(S)
出会ったばかりなのに、愛おしい……
こんな気持ちは初めてだ…
気持ちを込めて、愛しい人に優しくキスをした瞬間……
ピンポーンと、無粋な音が鳴り…思わず智くんと目を合わす
まだ、ここに越したことは母親以外は誰も知らない…連絡もなしに来ることはないし、宅配も違う…
となると、新聞の勧誘とか?
「誰か来たみたいだね」
「ん…いいや…」
出る必要なし!それよりも、目の前にいる智くんの方が大事だし…
と、もう一度キスをすると…
「…出なくていいの?」と心配そうな声…
「うん…約束してないし、ここ、越してきたばっかだから、宅配も届くはずないし…」
「え…でも…」
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン
連続で鳴らされても、シカトを決め込んでたら、ガチャッと玄関ドアが開く音が聞こえ…
「えっ…?」と声が漏れる…
そうか…この部屋オートロックじゃないんだ……それに、昨日、ドアの鍵を閉めた記憶がない…
再度、智くんと顔を見合わすと…
女性がいきなり部屋に入ってきて…凄い剣幕で捲し立てる
『何やってんのよ?何で出ないの?浮気相手、連れ込んでるのは、分かってるんだからね!私という婚約者がありながらっ…』
「は…?」
「えっ…?」
何が起こってるのか、すぐに把握できなかった……断ったはずの元婚約者が押しかけてきたのかと、一瞬思ったけど……そんな訳ないし…
俺は、慌てて裸のままの智くんに毛布をかけて、手近にあったスウェットを着て、部屋の電気をつける
『ちょっと!どういうつもりでっ……え…?』
!?
「あんた、誰だよ?」
全く知らない女性だった…(内心、ちょっとビビってた…)
『あ…れ…?あなた…誰よ?』
「それは、こっちのセリフだよ、何?他人の家に勝手に乗り込んできて…あんた、不法侵入だよな?」
元婚約者じゃないと分かり、強気に出ると…
『あの…ここに住んでた人は…』
「前の住人のことなんて、知らね~よ!出ていかないんなら、マジで警察呼ぶから」
と、スマホを手に取ると…出ていきますから…すいませんでした…と、漸く出ていってくれた
何なんだよマジで…ビビらせんなって…💦
あっ…そうだ、智くんっ…
「智くんっ…」と、ベッドの上の智くんに駆け寄ると…
「…翔くん…婚約者が…」
「違うからね!今のは、前の住人の相手だから」
「前の…そうなの…?」
「そうだよっ…」
てか、さっきの人との会話、聞いてなかったのか……?
「翔くんは…婚約者は…いない?」
「いっ……いないよっ!」
「……なに?今の間…もしかして…」
「ちっ、違うからっ…」
俺は、親父の会社を辞めた経緯や、勝手に決められた婚約者がいたけど断ったこと…親父の用意したマンションを出て、ここに越してきたこと、次の仕事も決まってること…
そして、あのBar に行った理由なんかを智くんに説明する…
「ちょっと待って…情報処理が追いつかないよ…」
「ご…ごめん💦」
一気に話しすぎたか…
「ん~と…お父さんの会社は辞めたけど、次の仕事は決まってるのね」
「うん、来月から塾の講師する予定」
「親の決めた婚約者はいたけど、断って今はフリーってこと?」
「そう!そういうことです!」
「そ…か…じゃあ、僕…翔くんのこと好きでいていいんだよね?」
智くんっ…!マジでっ…?
「うんっ…好きでいてよっ…!」
そして、俺は……
目の前の愛しい人を、思いきり抱きしめた…
(O)
誰も来る予定はないらしいのに、玄関ドアが開いて、知らない女性が入ってきた…
部屋の電気がついてなくて、よく表情は見えないけど…すごく気が立ってるように思える…
『何やってんのよ?何で出ないの?浮気相手、連れ込んでるのは、分かってるんだからね!私という婚約者がありながらっ…』
「は…?」
「えっ…?」
今…婚約者って言った…?
翔くん…婚約者がいるの?
ああ…あれか…結婚前に1度、羽目を外してみたかったってやつ?
僕……遊ばれた…?
くっそ…1発、ぶん殴って、帰りたいとこだけど…
僕、真っ裸じゃん…ベッドから出れないよ…
てか、翔くんはこの修羅場をどうするつもりなんだろ……あ、別に男同士だから、誤魔化せるのか…
なんて考えてたら…
(え…)
ふわりと、毛布を僕に被せて、自分はスウェットを着て、部屋の電気をつけた
翔くんがその女性の傍に立つと…
『ちょっと!どういうつもりでっ…』
翔くん…婚約者に殴られるんじゃない…?
「…あんた、誰だよ?」
!?
ん…?どういうこと…?
『あ…れ…?あなた…誰よ?』
「それは、こっちのセリフだよ、何?他人の家に勝手に乗り込んできて、あんた、不法侵入だよな?」
え?え?
なに?なんなの??
軽くパニック状態でいると…
女性は、出ていったようで……
「智くんっ…」て、慌てた様子で、翔くんが僕の傍に戻ってきて…
「…翔くん…婚約者が…」
「違うからね!今のは、前の住人の相手だから」
あ…そんなようなこと話してたっけ…?
「前の…そうなの?」
翔くんの…じゃないよね?
「そうだよっ…」
「翔くんは…婚約者は…いない?」
「いっ……いないよっ…!」
ん??
「……なに?今の間…もしかして…」
さっきの女性は、違うけど、別にいるとか…?
「ちっ、違うからっ…」
(怪しい~…👀)
疑いの目を翔くんに向けると…
翔くんの過去の出来事や、近況…それから、僕らが出会ったあのBar に行こうと思った理由も…
怒涛のように説明される…
「ちょっと待って…情報処理が追いつかないよ…」
「ご…ごめん💦」
誤解を解こうとする一生懸命さは伝わってきたけど…結局、言いたいことは…
「ん~と…お父さんの会社は辞めたけど、次の仕事は決まってるのね」
「うん、来月から塾の講師する予定」
お母さんが経営してる塾の講師らしい…
てことは、今月は、のんびり出来るのかな…
「親の決めた婚約者はいたけど、断って、今はフリーってこと?」
「そう!そういうことです!」
ふふっ…必死すぎて、可愛い…♡
なぜか、敬語になってるし…(笑)
「そ…か…じゃあ、僕…翔くんのこと好きでいていいんだよね…?」
そう聞いたら、翔くんは不安そうな表情から、一気に破顔して…
「うんっ…好きでいてよっ…!」
て、思いっきり抱きしめられた…
「あ…ね…それでさ…?」
「ん…?」
「あのBar に行って…確かめたいこと…わかったの?」
「もちろん、わかったよ…」
「そっ…ぁ…んんっ……ん……/////」
翔くんは…僕と同じこっちの世界の人ってことだよね…?
唇を塞がれて、聞けない……/////
ちゃんと、言葉で言ってほしいのに……
パッと唇が離され…
「貴方しかダメなんだって…わかったよ」
翔くんっ…!
そして、そのまま押し倒された……
うん…僕もだよ…♡
END
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短編、全3話…読んでくれて、ありがとうございました!
saori の部屋の方で、新しいお話を書いてる途中で、また思いついたんで、こっちで上げることにしました…
こっちは、こっちで、なかなか進まない高校生の嵐さんのお話を昨年の今頃から書いてるんですけどね…
ニノちゃんのお誕生日に上げるつもりで書いてたのが、一向に進みません…(^^;
あ、そだそだ!
ニノちゃんのお誕生日ですね🎵
改めまして…
ニノちゃん、お誕生日おめでとうございます🎉✨😆✨🎊
ドラマ、楽しみだなぁ…!
体調には気をつけて頑張ってください!