「ひいちゃんいーってしてごらん??」

「いーーーっ」

「……やっぱ内緒でお菓子食べたやろ?」

「………たべた…おいしかったよ」




あまりのかわいさに思わず笑ってしまう







ひいちゃんはいっつもこうだ


あれした?これした?と少し怒った顔で言うと
ちょこんっと小さくなってうんうんと頷きはじめる


まだまだ素直な赤ちゃんなんだからまったく笑





怒られずに安心したのか
わたしの胸元にうりうりお顔を擦り付けて
おいしかったお菓子の話を始めるひいちゃん


今日は夜ごはんもうすぐだから
お菓子なしね〜って約束したんだけどなぁ笑
このばぶは我慢しきれなかったみたい


「でねポケモンのシール入っててね
 ホゲータほしいなぁって思ってさ
 開けたらさ違うやつだったんだ〜」

「あらホゲータやなかったん??」

「うんなんだか違うやつやった
 ひいねホゲータほしいなあ」

「……ほんだらまた買いに行かなな」

「えっ!?ほんと!?買っていいと??」


いけないいけない
お菓子はお家にいっぱいあるんだからと思いつつ
ついついひいちゃんを甘やかしてしまう


「いいよ、たくさんたくさん買おう」

「わあやったー!ほのちゃんだいすき!!」


両手をめいっぱいにばんざいして
やったーを最大限に表現している


……かわいい…あまりにもかわいい…


このかわいさが合法で許されているのか?
本当にこの子は人間か?天使なのではないか??


悶絶しているわたしを横に
ホゲータのちいさな肩掛けカバンを身につけ
準備万端!と言った顔をして
玄関に走って行こうとするひいちゃん



ん?待て?

いやいやいや待て待て待て



…‥買いに行くとは言ったけれども
それは今日じゃないよ……!!


「ほのちゃんはやくぅ〜」

玄関先にばたばた去っていったひいちゃんが呼ぶ



ええどうしよ…まだ夕飯の準備もあるし…
いやでもひいちゃん乗り気になっちゃったしなぁ…


「ほのちゃあ〜ん!
 早くおてて繋いでデート行こう??
 帰りのあいすも買って
 おふろ上がったらあーんして食べよー!」






…こんなかわいい提案を断れるわけないよな


「はいは〜い!今行くから待っててね!」





夜ごはんはもうしばらくお預けにして
わたしはかわいいかわいいひいちゃんを
今日はしぬほど甘やかしてあげることに決めた