「マンション」と「一戸建て」の2種類の住まい。自分に向いているのは、いったいどっち? それを知るためには、住まい方の違いをよく理解することが大切です。「マンション」と「一戸建て」を比べながら、それぞれの住まいの特徴をみていきましょう。
マンションならでは「4つのみんな」
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マンションときいて、どんなイメージが浮かんできますか? 一般的に、利便性が良いとか、眺望が良いというイメージがありますね。実は、マンションに住むうえで知っておきたい、もっと大事なことがあります。キーワードは、4つの「みんな」
1.どこまでが自分のもの? みんなのものはどこから?
マンションは、自分のもの(専有部分)とみんなのもの(共用部分)にわけられます。さて、ここで問題。
(問題)次の箇所は、専有部分と共用部分、どちらのものでしょうか?
(バルコニー、玄関のドア、窓ガラス)
(答え)バルコニーは共用部分
玄関のドアや窓ガラスは、専有部分でもあり、共用部分
玄関のドアや窓ガラスの自分の部屋側は住んでいる人のもの、外側はマンションに住んでいる、みんなのものになります。また、洗濯物を干したりするバルコニーも、厳密には共用部分になるのです。
2.みんなで守ろう! マンションのルール
マンションには、たくさんの人たちが住んでいます。その人たちがうまく生活していくために、マンション独自のルールが定められているのです。このルールのことを、「管理規約・使用細則」といいます。飼ってよいペットの大きさや種類、建物の利用方法についてなど、そのマンションに関するさまざまなルールが、この「管理規約・使用細則」で定められています。
マンションの共用施設にある、集会所、プール、温泉、シアタールームなど、これらの利用方法についても管理規約・使用細則で決められています。
3.みんなで負担「管理費」と「修繕積立金」
マンションに住むと、毎月支払うお金。「管理費」と「修繕積立金」の2種類、あります。
「管理費」は、共用部分の清掃、エレベーターなど設備類の点検、警備といった管理業務のために管理会社に支払われるコスト。
「修繕積立金」は、将来行なわれる建物の修繕に備えるお金で、建物をこれからもきちんと維持していくための、いわば貯金といったところ。建物はきちんと適切なメンテナンスをしなければ、老朽化し、壊れてしまうところもでてきます。
建物に何かあったときには、修繕積立金で修理します。また、建物を永く維持していくために15年に1回ほど行なわれる、大規模修繕工事のための費用にもあてられます。壊れる前に予防的なメンテナンスを適切に行うことが、建物を長持ちさせるポイント。
4.みんなで加入「マンション管理組合」
マンションは、住んでいる人達みんなのもの。マンションを購入すると、自動的にマンション管理組合員になります。「私は忙しいから会員になりません。」ということはできません。
マンション管理組合が管理規約を変更したり、将来建替えをするときなど、何かを決めるときには、組合員みんなで話し合って決めるのです。
一戸建てだからこそ「3つの自分」
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一戸建てといったら、敷地内を自由に使用できる、自由にリフォームができる、などのイメージがありますね。
家の中で、ピアノをひいても、子どもが家の中を走りまわっても、マンションのように住戸が隣接していないので、それほど心配はいらないでしょう。
この一戸建ての大事なキーワードは、3つの「自分」。
1.土地も建物も自分のもの
土地も建物も自分のもの。増改築するのも、住む人の自由です。
2.住まいのルールは自分で
どんなペットを飼ってもいいし、住まいの利用方法、たとえば自宅を会社として利用するとか、お店として利用するなども自由ですね。
3.建物の管理や修繕は自分で
マンションのように、管理会社に管理を依頼する、毎月の決まった管理費や修繕費はかかりません。そのかわり、建物の維持・管理、掃除は自分で行うのです。
マンションと一戸建てを細かくチェック
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「みんな」でするか、「自分」でするか。これがマンションと一戸建ての大きな違いでしょう。次にもう少しこまかく、マンションと一戸建てのメリットとデメリットを整理してみましょう。自分ならどんな点を優先するか、考えながらチェックしていくと、より理解しやすいですよ。
マンションのメリット
・都心では駅に近い物件が多く、買い物や通勤に便利
・鍵1つで戸締りが楽
・共用施設が充実しているものが多い
・高層階は眺望がよい
・室内の段差が少ないので移動が楽
・敷地内の掃除や、建物の維持管理は管理会社がしてくれるので楽
・管理組合の活動次第では、住みよいマンションになる
マンションのデメリット
・管理費や修繕金、駐車場代が毎月かかる
・ペットの飼育方法や種類に制限がある
・住戸が隣接しているので、居住者間で音のトラブルも
・管理規約の変更や、建替えのときなど、意見をまとめるのが大変
一戸建てのメリット
・庭をつくることもできる
・自由にペットが飼える
・毎月決まった管理費などがかからない
・自由にリフォームできる
・それほど音に気をつかわなくてもいい
一戸建てのデメリット
・比較的郊外で駅から遠い物件が多い
・高齢者や小さいお子さんにとっては、階段の昇り降りが大変
・建物の管理・修理は自分で計画する
・侵入できる窓や玄関が多いので防犯性が心配
どっちに住みたい? 「マンション」それとも「一戸建て」?
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いかがでしたか?あなたは、マンションと一戸建てのどちらに住みたいですか? マンションと一戸建ての住まい方には、さまざまな違いと、それぞれの特徴がありますよね。
都心で、駅に近いところで便利な生活を求めるのか。庭いじりやリフォームなど、自由度が高い家で生活したいのか。
マンションと一戸建ての大きな違いと、メリット・デメリットに自分自身の優先順位をつけてみましょう。そのうえで、自分がマンションに向いているのか、それとも一戸建てに向いているのか、じっくりと考えてみてください。
一口にマンションといっても、さまざまなタイプがあります。大きくは4つ、小規模、大規模、低層、高層マンション。 その中でも、住む人によってファミリー、シングル、DINKSと3つに分けられます。
では、それぞれの特徴について簡単にご説明していきましょう。
敷地の規模でみてみよう
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- 小規模マンション -
小さめな土地の敷地内に一棟だけ、単体で建っているマンション。 たくさん供給されているので、地域や希望の間取りを選ぶときには選択の幅が広がります。物件ごとの世帯数が少なめで、居住者間のコンタクトが取りやすく、共同意識をもって生活していくのが比較的容易、というメリットが。 ご近所の方と気軽にあいさつしたり、お付き合いしやすい環境でしょう。
一方デメリットは、大きな敷地を必要としないためにさまざまな敷地での計画が可能で、周辺の住環境による影響を受けやすいこと。 自分のマンションの隣にいきなり大きな建物が建ってしまう、なんて可能性も。また限られた建築面積を分譲面積にさくことが多いので、計画可能な共用施設が限定されます。必要最低限度の管理人室などが、共用施設として設けられることが多いでしょう。共用施設を充実させるよりも、できるだけ分譲できる部屋を多くする傾向にあるのです。
- 大規模マンション -
多くは広い敷地を使って敷地全体を総合的に計画し、建設されます。 メリットはそれぞれの棟の配置について、日照・プライバシー・利便性などに配慮した計画が可能なこと。公園、広場、キッズルームなどの共用施設が充実しているものもあります。
しかし、世帯数が多いため居住者間のコンタクトが取りにくく、共同意識をもって生活していくことが困難な場合も。 たくさんの人が生活しているためか、「お隣さんの顔さえ知らない」という話もしばしば耳にします。
マンション管理をする上では、いかにこの点を解決するかが、大きなポイント! 共用施設が充実している反面、小規模マンションにはないその共用部を修繕するための費用など、長い期間でみた場合にきちんと維持していくための費用を、居住者全員で考えていく必要があるのです。
小規模マンション
大規模マンション
高さでも違いが
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- 低層マンション -
「都市計画法」という法規の、第1種や第2種にあたる「低層住居専用地域内」に建てられることが多いものです。周辺地域の用途が居住用の建物などに制約されているため、比較的良好な住環境が期待できるでしょう。
しかしその地域の高さ制限によって、無理な計画になっているところには要注意! その敷地、および近隣の土地に浸水の履歴があるにもかかわらず、1階の部屋を半分地下にもぐらせてしまう「半地下」で計画するなどがその例です。地階に浸水の懸念が生じてしまいます。
大雨のときに、自分の部屋に水が流れこんでしまったら大変です。 良好な環境を活かせる計画になっているかどうかが重要ですよ。
- 高層マンション -
行政上の規制や指導が比較的ゆるく、広い土地の確保が容易な幹線道路沿いや、住居系の地域以外に建てられることがあります。この場合は、住環境への影響があることも。周辺の建物の用途、騒音や大気の状況、その他影響を受ける懸念がある施設などは、しっかり確認しましょう!
一方で商業系の施設があったりと、利便性でみれば有利な物件がたくさんあるのも特徴。60mを超える超高層マンションの場合、建築には一定規模以上の敷地が必要なため、行政の指導によるオープンスペースが設けられることも。また免震構造など、地震対策が行われるものもあります。
忘れてはいけない特徴が最後にひとつ。 低層タイプのものにはない、修繕・維持管理が発生することです。高層タイプでは、特別な工法が採用されることも。免震構造では、免震装置という、将来的なメンテナンスが必要なものもあります。念頭においておきましょう。
低層マンション
住む人でみるタイプ
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- ファミリータイプ -
従来多く普及しているタイプのマンションです。 夫婦以外の家族も居住することが可能な広さ、間取りのもの。 構成する家族の人数によってその広さや間取りは、ほんとうにさまざまです。
物件ごとで居住者の層が比較的近かったりすると居住者間で共同意識をもって生活しやすいメリットがあります。 同じ年ごろのお子さんがいたりするなど、毎日の生活のサイクルが似ているとか、共通の話題があったりとか、ご近所のお付き合いもスムーズでしょう。
すでに世の中にたくさん存在し、そこに住まう人たちの家族構成やライフスタイルの変化にともない、いずれ中古市場でも数多く流通することとなる、このタイプ。
資産性をかんがみると、「そのときのライフスタイルにあった住宅に住む」という時代の要求に対応できる「可変性」、つまりライフスタイルにあった間取りなどへの変更が容易な構造であるかがポイントになるでしょう。 管理組合の意識次第で、建物自体の価値が大きく左右することもお忘れなく!
- シングルタイプ -
主に単身者向けのもので、その中でも2つのパターンが。 実際にそこで住むことを目的とした「実需」パターンと、自分はそこに住まないが家賃収入などを目的として購入する「投資」パターンです。
シングルタイプは住環境の利便性を重視したものが多いのが特徴。 物件ごとのコンセプトが明確なものも多いですね。
不特定の居住者が生活する可能性が高いため、ファミリータイプに比べると共同意識をもって生活するのが困難な傾向も。マンション管理に対する意識が低めであることは懸念材料でしょう。
近年、需要が急増しています。その価値は、今後のメンテナンスや維持管理によって物件ごとに大きな差が生じてくるでしょう。
- DINKSタイプ -
夫婦共働きなど、小家族向けの間取り。 シングルタイプの特徴とほぼ一緒ですが、間取りと広さにややゆとりが。 シングルタイプと混合した物件があり、ここ近年人気が高まっているようです。シングルタイプよりも専有面積が広くて間取り変更が可能なものもあり、壁をとりはらい「広々としたリビング」をつくることができるなど、将来的な可変性があるかどうかも重要です。
ざっとみても、マンションにはこんなにさまざまなタイプがあるのです。 それぞれに特徴があり、メリットも、デメリットもあるでしょう。 組み合わせも多彩です。「小規模で低層」とか、「小規模で高層」など。