●森一族の背景は壮大で筆舌に尽くしがたいのですが、アタシが一番胸を打たれたのは30年間消息不明だったお父様の遺体を前にしてようやく●森様がお父様を許すことができたことです。
両親が離婚した15歳の時から母一人娘一人で生きて行かねばならなかったので●森様の中で、お父様の存在は抹消していたそうです。
簡単にいうと恨んでいたのでしょうね。何故こんな辛い生活に追い込まれなければならないのか…
けれど遺体のあったアパートから出てきた遺品の中には様々な過去が。
何処かのスナックで知り合った●森様と同じ名の女性と出会い、その女性と子供に援助したり
そしてその女性と子供と昔、●森様とお母様と3人で行った旅行先を跡を辿るように旅したり…
さらにお父様の財布の中から5歳の●森様がお父様に送った手紙が…
もう30年も音信不通だったのに、40年も前の娘の手紙を肌身離さず持ち歩いていたのです。
財布から手紙が出てきた時は泣いた、と。
30年分の怒りが悲しみに変わった瞬間ですね。
お父様もこんなアパートで腐乱した状態で発見されるような人生を送りたかったわけではないのです。
人に騙され借金を作って人に追われ、人生の終わりには愛人と過去の家族との思い出をたどる…
不器用な人だったんですね。けしてこんな淋しい人生を送りたかったわけじゃない。
でも、それを理解した今、●森様はお父様を許すことができたのです。
けして●森様やお母様を不幸にしたかったわけじゃない。
幸せになるための器用さや運がなかっただけかも知れません。
でもそれがわかった今、●森様の表情は柔和な感じに見えました。気のせいか…
そして今まで男性に対して非常にキツイ印象の方でしたがこれからはちょっと変わるかも知れません。
男性に対する感情って父親に対する感情の反映だと思います。
父親に対して不信感を持っていれば男性に対しても不信に思うでしょう。
父親に対して失望していれば自然に男性に対しても失望してしまうのではないでしょうか。
『どーせ男なんて…』ってね。
浮気症の父親や借金をこさえて逃げる父親、威厳がなく貧相な父親…どれも見ていて悲しくなる、なるけどそれが貴女の父親なのです。
そういう父親もけして家族を不幸にしたかったわけではないのです。
本当は自分も威厳があって家族に豊かな暮らしをさせられるぐらいの男になりたかったのです。
父親を許して受け入れる…難しいことではありますが貴女の未来の幸せを左右するのです。
意外と～
●森様には感動したのでお誕生日の意味も込めて花束贈りました
この年が●森様にとっていい一年になりますよーに