しいものに買い替えたり、修理に出すということが難しかったりもします。


当クラブ以外にもそんな風にお困りの方がいるかもしれないと思い、このページを作ることにしました。


あくまで素人作業ですので、プロの方が見たら「そんな汚い作業では!」というお叱りがあるかもしれません。しかしながら、壊れた対局時計を何とかしたい方のためになればと思ってのことですので、ご容赦いただけたらと思いますえーん


「もっとこうした方が良いよ!」「もっと良い部品あるよ!」などのアドバイスは大変ありがたいです!その都度このページに更新していきたいと思いますので、ぜひメッセージをいただけたらありがたいです。よろしくお願いいたします。



概要


対局時計で壊れそうな場所は主に2ヶ所。

[1] 電池ボックスの接触不良

[2] タイマーを押すボタンの接触不良


それ以外の不具合は、回路を追跡しないと不可能なので割愛します。


[1] 電池ボックスの場合

症状としては、表示画面が全く出ないとき。

これは電池の接点を磨けば何とかなる。


[2] タイマーを押すボタンの場合

症状としては、片方のボタンは反応するのに、もう片方が反応しないなど。

これは箱を開けて、ボタンに繋がっている2つの線をショートさせて、所定の動作をするかどうかをチェックする。

ショートさせて所定の動作をするなら、スイッチを取り替えれば良い。


※当クラブで数台故障しましたが、全て[2]が原因でした。



​修理


使った道具たち



やりだせば作業は簡単ですが、実は事前準備の方が時間はかかりました。それは後述します。



①故障の確認

ボタンを押しても、相手方のタイマーにうつらない

[2]の場合に該当します



②開く

ネジを外して開きます



③部品を外す

開きながら押し出すのがコツ



今回は線がすでに切れていたものもあったので、被覆部を少し剥がしたりもしました。



④線を外す

スイッチに繋がっている線を外します



⑤部品の装着

あらかじめ購入した代替品

この部品についても後述します。



⑥ハンダづけ



⑦チェック



⑧完了(優しく使ってくださいね)



これだけ見たら、人によっては「なんだ、こんな簡単なことか」となりそうな気もしますが、ハンダづけなんて学校の技術でやった以来…という方もいると思いますので、修理はあくまで自己責任でお願いいたします。


何が一番大変かといえば、部品探しでした。。。



​事前準備と裏話


対局時計はすでに製造中止。部品も同じものはないでしょうから、せめて代替品でカバーできないかと、まずは部品の計測。



12×12×11

モメンタリのマイクロタクトスイッチ

で何とかならないかとネットで購入してみました。



そうしたら、なんと0.数mmのところで入らない…。



悩んだ末、上部をヤスリで削ることにしました。汗

→もっと良い方法があれば、どなたかアドバイスお願いします!


小さくて扱いにくいので、ちょっと工夫してみました。



割りばしに穴を開けて、挟みます。



1つ、2つだけの作業なら直接ヤスリをかければいいかもしれませんが、何台も修理するとなると、後々便利です。



このマイクロスイッチが不良品じゃないか、あらかじめチェッカーでチェック。



そして最後に気づいたのが、ストロークの長さが違うということ…。


買った部品は驚くほどストロークが短かったのです。笑い泣き


なるべく元の部品と近いものをと思い、今回は12×12×11を買いましたが、12×12×9などを買って、かためのスポンジなどで上部をカバーして、ストロークの長さを少しでも近づけるようにしたほうが良いかもしれません。

その方がヤスリで削る必要もないですし。笑



そんなこんなで、何とか無事に修理ができました。


みんなには、これからも楽しく将棋をしてもらいたいです。そして備品は大切にね。




Twitterで将棋教室を経営されている方や指導員の方から修理についての情報、コメント、アドバイスもいただき大変参考になりました。

ありがとうございました!