頭がガンガンする。夕べ飲んだ芋焼酎がまだ残っているのだろう。
「おいよー!」
「ん?」
「うわっ!」
「うわっと違うてよー、なんでえ僕おいて行くんなよ。」
「書記!?お前どこ行ってたんなよ!心配したんやぞ!」
「その割りにかなり遠くまで来ちゃうやいてよー。」
「ん、いや、それよりお前なんでここがわかったん?」
「佐賀のカプセルホテルで怖い人に絡まれたやんかよ、その後おまんらどっか行ったやいてよ。その時に拉致られたんよ。」
「マジか。。」
「これはびっくりですね会長。」
「ほいて連れて行かれて次の日の朝に途中で逃げ出したんよ。ほてカプセルホテルのフロントにおまんらの事聞いたらこのメモ貰ってそれを頼りにここまで来たんよ。」
書記が、コントラバスでも入っているのかと言うほど大きなリュックから取り出したカピカピの紙には、「次の宿泊先は指宿にしよう、それにしてもペイチャンネルがタダで観れるとかヤバイ」と書かれていた。
「会長!この紙って。。」
「…あー、そんなメモしてたかな。そんなメモだけでここまでこれるとは、大したもんや!」
「///そんな事無いけどよー。」
「なに照れとんねん。こっちは心配したってんのに。」
「ご、ごめんよー。」
これで役者は揃った。会長の顔がほころぶ。指宿からは副会長のバイクに書記が乗せてもらい、次の目的地へと走り出す。
「こっからはどこへ向かうのですか?」
「こっからは鹿児島を抜けて宮崎の海沿いを走ってこうか。」
「宮崎やったら巨人のキャンプやっちゃうんとちゃうんけ。」
「知らんがな。」
クボ会一行は日南フェニックスロードと呼ばれる海岸線を北に走った。そこを抜ければ日本屈指の温泉街、大分県の別府が見える。ゴールは近い。
「なんかさっきからついて来ちゃう単車あるてよー。」
書記がなにか呟いたが、気にも留めずに会長と副会長のバイクはスピードを上げた。
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