私は20代のころ、「三島由紀夫が新婚時代に住んでいた」とされる家に、約1年ほど住んだことがある。
木造2階建てのその家は、私が勤務していた会社が男子寮として借りていたもので、かなり古びてはいたが木造2階建ての格式ある家で、庭には竪穴式の防空壕まであった。
地下防空壕には、怖がって同僚の誰も入りたがらなかったので、私が先陣を切って入ってみたところ、3畳ほどの薄暗い地下空間が広がっているだけだった
ただ、当時の私は、「この家に三島由紀夫が新婚時代に住んでいたなんて、そんなバカな…」ぐらいに思っていた。
そんな半信半疑だった私はある日、好奇心から庭先にあった物置小屋に入ってみた。すると、そこにはバーベルやダンベルがごろごろしていたのである。
昭和の時代は、これを『鉄アレイ』と呼んでいた
「あれ? もしかして、これって三島由紀夫氏がかつて使っていたもの…?」
そう思ったのは、一般家庭にはバーベルやダンベルなど、普通は置いていないからである。
その翌日から、私は会社から寮に帰ってくるたびに、『もしかしたら三島由紀夫氏が使っていたかもしれないバーベルやダンベル』で筋トレを始めたのであった。
ちなみに、物置小屋にあったいちばん重たいダンベルはひとつ20kgもあり、私は筋トレ初心者のくせに、その重たいダンベルで自己流かつハードな筋トレを続けたせいで、数カ月後に心臓に不調が生じ、あえなく筋トレをやめざるを得ない羽目に陥ったのであった。。。
ジムで筋トレに励む三島由紀夫氏
あれから、数十年…
2カ月ほど前から筋トレを再開したせいか、上記の記憶が突如よみがえってきた。
そして、あの家は果たして本当に三島由紀夫氏が新婚時代に住んでいた家だったのだろうか?
という疑念が再浮上してきたのだ。
インターネットがある今の時代なら、容易に調べられるはずである。
ということで、いろいろ調べた結果、こんな昔の地図を見つけたのである。
【参考】https://zassha.seesaa.net/article/454227097.html
三島氏が新婚時代に住んでいた住所は、
目黒区緑ヶ丘2323番地(旧住居表示)
かつて会社の寮があったのは、まさにここだった。
Googleマップで現在の様子を見てみたところ、昔の家はもはや存在せず、レンガ造りのオシャレな家に建て替えられていた
とはいえ、かつて三島氏が住んでいた家に、私も住んだことがあるという点は、私にとってそれほど重要なことではない。
私にとっていちばん重要なのは、若かりしころの私が筋トレに使用させていただいたあのバーベルやダンベルが、三島由紀夫氏が使っていたものだった可能性が『かなり高い』というその一点である。
三島氏の著書なんて「潮騒」くらいした読んだことのない無学文盲な私ではあるが、三島氏が使っていたであろうバーベルとダンベルを、三島氏亡き後に使わせていただいた事実に、私の心は少なからず躍るのである。
(違うかもしれんが…)
目指せ、細マッチョ!




