西にあったのは、広大な砂漠。オアシスもあると言うことだったが、それが今、微塵も感じさせられない。
轟々と渦を巻く竜巻が存在し、オアシスは涸れ、完全なる無法地帯。
そこに未生は来た。しかも、目の前には竜巻。
強い豪風で、一度巻き込まれたら木端微塵になるだろう。そんな竜巻を見ながら、彼女はただ一つの行動をした。
腰に吊ってあったホルスターに、手を伸ばす。いつの間にか、そこには一つの銃が備えられてあった。
銃を掴むと、未生は竜巻に向ける。
そして未生は、銃を「撃った」。
パンッ
撃った弾丸は、音を立て竜巻の中枢に入り、途絶えた――何てことはなく、弾丸は竜巻の天辺まで行くと、飛び散った。
弾丸の欠片を零すことなく受け止めた竜巻は、徐々に勢いを消していく。竜巻は、数分も経つと無くなっていた。
『魔弾』
それは、念じることで発動する。
例えば、「増えろ」と、念じた弾丸を物にあてる。
すると、あたった物はその数を増やす。
例えば、
「鎮まれ」と、念じた弾丸を先程のような動く物にあてる。
すると、あたった物は動きを止める。
しかしこの魔弾。
使える者はあまりいない。
この世界に極稀に現れる魔力のようなものを持った者達。その中でも、特に強い力を持ったものしか使えない。だが未生は、この世界の者ではないことで、そして、自分の運命によって、扱うことができた。
竜巻が完全に沈んだのを確認して、未生はまた、あの城へと戻って行った。
