ハイドロの3日後…
4月18日、ZONE6記者会見
東京タワーメディアセンターは前途を暗示するかのような曇り空。この話がきた時、直前だったのもあり

「そんなの、いきなり言われても仕事で行けないですよ。」
 
それでもどうしても…とのことだったので、多田先輩から会社に掛け合ってもらい、その日の現場を4時間ほど抜けさせてもらって、銀座から六本木へ

「めんどくせー」が正直な所だった。
記者会見…世界大会の時にもあったのだが、こんな本格的なのはもちろん初めて、これも良い経験だと思い込み向かった。

多田先輩にマリオンクレープをご馳走になったが、生まれて初めて。
「うまいっす!」まだ呑気なものだった。


【バウトレビュー】

この日、最初に聞かれたことに答えてから、気付いてみれば「格闘空手」を連発していた。

「格闘空手で戦う。」
「ラウェイより格闘空手の方が強いと信じてやってきた。」
「普段やってることをそのままやれば良いだけ」
「空道をやるつもりはない。」

そして

「ラウェイという場で格闘空手をやります。」

その後、
「これ使っても大丈夫ですか?」
「はい」
そんな確認をされ、この記事でも引用されていたのだが、言葉そのままに受け取られてはこちらの真意が伝わらないので…と、メールでお願いし、削除していただく。


個人的な挑戦と共に、やった理由の二つ目は
自分がこう言わざるを得ないことを少しでも知ってほしかった。

何で場外ラインやルールを利用して戦うのか?
他の競技と平気で掛け持ちしてるのは異常なのではないか?

いつも疑問だった。他にも色々あるが、伝わる人なら上記2つで充分だろう。
あくまでも名前が変わっただけ…
皆に理解してもらうつもりはない、僅かな伝わる人に伝わればそれでよし。

だからこそ大道塾道着でこのルールをやる必要がある。

この会見後、藤井社長がメールを送ってくれた。

「同じ格闘技者として、小林共々非常に感銘を受けました。」

「格闘空手見せてやってください!」

「あんまり前面に出さないで下さい。」と伝えたものの、ポスターにはハッキリ「格闘空手」と載っていた(笑)。


この会見で芸人の八幡カオルさんがゲストだったのだが、こっちにも絡んできたのでかなりイラついた。
だが、彼女は発注された職務を遂行していたに過ぎない。

そして、まったく笑いがないほど滑り倒す。
ところが、それでも真剣に続けているのを見ていたら、この空気の中なのに最後には笑ってしまっていた。

諦めなければ笑いも起こせる。


ラウェイの強豪トゥントゥンミンを巌流島で撃破したルクク・ダリとの5キロ以上差(実質10キロあったらしい)の試合に挑む金子大輝選手がいたので少し話しかけた。

「ラウェイ怖くないんですか?」

「変わらないですよ、キックとかと同じですね。」

若いのに腹がすわっていて覚悟が違う、体重差を考えない所も…道は違えどサムライ精神を感じた。

その後、仕事に戻る為に会場を出た所で偶然対戦相手の中川選手に会った。

「終わったら飲みましょう。」

握手して別れる。

仕事に戻り1時間もすると、この日の空間も幻のような現実…後、1ヶ月。