つい3・4年前までは、正しさはあると思ってた。
正しいことはいいこと。
正しくしなきゃいけない。
でも、ある時唐突にこの世界に「正しさ」がない事に気づいた。
個人的なこの考えを、証明できないか考えてみた。
そこで、「正」という文字に注目してみて。
時々思うけど、昔の人の方が物事の本質や大切なことがよく分かっていたと思う。
漢字の成り立ちから見ると、「正」は上の「一」の部分と下の「止」から成っている。
「一」は「口」が変化してもので、砦のように囲われた場所を表している。
「止」は人々の進行を示している。
今まさに砦を複数の兵士で攻め落とそうとしているのが「正」である。
これは「正しい」行いだろうか?
互いの正義(正しさ)の為に争い、力で正義を示す。
勝った方が正しい。
つまり、片方の正義(正しさ)を一方的に押しつけることが「正しさ」の正体。
それっていいこと?
争い、つまり戦争をして勝てば正しく、負ければ間違い。
でも、勝って正しい事はない。
負けても間違いな訳ではない。
一番の間違いは争い・戦争を起こすこと。
争いをはじめた時点で、「正しさ」は消滅する。
そんな物はどこにもない。
「正しさ」の正体は一方的な考えを他人に強要すること。
人が「正しさ」を持つと、自分の中に「正義」ができる。
そして、正しければ何をしてもよくなる。
それは全然正しくない。
では、どうすればいいのか考え、自分なりに「正」という文字を読み解いてみた。
「正」は全ての線がバラバラで、その1つ1つが1つの物事に対する考えや意見や見解である。
戦争を例に考えるなら、対立する国の考えがそれぞれあり、それが交わることなく平行線をたどる。
これが「正」の上下の線「一」。
国の中にも違う考えの人達がいて対立している。
これが「正」の下の線に縦に伸びる「|」。
対立している国以外の考え。
これが「正」の真ん中の線「|」。
対立している国以外の国の中でも、考えは対立する。
これが「正」の真ん中から横に伸びる線「一」。
これらはそれぞれ別々の考えだから、全てが対立している。
でも、「正」の文字には共通していることがある。
それは全ての線が1つに繋がりあっていること。
僕らが探さなきゃいけないのは、一方的な考えの「正しい答え」ではなく、相手の考えを尊重し、わかり合い、対話し、
お互いが納得できる「より良い答え」 を見つけることである。
正しい事よりも、より良い事の方が大事。
