”尖閣諸島の中国漁船衝突事件”が、政治問題化している。中国外務省が日本の対応を非難すれば、石原都知事が中国行きをキャンセル、日本政府は冷静な判断を呼び掛けるも、馬淵新国交相が中国観相との二国間協議を拒否。中国は閣僚以上の交流を見合わせる措置に。イヤハヤ困ったもんですネ。
この手の問題が起きた時の、日本のマスコミ報道でいつも思うのだが、リアクション報道なんですヨ、全てが。事件の基をそのまま報道するのではなく、過敏に反応して基以上に中身を膨らませて我々に見せようとする、特にテレビがそうですネ。意図しているのか、いないのか。リアクションが早すぎたり、大きすぎたりすると、相手に簡単に裏をかかれる、これはスポーツの世界では常識。まあ、政治とスポーツは別ですけど…。
中国で反日デモが起こった。そのデモ風景がVTRで流される。「こりゃ大変だ！」となるが、でもよく見るとたかだか数十人規模のデモなのだ。そんな奴等はどこの世界にもいるでしょう。ところがリアクションが大きいから、全国的な規模のデモ行為という風に見えてしまう。日本人学校にレンガが投げ込まれた。数人が現場から逃げ去った様子。もちろん親御さんにとっては心配なことではあるけれど、リアクションが派手だと「襲撃された！」みたいなことになってしまう。想像で恐縮だが、世界中の日本人学校のかなりの数が、年に何回かいたずらされたりモノを壊されたりしていると思いますよ…たぶん。
ニュースというのは、何か起きてそれを報道するのだから、リアクションは当たり前だし、事の大小は、ある一定期間経たないとはっきりしないことは多々ある。だから何事も甘く考えてはいけない。だが、日本のマスコミの報道（特にテレビ）は、事実以上にニュースを煽っている気がしてしょうがないのである。ナレーションしかり、BGMしかし、スーパーしかり。事実を矮小化しろということではない。でも、積極的にデフォルメすることはないでしょう。イヤ、しちゃ駄目でしょう。
それと、この件に関してもう一つ。SMAPの上海公演が延期となった。ジャニーズ事務所は、『観客の安全の確保を考慮した。』というのをキャンセルの理由にしていたが、実際はスマップの安全の確保を考慮したのだろう。でも本当は、こういう時こそやったらいいんじゃないかなぁ～と思いますヨ。現地に行って、「政治は政治、我々は上海に来られてうれしい。日本と中国の文化交流は、こんなことでは揺るぎません！」ぐらいのことを記者会見でいえば、格好よかったのにネェ。
思い返せば、米中国交正常化の切っ掛けは、ピンポン外交だったではないか。『スポーツや文化の世界に、政治を持ち込まない。』は建前だけど、政治が入り難い状況を創りだす可能性は結構あると思う。一タレント事務所にそこまで要求するのは酷だし、そんな義務もない。SMAPだって、そりゃいい迷惑というもんだ。でもだからこそ、実現すれば効果は絶大なものになるだろう。実は、国益ってそういうことなのではないだろうか。私のような無責任な立場の人間が云うことではない。判っているが、あまりに政治がだらしないので、愚痴のつもりで書いてみました。