2008年6月1日には、朝鮮日報は、岩波書店の「世界」を中心に寄稿する知識人をさして、「北朝鮮の代弁人に転落した日本の左派知識人」と罵っている。
以後3年間、朝鮮日報が岩波書店を紙面にとりあげることはなく、2011年になると、岩波書店「世界」は、韓国の批判ばかりして、北朝鮮寄りの論文に満ちていたがゆえに、韓国では、輸入販売禁止だったが、今はちがう、と、手打ちのような文言が書かれ、以後、盛んに岩波書店は、日本の極右勢力と戦って、韓国にエールを贈る立派な良心的出版社だ、というように、評価ががらりと変わる。
そして、2012年12月30日には、
「独島は日本領ではない」島根大名誉教授・内藤氏が死去
の見出しのあと、わざわざ、岩波書店などでも、と、岩波書店の名前を出さねば気が済まなくなってくる。
- 「独島は日本領ではない」島根大名誉教授・内藤氏が死去 2012年 12月 30日 09:54
- 国際法上無効」と主張した。 内藤名誉教授は『史的検証 竹島・独島』(岩波書店)などでも、独島の日本編入過程が抱える問題点を詳細に明らかにした。
以後、2013年1月20日には、
- 成均館大の宮嶋教授、日本の歴史学界に苦言 2013年 01月 20日 09:24
- ...され、朝鮮の族譜を研究した『族譜』(仮題)も出版を待っている。日本では、岩波書店から『韓国史』通史、東京大学出版会から『小農社会論』が相次いで出版される...
と、要するに、韓国の歴史学界は真実を記述しているが、日本の歴史学界は遅れている、成均館大 のほうが、日本の大学よりも偉いんだ、という主張を岩波書店を引き合いに出して書く。
- 岩波書店代表「対韓感情の変化、背景に東日本大震災」 2013年 10月 01日 11:15
- ...日本の大手出版社「岩波書店」の岡本厚代表(59)は...書店として出発した岩波書店。翌年、夏目漱石...なった。岡本代表は岩波書店が1946年に創刊...
岩波書店は1946年に「世界」を創刊した歴史の長いものすごい偉い知性あふれる出版社だから、岩波書店が韓国をほめて、日本が悪いと言ってるんだから、やっぱり、韓国が正しいんだよ、というふうになってくる。
- 「併合の無効」宣言した韓日知識人の論集 両国で出版 2014年 01月 22日 16:13
- ...日本による強制動員被害者の救済案などを論じている。 知識産業社(韓国)、岩波書店(日本)出版。全376ページ、2万ウォン(約2000円)。
- 「独島は鬱陵島の付属島嶼」 記載資料を初めて確認 2014年 12月 30日 09:45
- ...対象から除くということ」と語った。 この史料は、京都大学の水野直樹教授が岩波書店から出版し(2012年9月)、韓国民族問題研究所から提供したもので、全137ページ...
と、併合は無効、竹島は日本の領土ではなく、韓国の領土、・・・みんな岩波書店が応援してるぞ、と岩波書店は頼れる兄貴というかたちになる。
2015年6月22日になると、もはや岩波書店は、現代日本が「軍国主義かどうかの判定者扱いになるのだ。
- 元岩波社長に聞く「日本は軍国主義を追求しているの?」 2015年 06月 22日 11:20
- ...姿勢を支持しているということだ。 岩波書店の大塚信一・元社長(76...した。大塚氏は1963年から2003年まで岩波書店に身を置いてきた。同社は日本...
※岩波書店は、1990年頃まで、一貫して、北朝鮮を正当化して、韓国を批判してきた。しかし、北朝鮮のテロ、飢餓、人権抑圧、が明るみに出た頃は、それらの北朝鮮の犯罪性をデマで否定し、やがて拉致が疑惑ではなく、明白な犯罪だと誰の眼にも明らかになると、在日朝鮮・韓国人の人々の総連離れ、北朝鮮批判意識が高まると、岩波書店は韓国擁護論調に転換して行ったのである。
要するに、朝日新聞が戦争中は戦争を煽る事で販売物数を伸ばし、戦後は、戦後民主主義の風潮に乗って、民主主義と平和のクオリティペーパーとして盤石の営業基盤を確立したように、岩波書店は、最初は、ソ連、中国擁護、中国擁護が流行らなくなれば、北朝鮮擁護。そして、北朝鮮擁護が受けなくなれば、韓国擁護へと、左翼ビジネスのモデルチェンジを行なってきたのである。
このスタンスは、朝日新聞、毎日新聞、テレ朝、TBS報道特集、NEWS23、社民党、民主党の元社会党系議員も、基本的には、同じといって差し支えない。社会党は、元々、朝鮮労働党の友党だったのであるが、現在は、元社会党系の民主党議員、社民党議員が、盛んに韓国慰安婦デモに参加しているのは周知のとおりだ。
2015年のTBS報道特集は、
-
台湾人の元慰安婦は今…
戦時中、多くの女性の名誉と尊厳を傷つけた慰安婦の問題。
日下部キャスターが台湾で暮らす二人の元慰安婦を取材した。
彼女たちの人生を追い、その思いに迫る。
と、台湾の慰安婦を取材した。
しかし、なんとも偽善的なのは、台湾の慰安婦に対しても、韓国の慰安婦に対しても、どちらかを無視していたという事はなく、社会党の村山富一が首相になった時、日本の民間に寄付を募って、政府のおわびの言葉とともに、一億数千万円の募金を集めて、ひとりあたり、500万円くらいの生活援助金を贈ろうということになった。ところが、台湾の支援団体は、韓国の団体同様、慰安婦の女性たちが、ある種の満足感とともに、日本批判を終息させれば、自分たちの運動の基盤が失われるから、日本の国会決議による謝罪を求めて、このお金を受け取らぬように、おばあさんたちを説得した。
結果、おばあさんたちは、50数人の元慰安婦の方々のうち、13人が受け取ったという名前を明かさないという条件をあげて、受け取って、日本の誠意を了としたのである。
これが、偽善的なのは、村山富市、土井たか子、福島瑞穂、辻本清美、岡崎トミ子、TBS報道特集のデスク、岩波書店、大江健三郎らは、本当に「日本人として恥ずかしい、謝罪と賠償をすべきだ」と真底思っているなら、ベトナム戦争やチベット民族虐殺に抗議して焼身自殺したベトナムの僧侶やチベット僧侶のように、抗議の自殺をするものがいるかとおもえば、そんなことはなく、彼らのだれひとりとして、日本の誰が謝罪と賠償をしなくても、われは謝罪すると、全財産を投げ出して、土下座像を建立したり、贖罪の焼身自殺をソウルの慰安婦少女像の前で行うは愚か、少女像の前で断食贖罪をしてみせて、「いやいや、もう謝らなくても、いいんだ。あなたが悪いのじゃない」と肩のひとつも叩かれる小芝居のひとつも、ただの一度もしないし、するつもりも無いことだ。
台湾の慰安婦の取材をした報道特集の記者も、おいおい泣きながら土下座すりゃいいじゃないか。
それほどの、日本帝国主義の罪悪なんだろう、日本人全体が贖罪意識を持つべきなんだろう、
ならば、おまえの態度は、贖罪意識のある態度なのか、と言いたい。