Hairspray For Reading
映画を原作とした,1960年代のアメリカを舞台にした物語です。
キャスト
トレイシー:ダンスが大好きなビッグサイズの女子高生
リンク:コーニーコリンズショーに出演する人気ダンサー
シーウィード:トレイシーの同級生の黒人の男の子
リトルアイネズ:シーウィードの妹
メイベル:シーウィードの母
ベルマ:黒人を差別する意地悪な白人女性
アンバー:ベルマの娘
コーニー:コーニーコリンズショーのホスト
”シューーーーー シューー シューーーーーー” スプレーのけむりがボルチモアにあるトレイシーの小さな寝室に立ち込めていました。彼女は髪の毛が高く積みあがるまで何度も何度もスプレーしました。彼女は鏡に映っている自分を見ました。大きな笑顔と大きな髪を持つすてきな十代の女の子。ちょっとぽっちゃりですが気にしていません。毎朝,歌い踊りながらアパートを出て学校へかけ出していました。
放課後になると,トレイシーはコーニー・コリンズショーをテレビで見るため急いでおうちに帰りました。毎日午後4時に始まります。10代の男の子や女の子たちが曲にのって踊っている間,番組の司会のコーニーがすべての最新曲を流していました。
画面を見て,リンクがカメラに躍り出るの待ちながらトレイシーは脚でコツコツと音を立てました。彼は彼女の学校でいちばんの,そして地球でいちばんのキュートな男の子でした!彼はリード女性ダンサーのアンバーと踊っていました。トレイシーは『ああ,リンクと踊ることができたらなあ♡』とつぶやきました。
hairspray ヘアスプレー spray 吹きつける
pile 積み重ねる mirror 鏡
teenager 十代の少年少女 overweight 太りすぎの
apartment アパート teen 十代
tune 曲・メロディ screen 画面
tap 軽くたたく guy 男
ある日,トレイシーはコーニーズショーで新しい女の子ダンサーのオーディションがあることを知りました。これはビッグチャンスだ,と思いました。
次の日の朝,トレイシーは授業をさぼりテレビオーディションへと向かいました。スタジオでは,アンバーの母親とWYZT(テレビ局の名前)のマネージャーがオーディションを受ける女の子たちにインタビューをしていました。トレイシーの順番のとき,ベルマが冷たく青い目でじっと彼女を見つめ,『あなたの番よ。』と言いました。
オーディション後,トレイシーは学校へ戻りウィムジー先生の授業に抜き足差し足で入りました。先生はトレイシーに気づき,居残り部屋へ行くよう彼女に言いました。
トレイシーは居残り部屋に入り,自分だけが白人の子どもだということに気がつきました。黒人の子どもの1人のシーウィードが彼女に新しい踊りのステップや動きを教えてくれました。彼女は踊るのが大好きだったので,居残り部屋にいることを忘れていました。
すると,たまたまリンクが通りかかりました。嬉しいことに,彼は彼女の踊りを褒めて,コーニーがホスト予定のダンスパーティーに彼女を招待しました。
audition オーディション studio スタジオ
interview インタビュー stare じっと見る
tiptoe つま先でそっと歩く detention room 居残り部屋
kid 子ども admire 賞賛する
hop ダンスパーティー(古い表現)
ダンスパーティーの夜が来ました。学校の体育館は10代の少年少女でいっぱいでした。みんなコーニーの注意をひきたがっていました。居残り部屋で踊ったように,トレイシーは踊りまくりました。
トレイシーの踊りを見たとき,コーニーは急に止まりました。あの子はリズムがいい。よく動く。そして何よりも本当にかっこよく踊れる。彼はトレイシーに決めました。
次の日,トレイシーの両親は自分の娘がテレビで踊っているのを見てびっくり仰天しました。彼女はかっこいいステップと動きを見せびらかすように踊りまわりました。『今度は年間最優秀ダンサーのホットな新しい候補者です!』とコーニーが発表しました。
トレイシーは一夜のうちに十代の有名人になりました。ボルチモアのみんなは番組で彼女のことを知りました。トレイシーは高校で一度も人気になったことがありませんでした。今ではみんなが彼女のお友だちになりたがっていました。
しかし,トレイシーが人気になればなるほど,ベルマとアンバーおもしろく思わないようになりました。彼女たちはいろいろな汚い手を使い,トレイシーを番組から引きずり降ろそうとしました。
gym 体育館 attract 引きつける
rhythm リズム amaze ひどくびっくりさせる
candidate 候補者 celebrity 有名人
overnight 一晩で recognize 認識する
pleased 喜んで dirty 汚い
most of all 何よりも
ある夜,シーウィードの母親のメイベルがトレイシーを家族パーティーに招待しました。彼女は毎月行われる”ブラックデー”(黒人のダンサーのみがショーに出演する日)の司会でした。彼女は,ベルマが”ブラックデー”をキャンセルしたことを打ち明けました。コーニーの番組で黒人が踊る唯一の機会でした。シーウィードと彼の妹であるリトルアイネズはひどく衝撃を受け,悲しくなりました。
トレイシーは『もし踊れないのならあなたはデモ行進すべきよ。』と言いました。メイベルはうなずき『金曜に教会で会いましょう。WYZTに向かってデモ行進しましょう!今がその時よ!』と言いました。
大群衆が教会に集まりました。トレイシーが合図をし,先頭に立ちました。群衆はWYZTへ向けて通りをデモ行進し始めました。めちゃめちゃいっぱいの人たちがデモ行進に参加しました。
角を曲がると,人々は警官たちが道を塞いでいるのに気がつきました。彼らはただ自分たちのメッセージをわかってもらいたいだけでした。トレイシーはおまわりさんと話し,彼の肩をポンっとたたきました。すると突然彼は怒り出しました。『警官に暴行をはたらいたな!おまえら,みんな逮捕する!』と彼は叫びました。
reveal 明かす cancel 取り消す
shock 衝撃を与える march on ~に向かってデモ行進する
huge 巨大な assault 突然襲いかかる
arrest 逮捕する
多くの人たちが逮捕されました。リンクはトレイシーのことを心配しましたが彼女は逃げていました。シーウィードと彼のお友だちは彼女をメイベルのお店にかくまってあげました。彼らは次の日のびっくり計画を練っていました。
次の日の朝,ボルチモア中の人々がWYZTに向かいました。1962年,ミス・ティーンエイジ・ヘアスプレーが決まる日でした。それはいつでも大イベントでした。警官たちは,トレイシーを探しながらみんなを一列に並べて調べました。
舞台では,それぞれの女の子がソロダンスを行っていました。最後の瞬間までみんなが投票できるよう,スイッチボードは開けたままでした。踊りが終わると,ミス・ティーンエイジ・ヘアスプレーが決定するのです。
アンバーが踊りを終えました。群衆による拍手喝采が沸き起こりました。得点板にはアンバーが大きくリードしていることが表示されていました。『ええっと,さっきのが最後のダンサーたち?』とコーニーは質問しました。彼の声はいつもより元気がありませんでした。みんなが拍手をしました。彼は優勝者を発表しなければなりませんでした。
crown ~をかぶせる teenage 10代の
stage 舞台 solo ソロの
switchboard 交換台 vote 投票する
burst 破裂する applause 拍手喝采
scoreboard 得点掲示板 cheerful 元気のいい・陽気な
clap 手を叩く announce 発表する
winner 優勝者 as usual いつも通り・相変わらず
音楽が大きくなり,銀色のロケットが天井から降りてきました。トレイシーが中に立っています!彼女がステップを踏み舞台の上で踊り始めると,群衆は声援を送りました。リンクとシーウィードが彼女といっしょです。トレイシーに投票する電話が鳴りっぱなしです。
そのとき,リトルアイネズがいっしょに踊り始めました。みんなが応援しました。あの小さな黒人の女の子がめっちゃ踊っています!ボルチモアのみんなが彼女の魅力的な動きとステップの踊りを見ていました。ボルチモアじゅうから電話による投票が殺到しました。
『お待ちかねの瞬間です!』とコーニーがアナウンスしました。『新しいミス・ティーンエイジ・ヘアスプレーは・・・・・リトルアイネズです!』 最初トレイシーはがっかりしましたが,すぐに喜びで悲鳴を上げました。リトルアイネズが新しいリード・ガール・ダンサーでした!番組は公式に統合されました!
史上初,黒人と白人が一緒にボルチモアのテレビでステージ上に立っていました。ベルマを含め,がっかりする人もいました。しかしほとんどの人は興奮していました。ステージにいるみんなが歌い,踊りながらみんなの勝利をお祝いしていました。トレイシーはリンクの腕の中に踊って入り,彼の青い瞳を嬉しそうにのぞきこみましたとさ。
おしまい
swell 増大する・大きくなる silver 銀色の
rocket ロケット ceiling 天井
onstage 舞台上の pour そそぐ
moment 瞬間 pour in 殺到する
scream 叫ぶ officially 公式に
integrate 統合する upset がっかりした
celebrate 祝う victory 勝利