花より男子だんご シーズン2 7話
ここまで来て、このドラマは、道明寺のお姉さん、つくしの弟のすすむ、花沢るい、花沢るいの片想いの相手、西門総次郎、総次郎の片想いの相手の沙羅、和菓子屋のおかみさんの思い出、つくしの和菓子屋の友達のゆうき・・・など、ほとんど無数の恋愛譚がちりばめられたアメージングストーリーのようなものだということがわかる。
中でも、シーズン2 7話で、つくしの和菓子屋の友達のゆうきが発見する西門総次郎の1年前の「バレンタイン事件の真相」とそれが明らかになる過程がわたしたちに深い感銘を与える。
つくしの和菓子屋の友達のゆうきは西門にチョコを渡そうとして、西門が沙羅を好きだったこと、失恋したことを知る。ただ、ゆうきは、一年前に、西門が沙羅に「西門さん待ってるね」と言われた場面に偶然いた。それは、バレンタインの日の朝の6時に東京タワーの見えるあるビルの屋上に、来てくれ」というものだった。
西門は、その時、沙羅が自分の兄のことを好きで、自分は片想い感を持っていたので、単なる意味のないウソだろう、と思っていかなかった。
ゆうきは、一年前のそ情景を思い出して、あれはウソではなく、バレンタインの日の朝の6時に東京タワーの見えるあるビルの屋上に、来てくれというのは、何か意味があったのではないか、自分がそれを確かめて、西門に知らせてあげるべきではないか、とその場所をとうとう、見つけて、そこにある驚くべきものが存在しているのを見つける。
一方、西門は、沙羅への思いを断ち切れず、再び沙羅に会いに行き、交際を申し込む。
しかし、沙羅はすでに、新しい出会いがあり、その人と結婚をきめていた。
西門はむなしく帰ってくる。
西門が訪ねていく沙羅の居る場所は、落ちついた雰囲気の山のなかの、陶芸工房で、わたしたちの、生活体験からすると、非常に美しく、夢のような光景とも感じられる。
自分は結局かやの外だったんだよ、という西門に、蚊帳の外だったということないよ、バレンタインの日の朝の6時に東京タワーの見えるあるビルの屋上に、来てくれというその場所がに言ってみればわかるから・・・、と言う。
西門は、なんのことが、わからず、自棄酒を飲みに行くが、その朝、気になって、そのビルに行く。そこには、ゆうきが待っていた。
こうして、事実を追っていくと、まったく、ありえない話なのだが、(そもそも、なぜ、他人のビルの屋上で、早朝に沙羅がそこに立ったのか、きっかけがわからないし、ゆうきも、西門も、現実にはそう気軽には、その辺のビルの屋上に上がれるものではない。怪しまれる。が、そこは、物語なのだ。シンデレラストーリーの夢物語として、受け取ると、非常に感動的なの情景がそのビルの屋上から見えた。
西門は、けっして蚊帳の外というわけではなかったのだ。
好きな相手の恋愛感情のフォローをするゆうき、お互いの気持ちのすれちがいから、恋愛が成就されなかった西門。
道明寺つかさの姉の思い出も、つくしの弟の体験も、それぞれに胸のつぶれるような、苦い恋愛譚と言っていい。それらがちりばめられて、大河原しげるとつくしと道明寺と花沢るいの四角関係も、危うい関係を保ちながら、進行していく、というふうになっている。