今更だけど...


かがみの孤城の感想、と言うか良かった点を書きたくなったので自己満でブログに書いていく事とする。


先ず初めに皆さんは昨年12月に全国公開された「かがみの孤城」を視聴、もしくは読了した事があるだろうか?? 




かがみの孤城の簡単なあらすじを言うと、日常で悩みを抱えた7人の中学生がある人突然、かがみの中にある孤城に集められ願いが何でも叶うと言う「願いの鍵」を探すファンタジーも入り混じった物語だ。

これが本当に面白いのでまだ見た事ない方は是非小説なり映画なり見て欲しい。

ここから先はネタバレ全開で感想を書いていく。



① <惹き込まれる入りや世界観>


本作の入り、こころが母親に連れられて心の教室に向かうシーン、ここから漂う悲壮感や不安はこの先のストーリーがどのようなものになるのか期待感を抱かせたと同時に半端な気持ちでは見れない、中々キツイ展開が多いのだろうなとも思えた。

それ含めて視聴者に興味を持たせるには充分な冒頭シーンであり私的にはかなり評価できるポイントであった。

また、①のタイトルに書いた世界観、これは孤城の事であり、あの壮大な城を演出含めて上手く描写できていたと感じた。こころが初めて城に来てバっと城の全体像が映し出される所のワクワクは凄いものがあったし、ファンタジー要素としてはこの上ないものであった。



②<今時中々出来ないリアルなイジメ描写>


かなりダークな部分となるが、やはり本作はこの部分抜きには語れないだろう。

今時のアニメやドラマはここまでキツイイジメ描写はないのではないか??それを本作は見事に映像化、しかもそれが物凄くリアルなのが良い意味でキツイ。そしてこころの心理描写が抜群で見ているこっちもヒリヒリする。

思春期の人間関係というのはとても繊細なもので、少しの思い違いですぐ破綻する事もある。その過程を丁寧に、そして視聴者に共感、まるで自分がそうなっているかのように魅せてくる脚本や演出には見事としか言いようがない。

一つの狂いで全ての関係が駄目になると感じる学生時代、少しずつ心が蝕まれる。映画のあのシーンを思い出しただけで辛い。でもだからこそ私は評価でしていて、見ている人の印象にデカいインパクトを与えられているからこそ良いと思っている。



③<涙無しでは見れぬ怒涛の終盤>


視聴者が本作を見ていて1番心動かされた部分がやはり終盤の展開であろう。

尺の関係もあり、ややハイテンポで進む終盤であるがそれでも面白さは衰えない。

個人的にこの場面は小説だとより面白い。映画ではカットされた話も多く、気になる方は是非読んで欲しい。

映画の話に戻ると、やはり良かったのはこころの成長。前半ああまでも弱かった彼女が皆んなの為に思い切って鍵を探しにいく場面は非常に良かった。映画前半のイジメシーンがあるからこそ、ここでのこころの成長がより実感できるわけで全てが繋がっていると感じた。

そして最後は全員で協力してアキを救い出す。今まで人を信じれなかった彼女達が同世代の子達と協力して一つ事をやる。それだけでも城に来た意味があったのかと。



④<喜多嶋先生の存在>


喜多嶋先生、この物語のキーパーソンとなる存在であった彼女。そんな彼女の正体が6人に救われたアキでありそして大人になった今、今度は自分が皆んなを心の教室の喜多嶋先生として救う。もうこの展開が今思っても涙、涙。やっぱり物語は全て最初から繋がっているのだと感じたし、彼女の言葉には自分も劇場で視聴していて勇気を貰えた。

また、ここも尺の都合で敢えなくカットされたシーンがあり小説では何故アキがNPOに勤めるか、その過程もしっかり描かれていたので映画でハマった方は本当に原作小説もオススメしたい。



⑤<オオカミさまの本当の心情>


最初は全くもって正体や目的が謎であったオオカミさま。そんな彼女はリオンの亡くなった姉であった。

彼女は生前、こう言っていた。自分が居なくなったら神様に頼んでリオンのお願い一つ叶えてもらうねと。そしてリオンの願いというのは姉と学校に行きたい。オオカミさまは全てリオンの為にここまでやっていた。大事な弟1人を想う気持ちの強さ。本当に涙が止まらなかった。

1999年、それは姉の入院時の最後の一年、彼女は昏睡状態であったが、例の願いを叶えてもらいリオンや他6人の子達と一年をずっとあの城の中で過ごせた。この物語はリオンと姉であるオオカミさま、2人の願いで生まれた奇跡であったのだと私は感じた。



<総括>


本作は今まで私が視聴してきたアニメ映画の中でもNo.1と言っても過言ではない素晴らしさがあった。

ここまで心情を丁寧に、そして感情を揺さぶってくる作品は他にない。長い長い小説をよく120分という尺で綺麗に収めてくれたと思う。

この作品は特に学生が視聴すると絶対に人生観を変えてくれる。今悩みがある人や不安があったりする人は是非一度で本作に触れてみてほしい。

最後に、かがみの孤城を制作してくださった原監督、A-1pictures、声優さんなど関係者の皆様、そして原作者の辻村先生。本当に素晴らしい作品をありがとうございました。