2015年10月24日テレ朝の「池上彰のニュースそうだったのか」で、池上彰は南京事件について解説した。
この解説、とてもおもしろいのは、南京事件の「虐殺の犠牲者数」について、30万人説、20万人説、4万人説、2万人説、まったくない説など諸説ある、と池上彰は解説するのだが、池上彰はこれらの諸説を調べる過程で、この説に説得力があると考える、とは言わない。
そして、虐殺の定義はなにか。兵士と兵士の戦闘の結果でも虐殺なのか。南京事件とは、兵士が死んだのか、民間人の犠牲のことなのか。なぜ、日本では、東京大虐殺とは言わず、大空襲と言ってきたのか。広島原爆投下とは言っても、「広島大虐殺」とは言わないで来たのか。
ならば、南京事件のことを「大虐殺」と言い習わしてきたのは、どういう理由によるものか。
東京ならば、焼夷弾による焼死。原爆なら、主として、爆風、熱戦による死亡。というように、死因はわかっているが、では、南京事件の死因は何なのか。
以上の点についてはっきりわからない限り、南京事件はなにもわかったことにならないではないか。
南京事件に問題があるとすれば、中國人も、日本人もこうした点について曖昧模糊としたままで、「南京大虐殺」があったかなかったか、と言っていることにあると言うべきだ