※妄想です。
一夜明け




 

 

 

 




 

 

土曜日・寝起き




ね、寝れなかった。


智は俺の葛藤に気づくこともなく、ぐーぐー寝てる。

これも一応、腕枕…?






ときどきベルベットのような耳の柔らかい毛がピクピク動いて、触れてる俺の二の腕がくすぐったい。

あ、パジャマに着替え損ねてTシャツで寝た。

だから短い袖から出てるむき出しの腕に猫の毛が当たるわけだ。

着てるよ!

着てるからね!


…て、誰になんの言い訳だ。


猫よりも起きるのが早かった人間。

ではなく寝なかった人間。


そんな腕に柔らかい感触。

これがね、さわり心地バツグンなのだ。

目に入っても入らなくても、ついつい触ってしまう。


…ホントはさ、いつも触ってたい。

でも智は触られるの嫌うから我慢してる。


手を伸ばして、引っ込める。

何度やったかな。

そんな俺に、智は気がついてるんだか付いてないんだかわかんないけど…。


自分の気の向くままにすり寄ってきたり膝に乗ったり、今みたいに体を預けてくれたり。




智にとって、俺ってどんな存在なんだろう?







もんもんとした自覚はある。

寝返りもうちたくなくて、智の感触から離れたくなくて。

智は背中を向けていたから、耳と後頭部をじっとして見てた俺。

そんな視線に気がついたのか、ゆっくり伸びて振り向いた猫の目と視線があった。



『…』



もそもそ動き出してアクビする猫。

智、目ー覚めちゃった。

終わりかぁ…。


智は見てる俺に気にせず起き上がって、あっさり離れてく…





ペロ






…へ?
















「…うおわっ?」


ニャア


「ささささとしくん!?

はいっおはようございますぅ!?」


ガタガタ

ばふばふ


「おおお起きます起きますっ!」


ニャア


「はいっ

何をしたら宜しいでしょうかっ!?」



…遠くで翔さんの騒がしい音がしてたけど、それどころじゃなかった。


意識がとんだ。



今。


いま。



さとし。




ペロッて。





俺の、くちびるに。










「にのみやさーん

目ぇ開けて寝てんの怖いぞー?」



起きてます。


でも動けません。






*****
猫の寝起きはわりといい