2010/1/21
http://goo.gl/7NRG
セカイカメラの可能性を改めて。
--
BtoCサービスの要諦は「楽しい、便利、お得」。この3つだと考えている。
インターネット、ホームページ
↓
広告モデル、Eコマース
↓
携帯サイト、月額課金モデル
↓
ブログ、ブロードバンド
↓
SNS、CGM、アバター
↓
アイテム課金
↓
ソーシャルアプリ、ゲーム
↓
スマートフォン(iphone,android)、クラウド、ツイッター、グルーポン
↓
?
?リアルタイムウェブ、ネットとリアルの融合?
この先を考えると行き着くところは、そうなるのかな、と。
今までの既存サービスと、リアル連動は結びつけの部分で、やや強引さを感じていたのだが、ARは、ネットとリアルの接着剤になるのではなかろうか。と、期待している。(ここ最近急速に)
##
最近の動向として、ソーシャルゲームに、時間、場所、気候、の変化をゲーム演出に取り入れる動きもあるが、その演出をARで実現することでも、よりリアルさを感じることができそうだ。(余談)
##
ARのKPIは何か?
とどのつまり、今までのサービスの総決算になるのでは、と思う。あくまで現時点での。
課金であり、広告モデルでもあり、物販にも展開しやすいもの。
そこでのKPIは、
アクティブユーザー数(率)、課金率、ARPU。利用頻度?継続利用率?再訪性?
顧客満足度を表す指標は何か。
『ユーザー体験がよりリッチになるかどうか』を数値化することになるのだろう。
冒頭にも述べたとおり、
BtoCサービスの要諦は、「楽しい、便利、お得」。この3つだと考えている。
この3つの欲求は、どうもシチュエーションというパラーメータで変化するように思う。
誰しもがどれかだけを常に求めてるわけではなくて、その置かれた状況で同一人物の中で欲求のシェアが変わるのだ。
このことについて、もう少し考えていこうと思う。
--
(以下、引用)
厳選した有名企業などとプロモーション実績を残した2009年
2009年9月24日のVer1.0リリースから4カ月。このわずかな期間に頓智・は、スペインの老舗ファッションブランドのロエベ、楽天トラベル、パリのシテ科学産業博物館、岐阜県高山市など、名立たる企業・組織を相手にプロモーションの実績を積み上げてきた。
同社COOの佐藤僚氏は、ネットエイジ(現ngi group)でFreeMLやNetMileなどの立ち上げに携わってきた経験を持つが、「こんなに引き合いの多いサービスを扱ったことがない」と感想を漏らす。営業担当は同氏1名のみだが、「日々、世界各国から非常にたくさんの提案をいただいているが、申し訳なくもほとんどをお断りせざるを得ない」という状況。限られた同社のリソースを最大限に活用するために、共に事業を創造していこうという情熱が感じられ、同社のビジョンにも沿う提案をしてくれた相手と優先的に、取引を進めているという。セカイカメラというアプリケーションの登場により、モバイルARのマーケティング活用の可能性を現実的に考え始めた企業の多さが伺えるのではないだろうか。
とはいえ、頓智・はARありきでセカイカメラを作ったわけではなかった。2008年8月に設立した同社はその翌月、イノベーティブなWebサービスの登竜門となるコンテスト「TechCrunch50」でファイナリストに進んだが、ARという言葉を初めて知ったのはその時だったという。
セカイカメラのお目見えはTechCrunch50から約半年後の2009年2月。ファッションイベント「rooms」で、プライベートβテストとして初めて登場。そして9月にはVer1.0を国内でリリース。想定をはるかに上回るアクセスが集まり、サーバダウンなどのトラブルにも見舞われた。その後も、利用者数・エアタグの数は順調に増え、渋谷や秋葉原などの人が集まるスポットでは、セカイカメラのエアタグで周囲の景色が何も見えなくなってしまうほどの人気ぶりだ。2009年12月にはVer2.0を全世界に向けて公開し、冒頭に挙げたような企業・組織とのコラボレーションも進めてきた。
ラグジュアリーブランドのファン層拡大にも貢献
モバイルARの市場規模は2014年までに7億3200万ドルになると報告するレポートなども出始め、セカイカメラ以外のARアプリケーションベンダーも世界各地に登場してきている。佐藤氏は、他社との違いを「ほかのアプリケーションは“ナビゲーションツールにARビューを加えたもの”がほとんど。我々の設計思想はまったく逆」と説明する。現実空間にフワッと1つのレイヤーを被せることで、楽しい体験を実現するソーシャルコミュニケーションツールがセカイカメラの目指すところ。ナビゲーションありきではなく、AR空間内でのインタラクションや体験性を重視するのが特徴となる。
そうした設計思想や多機能性、ユーザーインターフェイスの使い勝手の良さなどから、セカイカメラへの評価は世界的に高い。その証拠に、セカイカメラを使ったマーケティングにいち早く乗り出した企業の名前の中には、ラグジュアリーブランド「ロエベ」の名前もある。歴史と伝統を誇るこのブランドが、なぜこんなにも早くからセカイカメラに、そしてモバイルARに目を付けたのだろうか。
「ロエベがセカイカメラを気に入った一番のポイントは、“お店に来てもらうためのツール”として使えること。コンピュータを使うのはインドア。どうしてもWebサイトのコンテンツだけでは、商品の良さを伝えるのに限界がある。ロエベが新しい顧客層に商品を体験してもらうには、実際に店舗に来てもらう必要があったんです」
ロエベの売上の大半はリピーターだろうが、一方で若年層など新たなファンを作っていく必要があり、そのために最新端末であるiPhone上で若年層やアーリー・アダプターから圧倒的に支持されているセカイカメラに声が掛かったのではないかというのが佐藤氏の分析だ。セカイカメラでは、テキストだけではなく動画の再生も可能なため、よりリッチなメッセージを発信できる。五感を使ったコミュニケーションを重視するロエベには、そうした点が評価されたという。
「セカイカメラは体験性にこだわって作っています。iPhoneも非常にデザインとして優れている。ロエベのようなラグジュアリーブランドが採用しても違和感のないデバイスとアプリケーション。デザイン体験性が非常に大きな違いになったのではないかと思っています」
今まで、ラグジュアリーブランド等はインターネット上では訴求が難しく、出稿先となるメディアもなかなか見つからないという点が度々問題になっていた。こうしたセカイカメラとロエベの取り組みは、モバイルARの可能性を示唆していると言える。
実際に、このロエベとの取り組みは高く評価されたという。これまでの客層とは異なるバックパックを背負った客なども来店する光景も見られた。「セカイカメラの機能をロエベに行けば体験できるらしい」という情報が流れ、実際に店舗を訪れたユーザーが多く、また、新たなマーケティングを体感するために、地方など遠方からも広告・プロモーション関係者の来店もあったのだとか。その場で即購入にはつながらずとも、将来的なファン層の裾野を広げることができ、ロエベにとっては狙い通り。大きな成果を上げられたと認められている。
コミュニケーションの場をリアルに広げられるのが大きな価値
エアタグでホテル情報が分かり、予約もできる。楽天トラベルとのそんな取り組みは、目指している方向性が近かったために始まったものだという。
楽天トラベルの提供しているサービスは、旅行前にホテルの宿泊や飛行機の予約を済ませ、旅行後にレビューを書いてもらうというもの。けれども、旅行中はユーザーと関われないという課題を感じていた。旅行中もユーザーと関われるように機能・役割を拡大するにはどうすれば良いのか。出した答えがセカイカメラとのコラボレーションだった。
「旅行中もサービスを利用してもらうには、ユーザーとの接点がPCだけでは厳しい。そうなるとモバイルを使うことになる。また、『今、見知らぬ土地の交差点にいて、近くの美味しい物を食べたい』となった時には、何をキーワードに検索すれば良いのかも分からない。そうした情報を提供するには、拡張現実が最適なんじゃないかと。我々も楽天トラベルと同じ考えを持っていて、旅行者をサポートするのにエアタグを使おう。まずは位置データがあるホテルのコンテンツをエアタグで表示して、予約可能な状態にしようという話になったわけです」
現状はまだ第一歩を踏み出したばかり。ガイドブックで分かることが少し手軽に見れるようになったに過ぎない。より便利な旅行体験をサポートできるよう、両者でディスカッションを繰り返しているところだという。このように、企業と消費者のコミュニケーションの場所を、Webサイト上だけではなくて、リアルな空間にも拡張できるのが、セカイカメラというプラットフォームの大きな価値だと言える。
モバイルARにおけるマーケティング3つの可能性
モバイルARは、ゲームや商品広告、情報サービス、セカイカメラのようなコミュニケーションツールなど、まだ正解と言える形態が見つかっていないのが現状だが、さまざまな可能性があることは確かだ。こうしたモバイルARをマーケティングに活用するとすれば、どのような展開があり得るかと質問したところ、佐藤氏は次の3つの用途を提案した。
• イノベーティブなイメージを訴求するためのブランドコミュニケーション
• ライブ会場などの“施設”と紐付かせて楽曲購入などにつなげるイベント的な使い方
• コンビニなどのフランチャイズによるリアルな店舗空間を使った、消費者との継続的なコミュニケーション
「現実空間と紐付くコンテンツは親和性が高いと思っています。例えばセカイカメラの場合、楽天トラベルとやっている旅行以外にも、不動産、グルメなどとは非常に親和性が高い。逆に、コミックや着うたなどのデジタルコンテンツ系とは親和性が低いと考えています。セカイカメラとしては、企業コンテンツを提供する時に、それを提供することで『ユーザー体験がよりリッチになるかどうか』を一番の軸にします。
単純に「看板を50mごとに出す」といった拡張現実上の広告枠を提供することも技術的には可能ですが、ユーザー体験を損なうものであれば、あまり意味がありません。広告一つも、ユーザー視点で考えていきたいと思っています」
成長への課題は母数と情報の整理
まだまだ発展途上の分野ではあるが、今後、新たなプラットフォームとして、モバイルARのアプリケーションが隆盛する可能性は十分にある。しかし、企業がマーケティングツールとして利用する際には、ユーザーの母数が重要になってくる。
セカイカメラでもこの点は重視しているものの、「十数年前まで携帯電話を利用するのが特異だったように、道端で携帯端末を掲げてカメラでのぞくといったモバイルARの利用も一般化していく可能性は十分にある」と佐藤氏は予想する。だが、単にそうした状況を待つのではなく、まずはAndroid携帯への対応を進めており、中長期的にはさらに対応デバイスを広げ、ユーザー層を増やし、さまざまな用途に対応できるようにする考えだ。
「エアタグをポストするだけの単機能アプリケーションであれば通常の携帯電話用にも作れますし、ニンテンドーDSiなら手前にも奥にもカメラがあってモニタも2つ。GPS機能はないですがWi-Fiは付いているので、いろいろなことができるんじゃないか、とか。そういった形でさまざまな広がりができると面白いと思いますね」
また、一方で情報の整理に関わる問題もある。前述の通り、「検索」などを行わずとも、カメラを覗けばその場所に関わる情報が拡張現実上に展開されるのが、モバイルARのメリットだ。しかし、その情報が増えすぎるとノイズになってしまう。
セカイカメラでも、ユーザー数が増えるに連れ、エアタグの数が増え過ぎるという問題も浮上してきている。「街の通りをセカイカメラで見て、エアタグが散乱しているのを見るのは、それはそれで楽しいんですが、ずっとこのままだと飽きられてしまう。エアタグの内容に重み付けをするなど、ユーザーが興味を持っているものに素早く辿り着けるようにする仕掛けが必要だと思っています」と成長に伴い、課題も増えてきている様子をうかがわせる。
新宿駅近辺の様子、画面が埋め尽くされるほど多くのエアタグが貼られている
現状は「10%くらい」。暑くなるまでに「度肝を抜いて半分くらい」に
先日、初めてアラビア語でのメールが届くなど、世界的にもセカイカメラへの注目度は高まっている。世界各国から活用に関する問い合わせに加え、人材採用への応募、取材依頼や講演依頼といったメールが連日山のように届くという。
2009年末に400万ドルの増資を行うなど、セカイカメラは既に世界展開を見据えた開発が行われているが、このような試みは日本では稀有だ。佐藤氏は「むしろ日本のベンチャーには海外を目指して欲しいし、そうすることで課題が見え、より良いものを創造できる」と指摘する。特にネットビジネスはボーダレスなのが特徴で、日本特有の強み「ジャパン・アドバンテージ」を活かして圧倒的に大きな海外の市場に挑戦すべき、という意見だ。
現時点でセカイカメラが実現できているのは、描いているビジョンの「10%くらい」。例えば、アニメ「電脳コイル」のようにARでペットを飼えるようにしたり、自分のアバターが他人のアバターとコミュニケーションできるようにする、といったアイデアもあるという。現状は企業やブランド、商業施設向けのサービスを行っているが、中長期的にはユーザーにより楽しんでもらえる各種機能や、それらの利用に対する課金モデルのビジネスプランも温めているようだ。
ドコモの「直感検索ナビ」やauの「実空間透視ケータイ」など、スマートフォン以外の携帯端末によるARサービスの開発も進んでおり、今後はモバイルARがより身近な存在になってくると予測される。そうした中でより良いサービスを提供し、さらにユーザーを増やすべく、セカイカメラも改良を続けていくという。
最後に今後のロードマップを聞いたところ、「2010年の『暑くなるよりも前に度肝を抜くバージョンアップ』を考えています。それで、目指す姿の半分くらいまではいけると思います。ver2.0ではコミュニケーション機能を拡張したので、次はエンターテインメント関連の機能強化。よりリッチな体験ができるように開発を進めていきます」と、佐藤氏は意気込みを語った。
http://goo.gl/7NRG
セカイカメラの可能性を改めて。
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BtoCサービスの要諦は「楽しい、便利、お得」。この3つだと考えている。
インターネット、ホームページ
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広告モデル、Eコマース
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携帯サイト、月額課金モデル
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ブログ、ブロードバンド
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SNS、CGM、アバター
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アイテム課金
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ソーシャルアプリ、ゲーム
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スマートフォン(iphone,android)、クラウド、ツイッター、グルーポン
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?リアルタイムウェブ、ネットとリアルの融合?
この先を考えると行き着くところは、そうなるのかな、と。
今までの既存サービスと、リアル連動は結びつけの部分で、やや強引さを感じていたのだが、ARは、ネットとリアルの接着剤になるのではなかろうか。と、期待している。(ここ最近急速に)
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最近の動向として、ソーシャルゲームに、時間、場所、気候、の変化をゲーム演出に取り入れる動きもあるが、その演出をARで実現することでも、よりリアルさを感じることができそうだ。(余談)
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ARのKPIは何か?
とどのつまり、今までのサービスの総決算になるのでは、と思う。あくまで現時点での。
課金であり、広告モデルでもあり、物販にも展開しやすいもの。
そこでのKPIは、
アクティブユーザー数(率)、課金率、ARPU。利用頻度?継続利用率?再訪性?
顧客満足度を表す指標は何か。
『ユーザー体験がよりリッチになるかどうか』を数値化することになるのだろう。
冒頭にも述べたとおり、
BtoCサービスの要諦は、「楽しい、便利、お得」。この3つだと考えている。
この3つの欲求は、どうもシチュエーションというパラーメータで変化するように思う。
誰しもがどれかだけを常に求めてるわけではなくて、その置かれた状況で同一人物の中で欲求のシェアが変わるのだ。
このことについて、もう少し考えていこうと思う。
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(以下、引用)
厳選した有名企業などとプロモーション実績を残した2009年
2009年9月24日のVer1.0リリースから4カ月。このわずかな期間に頓智・は、スペインの老舗ファッションブランドのロエベ、楽天トラベル、パリのシテ科学産業博物館、岐阜県高山市など、名立たる企業・組織を相手にプロモーションの実績を積み上げてきた。
同社COOの佐藤僚氏は、ネットエイジ(現ngi group)でFreeMLやNetMileなどの立ち上げに携わってきた経験を持つが、「こんなに引き合いの多いサービスを扱ったことがない」と感想を漏らす。営業担当は同氏1名のみだが、「日々、世界各国から非常にたくさんの提案をいただいているが、申し訳なくもほとんどをお断りせざるを得ない」という状況。限られた同社のリソースを最大限に活用するために、共に事業を創造していこうという情熱が感じられ、同社のビジョンにも沿う提案をしてくれた相手と優先的に、取引を進めているという。セカイカメラというアプリケーションの登場により、モバイルARのマーケティング活用の可能性を現実的に考え始めた企業の多さが伺えるのではないだろうか。
とはいえ、頓智・はARありきでセカイカメラを作ったわけではなかった。2008年8月に設立した同社はその翌月、イノベーティブなWebサービスの登竜門となるコンテスト「TechCrunch50」でファイナリストに進んだが、ARという言葉を初めて知ったのはその時だったという。
セカイカメラのお目見えはTechCrunch50から約半年後の2009年2月。ファッションイベント「rooms」で、プライベートβテストとして初めて登場。そして9月にはVer1.0を国内でリリース。想定をはるかに上回るアクセスが集まり、サーバダウンなどのトラブルにも見舞われた。その後も、利用者数・エアタグの数は順調に増え、渋谷や秋葉原などの人が集まるスポットでは、セカイカメラのエアタグで周囲の景色が何も見えなくなってしまうほどの人気ぶりだ。2009年12月にはVer2.0を全世界に向けて公開し、冒頭に挙げたような企業・組織とのコラボレーションも進めてきた。
ラグジュアリーブランドのファン層拡大にも貢献
モバイルARの市場規模は2014年までに7億3200万ドルになると報告するレポートなども出始め、セカイカメラ以外のARアプリケーションベンダーも世界各地に登場してきている。佐藤氏は、他社との違いを「ほかのアプリケーションは“ナビゲーションツールにARビューを加えたもの”がほとんど。我々の設計思想はまったく逆」と説明する。現実空間にフワッと1つのレイヤーを被せることで、楽しい体験を実現するソーシャルコミュニケーションツールがセカイカメラの目指すところ。ナビゲーションありきではなく、AR空間内でのインタラクションや体験性を重視するのが特徴となる。
そうした設計思想や多機能性、ユーザーインターフェイスの使い勝手の良さなどから、セカイカメラへの評価は世界的に高い。その証拠に、セカイカメラを使ったマーケティングにいち早く乗り出した企業の名前の中には、ラグジュアリーブランド「ロエベ」の名前もある。歴史と伝統を誇るこのブランドが、なぜこんなにも早くからセカイカメラに、そしてモバイルARに目を付けたのだろうか。
「ロエベがセカイカメラを気に入った一番のポイントは、“お店に来てもらうためのツール”として使えること。コンピュータを使うのはインドア。どうしてもWebサイトのコンテンツだけでは、商品の良さを伝えるのに限界がある。ロエベが新しい顧客層に商品を体験してもらうには、実際に店舗に来てもらう必要があったんです」
ロエベの売上の大半はリピーターだろうが、一方で若年層など新たなファンを作っていく必要があり、そのために最新端末であるiPhone上で若年層やアーリー・アダプターから圧倒的に支持されているセカイカメラに声が掛かったのではないかというのが佐藤氏の分析だ。セカイカメラでは、テキストだけではなく動画の再生も可能なため、よりリッチなメッセージを発信できる。五感を使ったコミュニケーションを重視するロエベには、そうした点が評価されたという。
「セカイカメラは体験性にこだわって作っています。iPhoneも非常にデザインとして優れている。ロエベのようなラグジュアリーブランドが採用しても違和感のないデバイスとアプリケーション。デザイン体験性が非常に大きな違いになったのではないかと思っています」
今まで、ラグジュアリーブランド等はインターネット上では訴求が難しく、出稿先となるメディアもなかなか見つからないという点が度々問題になっていた。こうしたセカイカメラとロエベの取り組みは、モバイルARの可能性を示唆していると言える。
実際に、このロエベとの取り組みは高く評価されたという。これまでの客層とは異なるバックパックを背負った客なども来店する光景も見られた。「セカイカメラの機能をロエベに行けば体験できるらしい」という情報が流れ、実際に店舗を訪れたユーザーが多く、また、新たなマーケティングを体感するために、地方など遠方からも広告・プロモーション関係者の来店もあったのだとか。その場で即購入にはつながらずとも、将来的なファン層の裾野を広げることができ、ロエベにとっては狙い通り。大きな成果を上げられたと認められている。
コミュニケーションの場をリアルに広げられるのが大きな価値
エアタグでホテル情報が分かり、予約もできる。楽天トラベルとのそんな取り組みは、目指している方向性が近かったために始まったものだという。
楽天トラベルの提供しているサービスは、旅行前にホテルの宿泊や飛行機の予約を済ませ、旅行後にレビューを書いてもらうというもの。けれども、旅行中はユーザーと関われないという課題を感じていた。旅行中もユーザーと関われるように機能・役割を拡大するにはどうすれば良いのか。出した答えがセカイカメラとのコラボレーションだった。
「旅行中もサービスを利用してもらうには、ユーザーとの接点がPCだけでは厳しい。そうなるとモバイルを使うことになる。また、『今、見知らぬ土地の交差点にいて、近くの美味しい物を食べたい』となった時には、何をキーワードに検索すれば良いのかも分からない。そうした情報を提供するには、拡張現実が最適なんじゃないかと。我々も楽天トラベルと同じ考えを持っていて、旅行者をサポートするのにエアタグを使おう。まずは位置データがあるホテルのコンテンツをエアタグで表示して、予約可能な状態にしようという話になったわけです」
現状はまだ第一歩を踏み出したばかり。ガイドブックで分かることが少し手軽に見れるようになったに過ぎない。より便利な旅行体験をサポートできるよう、両者でディスカッションを繰り返しているところだという。このように、企業と消費者のコミュニケーションの場所を、Webサイト上だけではなくて、リアルな空間にも拡張できるのが、セカイカメラというプラットフォームの大きな価値だと言える。
モバイルARにおけるマーケティング3つの可能性
モバイルARは、ゲームや商品広告、情報サービス、セカイカメラのようなコミュニケーションツールなど、まだ正解と言える形態が見つかっていないのが現状だが、さまざまな可能性があることは確かだ。こうしたモバイルARをマーケティングに活用するとすれば、どのような展開があり得るかと質問したところ、佐藤氏は次の3つの用途を提案した。
• イノベーティブなイメージを訴求するためのブランドコミュニケーション
• ライブ会場などの“施設”と紐付かせて楽曲購入などにつなげるイベント的な使い方
• コンビニなどのフランチャイズによるリアルな店舗空間を使った、消費者との継続的なコミュニケーション
「現実空間と紐付くコンテンツは親和性が高いと思っています。例えばセカイカメラの場合、楽天トラベルとやっている旅行以外にも、不動産、グルメなどとは非常に親和性が高い。逆に、コミックや着うたなどのデジタルコンテンツ系とは親和性が低いと考えています。セカイカメラとしては、企業コンテンツを提供する時に、それを提供することで『ユーザー体験がよりリッチになるかどうか』を一番の軸にします。
単純に「看板を50mごとに出す」といった拡張現実上の広告枠を提供することも技術的には可能ですが、ユーザー体験を損なうものであれば、あまり意味がありません。広告一つも、ユーザー視点で考えていきたいと思っています」
成長への課題は母数と情報の整理
まだまだ発展途上の分野ではあるが、今後、新たなプラットフォームとして、モバイルARのアプリケーションが隆盛する可能性は十分にある。しかし、企業がマーケティングツールとして利用する際には、ユーザーの母数が重要になってくる。
セカイカメラでもこの点は重視しているものの、「十数年前まで携帯電話を利用するのが特異だったように、道端で携帯端末を掲げてカメラでのぞくといったモバイルARの利用も一般化していく可能性は十分にある」と佐藤氏は予想する。だが、単にそうした状況を待つのではなく、まずはAndroid携帯への対応を進めており、中長期的にはさらに対応デバイスを広げ、ユーザー層を増やし、さまざまな用途に対応できるようにする考えだ。
「エアタグをポストするだけの単機能アプリケーションであれば通常の携帯電話用にも作れますし、ニンテンドーDSiなら手前にも奥にもカメラがあってモニタも2つ。GPS機能はないですがWi-Fiは付いているので、いろいろなことができるんじゃないか、とか。そういった形でさまざまな広がりができると面白いと思いますね」
また、一方で情報の整理に関わる問題もある。前述の通り、「検索」などを行わずとも、カメラを覗けばその場所に関わる情報が拡張現実上に展開されるのが、モバイルARのメリットだ。しかし、その情報が増えすぎるとノイズになってしまう。
セカイカメラでも、ユーザー数が増えるに連れ、エアタグの数が増え過ぎるという問題も浮上してきている。「街の通りをセカイカメラで見て、エアタグが散乱しているのを見るのは、それはそれで楽しいんですが、ずっとこのままだと飽きられてしまう。エアタグの内容に重み付けをするなど、ユーザーが興味を持っているものに素早く辿り着けるようにする仕掛けが必要だと思っています」と成長に伴い、課題も増えてきている様子をうかがわせる。
新宿駅近辺の様子、画面が埋め尽くされるほど多くのエアタグが貼られている
現状は「10%くらい」。暑くなるまでに「度肝を抜いて半分くらい」に
先日、初めてアラビア語でのメールが届くなど、世界的にもセカイカメラへの注目度は高まっている。世界各国から活用に関する問い合わせに加え、人材採用への応募、取材依頼や講演依頼といったメールが連日山のように届くという。
2009年末に400万ドルの増資を行うなど、セカイカメラは既に世界展開を見据えた開発が行われているが、このような試みは日本では稀有だ。佐藤氏は「むしろ日本のベンチャーには海外を目指して欲しいし、そうすることで課題が見え、より良いものを創造できる」と指摘する。特にネットビジネスはボーダレスなのが特徴で、日本特有の強み「ジャパン・アドバンテージ」を活かして圧倒的に大きな海外の市場に挑戦すべき、という意見だ。
現時点でセカイカメラが実現できているのは、描いているビジョンの「10%くらい」。例えば、アニメ「電脳コイル」のようにARでペットを飼えるようにしたり、自分のアバターが他人のアバターとコミュニケーションできるようにする、といったアイデアもあるという。現状は企業やブランド、商業施設向けのサービスを行っているが、中長期的にはユーザーにより楽しんでもらえる各種機能や、それらの利用に対する課金モデルのビジネスプランも温めているようだ。
ドコモの「直感検索ナビ」やauの「実空間透視ケータイ」など、スマートフォン以外の携帯端末によるARサービスの開発も進んでおり、今後はモバイルARがより身近な存在になってくると予測される。そうした中でより良いサービスを提供し、さらにユーザーを増やすべく、セカイカメラも改良を続けていくという。
最後に今後のロードマップを聞いたところ、「2010年の『暑くなるよりも前に度肝を抜くバージョンアップ』を考えています。それで、目指す姿の半分くらいまではいけると思います。ver2.0ではコミュニケーション機能を拡張したので、次はエンターテインメント関連の機能強化。よりリッチな体験ができるように開発を進めていきます」と、佐藤氏は意気込みを語った。