ハ・ジウォンの「奇皇后」は、「歴史劇」というよりも、「インディージョーンズ」が、現代の物語ではないように、「過去を舞台とした、ロマンスアクション」だ。
日本の一部の、馬鹿な歴史学者(とくに女性)は、娯楽アクションもまじめな歴史劇もまとめて「ウソ」と言っている場合がある。暴れん坊将軍をウソというようなものだ。
それにしても、この作者、企画が決まって、脚本を書き始めてから苦労したと思う。
たとえば、「元」モンゴル人が、死者を弔う時に、なんと言ったか、よくわからないのだ。
この場面では、「南無観世音菩薩」と言っている。
字幕をつけた人は、日本人にわかりやすいように、「南無阿弥陀仏」と書いているが、朝鮮半島では、「観世音菩薩」だ。
これは朝鮮半島の仏教のよく見られる菩薩信仰の言葉で、「元」モンゴルは違うし、「万歳」というのも、中原のシナ系の風習で、「元」モンゴルはやらないのじゃないか?
「万歳」は、ほんとうは、日本起源か、シナ起源かいまだに、私ははっきりした説を読んだことがない。シナ起源が正しいような気がする。
おかしいけれど、たしかに、じゃあ、昔「元」ではどう言っていたか、というのは、なかなか調べるのは、むずかしいことはよくわかる。たぶんモンゴル国内の歴史学者はわかるにちがいない。