絵で泣いたこと、ありますか?

僕はないですw


実はそれがちょっとしたコンプレックスというか‥

そんなことを気にしだしたきっかけの思い出をここに。


学生時代、授業の一環といえば聞こえはいいが、言ってしまえば体のいい旅行で、学生12人でいろんな国を回りました。飛び込みで参加したぼくは殆どのメンバーが初対面。よくぞ参加したもんだと今でも思います。


期間にして約3週間。


アフリカの見渡す限りの地平線、ナイロビの雑踏、可愛らしいオスナブリュック(ドイツ)の街並み、雨のアムステルダム、陽気なブリュッセルと色々行きました。


今でも忘れないのは、旅も終わりに近づいたアムステルダム。旅の仲間の一人の女の子とレンブラントの夜警を見たんです。


でっかいなぁ。


絵には特に疎いぼくはそれしか思えずw

実は奥にいる人物が作者のレンブラントと言われている、とか、経年劣化で色落ちしただけで本当はもっと明るい場面だった、とか色々その子が教えてくれました。


へぇー。

すごいなぁ。


くらいのことを思ってると、静かに鼻をすする音が‥


なんとその子はその場で泣いていたんです!

ぼくにはただのでっかい絵でしかない(笑)レンブラントの夜警で。


ここで泣けなかったことが、今でも心に引っかかっています。

別に泣きたかったわけではなく、何も感じなかった自分にがっかりしたんですね。


ここで大切なのが、彼女が泣いた要素です。

絵画という作品の純粋な魅力、つまり視覚情報のみなのか、その絵の背景にある歴史的価値やロマンなど言葉による付加価値か、または自身の経験や思い出による個人的な思い入れか‥


なんだか訊くのは野暮だなぁと思って結局確かめてはいません。

あれから10年経って思うのは、年を食うと後者が多くなるなぁと。余計な知識や人生経験、それまで見て聴いて感じたものが否応なしに多くなって、言葉を介した感動ばかりになってしまう。


歌や映画など、言語が媒体になる感動ではなく、絵画を観て純粋にいい絵だなぁと感動できる感覚を感じてみたい!


とはいえ、例えば夜の月を観て何も感じなかった僕が、魍魎の匣を読んだせいで柚木加菜子と楠本頼子の逃避行を思い出して切なくなったりするのも、歳を重ねて行くほどに思い出で世界が彩られていくようでそれはそれでいいなぁと思ったりする。


絵画で単純に感動する!

そんな経験ある方がいたら教えてほしいですー