心をくだく 心をかける

 

 「くだかけ会」というのを、もう46年もやって来たのです。

 講演に行ったりすると「くだかけってどう意味ですか?」とよく聞かれます。

 

 実はニワトリのことなんです。昔の言葉で鶏のことを「くだかけ」と言っていたのです。漢字では「腐鶏」と書くのです。江戸時代には「腐ったニワトリめ!」と鶏をバカにした言葉ということも言われていました。

 

 実は、そのもっとずっと昔に「心をくだく 心をかける」の掛詞だと言っていたのでニワトリのことを。

 

「砕く」「掛ける」とは「親が子どもに」という心持ちのことですね。

 

 大昔の人はこういうことをよく観察していたのです。「母鶏がえさを欲しがるヒヨコにこころをくだく心をかける」姿です。鶏は実に子育てが上手なのです。

 

 もともと、僕の父親は趣味で鶏を飼うのが好きだったことがあり「くだかけ」と名前を付けました。僕もずっとニワトリのいろいろな種類を飼ってきました。今は息子が中心で「自然養鶏」をしています。いよいよ本格的に有精卵などを販売しているので、今や「くだかけ農園」なる名前にして有機野菜やお米も作っているので、まるで農家で卵屋さんかと思っている人もいるのです。

 

 こうして「くだかけ」の名のもとに長年活動しているととても面白い人生の宿題温めて味わうことになるのです。主題は「あんしんと平和」です。