現代史を考えなおす 3 | 気になる映画とドラマノート

気になる映画とドラマノート

厳選名作映画とドラマを中心に、映画、テレビ番組について、思いついたこと、美麗な場面、ちょっと気になる場面に注目していきたいと思います。

20.異見自在 ギルガメッシュ教育論より

 


 

 ギルガメッシュ神話 バビロニアのウル第三王朝の神話

 

 人類ではじめて推測される死後の世界の記述。永遠に続く時の流れの中で(刺激のない変化のない世界)粘土を食べながらおいおい泣いて過ごす死後。洪水伝説は、ユダヤ教のノアの洪水の話の元になったと言われる。


 天国と地獄のふたつがある、という発想のはじまりは、ゾロアスター教だ。ゾロアスター教には、処女が救世主を懐胎するという話まである。


 ユダヤ教、キリスト教、イスラムのこの3つの教えの基礎に旧約聖書があり、旧約聖書は、ギルガメシュ神話とゾロアスター教の大きなおかげをこうむっているようだ。


 ※ゾロアスター教も、ギルガメシュも読んでいないが、高山氏は、外国の宗教学者の見解を、そう紹介している。


 


 

 高山正之氏の娘さんは、中学生で、ギルガメッシュ神話を知っていたらしくて、学校はギルガメッシュの死後の世界みたいに退屈だ、と言ったという。

 


 

 21.異見自在 1998年4月 空のファランクス戦法

 


 

 アニメ「エバンゲリオン」にロンギヌスの槍というのが出てくる。(正確には、ちがうのかもしれない)「空のファランクス」という実在の戦法が空のファランクス。


 日本の左翼は、なにがなんでも、日本人は残虐だとしたがるが、史実は、白人の戦争の仕方に根本的に残虐なところがある。


 アレクサンダー大王が編み出した戦法で、「ファランクス」というのがあった。長い槍を密集して集団で突き出す。これをもじって、第一次世界大戦で、飛行機から、先をとがらせた鉄棒をバラバラと落下させる戦法があって、これを「空のファランクス」と言ったという。

 


 

 高山正之は新聞記者としてきわめて優秀だったせいか、日本の航空業界の賃金慣行にも詳しい。というのは、とにかく、新聞記者以外の職業、諸事万般、存外、立場の人間は、世間の実態を知ることができないのである。なぜ、優秀だと思うかというと、さすがに「新聞記者ならかならず物知り」というわけにもいかないだろうからである。

 


 

 今はともかく、日本の航空業界は、パイロット優遇がすごくて、月平均50時間以内の登場で、手当は約130万円。しかも、夏休みで乗らなくても、これは支払われた。これは、欧米では、70時間乗務が普通で、全日空、日航の半分しか支給されていなかったという。そういう日本だけが、特別にぜいたくだった分野も、実在するんですね。

 


 

22.上の話と同様。公営ギャンブルの内幕の話などは、一般の人には知り得ない。

 


 

 公営ギャンブルには、競艇、、自転車、競馬などが有名だが、意外に、競艇の運営が一番真面目度が高いことが、数字で見るとわかる。

 


 

 1998年の時点で、日本財団の本職員は89人。自転車振興会は、220人。競馬会は、1900人だ。なぜそうなるかというと、農水省、経産省の天下りをいれるからだ。

 


 

 競馬会の年間タクシー代は、1998年の時点で、3億円。

 


 

 サッカーくじは、文部省の所管になって、文部省にとって、とても「よかったなあ」ということになった。

 

 ちなみに、競艇の21.7%は、主催自治体の収益金と公益法人への交付金にまわる。

 

 3.3%は、国連の天然痘撲滅運動、ハンセン氏病撲滅運動、チェルノブイリのように、外国の突発的災害にも、使われた。笹川良一といえば、右翼だ、戦犯だ、人相が悪いと嫌われる面もあるが、中身はこうなのである。日本財団の会長をしていた曽野綾子は、私は個人的に「保守であっても、」嫌いな文章を書く作家だが、曽野氏は慈善活動の組織の指導者としてはかなりしっかりしていたようだ。

 


 

 23.高山氏に説明されて、ああなるほど、と思ったのは、日本の国土の特殊性だ。

 

 スイスは手付かずの自然は、国土の25%。なんと、日本の手付かずの自然は、1998年時点で、78%なのだという。そして、日本全体の国土は、アメリカのカリフォルニア州ほどなのだから、いかに、日本人が狭い場所にひしめきあっているかわかろう。

 


 

 高山正之はコメはむしろ米国、オーストラリアなどから輸入するべきだ、という。

 

 実のところ、カリフォルニア米はまずいわけではない。それでいて、日本米はカリフォルニアの5倍の価格だ。

 


 

 どうして、外国から輸入したほうがいいかというと、米国ともめた時、他国からの輸入を増やすという選択があるからだ、という。

 

 保守派の高山正之氏、かならずしも、農業保護派ではないとというので、確認しておきたい。

 


 

 24.これまた、高山氏が書いているのを読むまでは、浅学な私は知らなかったのだが、アメリカでは、普通高校の公立高校に進学するためには、年間十時間の社会奉仕が必要で、卒業するにも、年間20時間の社会奉仕が必要なのだという。

 

 最近、(これをメモしている時点で、2015年2月)テレビで「日本はすばらしい」式の番組が多いが、素晴らしい日本が、なぜか、公立学校に社会奉仕活動の義務がないというのも、意外な事実だ。病院や老人ホームでの清掃などが、そうした奉仕らしい。

 


 

 テレビ映画「ER」に赤い線の入った白衣を着た女性が出てくるのは、その学生社会奉仕なのだそうだ。アメリカにもいいところがあるではないか。

 


 

 また、おとなについても、アメリカのカントリークラブというのは、夫婦で年間40時間以上の社会奉仕実績がないと、入会できないので、誠実な生き方をしている証明にもなるらしい。日本には、まるでこういうのが、ないんだよなあ、と思う。

 


 

 アメリカにおける大地震などの災害時には、こうした制度のボランティア要員がまず真っ先に行くということだ。

 


 

 これをノーブレスオブリッジならぬ、コモナーオブリッジ(平民の義務)という。

 


 

 案の定、高山正之氏は言う。日本に官僚に退職金を一割寄付したなんていうのは、聞いたことがない、と。

 


 

 基本的にアメリカに対して辛辣な高山氏だが、この話はアメリカの意外なよい側面を紹介している。

 


 

 24.米国の正義の裁きとはどういうものか。

 

 1998年アメリカ大陪審は、パナマの国防司令官、ノリエガ将軍を国際的コカイン密輸の黒幕として麻薬取引罪で起訴した。実際には、他所の国の人物だから、ほっておいたかというと、ちがった。アメリカは軍隊を派遣して、ノリエガ将軍を逮捕連行してきて、40年の刑を宣告した。

 


 

 ここまでやる場合もあるのが、アメリカなのであるが、韓国の(2015年)産経新聞ソウル支局長加藤達也氏を日本に帰国させない処置もアメリカの真似をしているつもりなら、そんな分際か、韓国は、と言いたくなる。

 


 

 問題は、高山正之が指摘するベトナム、ボスニア、アンゴラなどにある地雷の「製造物責任」の事だ。高山正之は、アメリカは製造物責任に厳しいが、ならば、「地雷」の製造物責任」をきびしく問えよ、という。似たような例では、アメリカは、1995年4月のイスラエルのガザ地区における自爆テロの責任をイラン政府に問うて、2億5千万ドルの賠償命令をしている。

 


 

 ※ 意外と、韓国が従軍慰安婦問題の賠償についていつまでも言い続けるのも、すべてではないが、アメリカかぶれで、アメリカの真似をしているのかもしれないとわたしは思う。韓国ドラマの題名のアメリカ映画の引用の多さは、日本人のアメリカかぶれどころではない。

 


 

 25.。捕鯨禁止の裏話。捕鯨に関して、日本は責められっぱなしだが、日本が近代捕鯨を始めたのが1935年。アメリカは1800年後半から盛んに捕鯨をしていた。

 


 

 ロウソク、香油、自動車に潤滑油のために、である。1960年まで、デトロイトは鯨油の最大の市場だった。それが、いつのまにか、日本が太平洋の鯨をなくしてしまったような態度をしているし、日本人もそんな気になっている。

 

 ポール・マッカートニーに言わせると、「鯨は高等頭脳を持った友人だから、殺すのは野蛮」だということになっている。それなら、アメリカ人は野蛮だったことになるが、歴史というのは、忘れ去られるのである。

 


 

 26.米国は反捕鯨団体を強く支持している。英国の歴史家クリストファー・ソーンは、アメリカというのは、自国の行為を棚上げにして、自分を高潔な精神の持ち主だと思い込む癖があるという。ソーンは、アメリカは支那にアヘンを売りつけていたではないか、という。

 


 

 ※中国の主張はわざとらしくて、みえすいているが、韓国の主張は、なぜかアメリカに良く似ていて、本気で自分を高潔だと思っているのじゃないか?と思えるフシがある。

 


 

 核拡散防止条約で核保有の許された国は五大国に限る。

 

 インドは含まれていない。ところが、アメリカは、過去1032回の核実権を行い、二回は、日本で爆発させてしまっているから、核拡散防止条約は国際的に「なんだかなあ」という受け取られかたをする。

 


 

 27.※2015年2月、民主党がNHJK会長の籾井氏を読んで、姿勢が政府よりではないか、と吊るしあげていた。これをTBSが、籾井氏が「反論」したとは言わずに、「釈明した」と報じた。朝日新聞、毎日新聞、TBS、テレ朝は政府批判報道は熱心だが、なぜか、北朝鮮による拉致被害問題については、まったく不熱心だった。

 


 

 28.チャーチルはドイツのナチズムと断固たる態度で戦ったのは有名だが、彼も結構、腹黒い。高山氏の「英国の大きな忘れ物」という文章にチャーチルの次の言葉が紹介sれている。「ヒンズー対イスラムの対立こそ、英国のインド統治の防壁だ。彼らの確執がなくなれば、彼らは一致団結してわれわれに出ていけというだろう。」

 


 

 セポイの反乱では、英国は、インド人にダムダム弾を撃ち込んだ。

 


 

 ダムダム弾は、銃弾の先が割れていて、当たれば先が花のように開いて、治療しても助からない。

 


 

 英国はビルマ(ミャンマー)統治にあたっては、年間五十万人のイスラム系インド人を移住させて、華僑を入れて、山岳民族については、都市に移してキリスト教にして、ビルマの仏教に対立させる。これに抵抗するビルマ族を「村ごと消滅作戦」で虐殺する。

 


 

 この英国の作戦とおり、ビルマは宗教対立のある国になった。

 


 

 ※英空軍士官P・ファーキンスはじめ「英国が東南アジアに来て、文明には無縁のアジアの人々の生き方を変え、大いなる発展をもたらした」が、「日本軍の襲来によって満足な食事もベッドもない協定違反の捕虜待遇を受けた」とする言い分がある。

 


 

 2015年にアンジェリーナ・ジョリー監督で話題になった「敗れざる者」もそうした見方による原作を元にしている。

 


 

 フランス人捕虜ピエール・ブールは戦後、「猿の惑星」を日本をモデルにして書いたとはっきり書いたが、アメリカで映画化されると、モデルはいかにも中国共産党に見えるということもあって、一般に、日本人はいまだに、「猿の惑星」の、少なくとも原作は、本来、日本がモデルだとは意識していない。

 


 

 29.ダチョウは敵に追われると砂に頭を突っ込んで、自分には怖い敵などいないんだと信じ込もうとする・・・とこれは、実は旧約聖書にそう書かれているものの、実際のダチョウはそんなことはしないのだという。

 

 日本では、この喩え話は、多く日本共産党、旧革マル、旧中核、朝日新聞、毎日、TBSの報道記者などの旧左翼共鳴者、新左翼出身者が、北朝鮮による拉致事件をなかったことにしたがったりした行動様式に喩えられる。