オープンワールドRPG『原神』では、ver5.2からはアップデート直後の月曜日~火曜日に次のバージョンの実装キャラクターが告知されるています。今回もいつも通り、2025年3月31日から4月1日にかけて、Ver5.6実装予定の新キャラクターイラストが発表されました。
まず3月31日はエスコフィエ、そして翌4月1日にはイファが発表されました。
イファはすでに名前は出ていましたが、エスコフィエは完全に初登場です。
さて、以前にVer5.3の公式予告放送で実装予定キャラクター7人のシルエットが発表されていたことは、すでに触れましたね。
このうち、左端はその時点ですでにストーリーに登場済だったイアンサです。その後、右から3番目がver5.4で実装の夢見月瑞希、右から2番目がこのたびver5.5実装のヴァレサで、左から3番目がイファであることも判明しました。それから、中央がフォンテーヌ編のストーリーで登場していたタルタリヤの師匠・スカークではないかと話題になっていました。
そして今回、右端がエスコフィエと確定。
残るは左から2番目ですが、こちらも装飾的な衣装がフォンテーヌ歌劇団っぽくも見えたんですよね。
だから、ver5.6でフォンテーヌを舞台にしたテーマイベントがあって2人実装かな、と思ったのですが。このキャラは来ずにイファが来たので、またちょっとわからなくなりました。
では続けて、名前や設定について、現時点でわかる限りの詳細を見ていきましょう。

エスコフィエについては、シルエットからしてコック帽をかぶって包丁を持っており、料理人であることは察せられました。
さらに、実はヴァレサのキャラクタートレーラー公式動画でも、一瞬姿を見せていました。後ろ姿だけですが、コック帽であることがもっとわかりやすくなりましたね。
しかも出番は大食い大会の会場。料理人だということは推察できるところまで来ていました。
また、帽子の後頭部に氷元素の神の目も確認できていました。
フォンテーヌの神の目は2種類ありますが、これはウーシアタイプです。元素については今回のイラスト発表で裏づけられましたが、事前にここまで判明していたわけです。

名前の由来ですが、エスコフィエといえばジョルジュ・オーギュスト・エスコフィエという実在の人物がいます。「近代フランス料理の父」と言われる歴史的に有名なシェフです。日本のフランス料理協会も彼の名を冠して「日本エスコフィエ協会」と名乗っているくらい、フランス料理を象徴する人物です。
スペルも同じです。フォンテーヌ人の名前は多くがフランス系で、シェフという設定からしても由来はこれで間違いないでしょう。
(Georges Auguste Escoffier, 1846-1935)
ただ、エスコフィエはファーストネームではなく姓です。少なくとも女性名にはなりません。『原神』でも多くの西洋的ネーミングのキャラクターはファーストネームをキャラ名としているのですが……ヌヴィレットに関しては、姓で呼ばせるようにしている、という設定がありました。あるいはこちらもそういう設定があるのでしょうか。
神の目はすでに述べた通り氷。
命ノ星座は「ピエス・モンテ座」で、これはフランス語では「組み立てた小片」のこと。装飾・展示用のお菓子のことですね。大きなウェディングケーキのようなものも含みます。が、欧文のラテン語表記は「Dulciaria Structura」です。
Dulciaria は「甘い」を意味する dulcis からの派生語で、「お菓子の」の意味。ちなみにイタリア語の「ドルチェ dolce」も同語源です。Structura は英語の structure の由来でもありますけれど、原義は「建築」ですね。つまり「お菓子の建築物」みたいな意味で、ピエス・モンテのラテン語訳として合っていますね。
肩書きは「『科学料理』の道を切り拓く雪羽ガン」となっています。ところが、英語では「Lead Goose of Precision Gastronomy」。後半は正確な美食の意味で、これが「科学料理」を指すのは、まあわかります。しかし問題は前半。Goose はガチョウとかガンのことですが、lead は金属の鉛です。鉛のガン、もちろん、そんな鳥はいません。実は、gooseneck というのは「ガチョウの首のように曲がったもの」のこと。かつては水道管が鉛で作られていたことが多くて、Lead Gooseneck というのは水道管のパーツのことなんです。鳥の名を冠した称号だと優雅に見えますが、これだと一気に近代的な水道技術のイメージになってきます。
なお、こんな言葉遊びは翻訳困難で、フランス語では普通に Experte en gastronomie de précision, つまり普通に「科学料理のエキスパート」ですね。
紹介文からしても、料理に関して前衛的で、そして厳しい人物であることが窺えます。
エスコフィエは、料理はもちろん、厨房の人材管理においても極めて厳しいことで知られているのだ。同業者や教え子に対する容赦ない発言も、彼女が料理界で注目を浴びる理由の一端となっている…
さて、『原神』ではリリース当初から雷電将軍の実装まで1年間、初期キャラ以外の雷元素キャラクターの新規追加がありませんでした。Ver3のスメールでは草元素自体が新規追加、そしてver3.1でニィロウが実装されてから水神の国フォンテーヌでヌヴィレットが来るまで水元素キャラクターも約1年間空白……と、次の国の神と同じ元素のキャラクターは出し惜しみされる傾向がありました。
強いキャラのアイディアは神に備えて温存していくというのも、理解できることです。
ところが、ver4台では事情が一変、次に炎の国ナタが控えながら、リネ・シュヴルーズ・嘉明・アルレッキーノと4人の炎元素キャラクターが実装されました。
ではナタではどうなったかというと・・・・・・ここまで新規の炎元素キャラクターは、炎主人公以外はマーヴィカだけです。むしろ、炎以外の6元素が6つの部族に割り振られる形になりました(オロルンのみ例外)。
そして現在、ナタで新規実装された氷元素キャラクターはver5.3でのシトラリのみ。やはり次が氷の国スネージナヤだけに少ないのか・・・・・・と思いきや、ver5台も後半に来て新たな氷元素キャラクターの追加で、しかもこれに先立って2セット効果が氷元素ダメージアップの聖遺物も新規実装されています(今のところ、活用できるキャラ無しですが)。
この聖遺物がスネージナヤの新キャラクターに備えたもの・・・・・・というのは少し考えにくくて、新しい国の最初にはまた新しい聖遺物が来るのが恒例。というわけで、氷元素の強いキャラクターを出し惜しんでいるのかここで出してしまうのか、今までのいずれともいささか状況が違って、どうなるのか予想しがたい感じです。
【文献案内】
実在の人物の方のエスコフィエの著作は、その膨大なレシピ集も含めて日本語にも翻訳されています。
伝記の類も、当然いろいろあります。










