「傾斜で停車する」というのは、ライダーにとっては厄介なモノだ。

車でもMT車はそう言えるだろう。

その日も、傾斜途中での信号で三人のライダーがスタートポジションに着いていた。

ポールポジションはアメリカンに乗った大学生風の出で立ちのイケメン。

二番手は「あ!カップ麺買ってくんね~!」と着の身着のまま外に飛び出した風のスクーターに乗る金髪ギャル。

そして最後尾は、その日納車を迎えたであろう、ピカピカの車体とは裏腹にガチガチの三十路のおっさんだ。

「ブロロロロロ!!!!」

アメリカンの彼はカスタム済のマフラーで周りを威嚇する。

金髪ギャルはミラーを見ながら、目をいじっている。

おっさんは坂道発進のマニュアルを頭の中で復唱する。

発進時の加速ではスクーターに適うものはない。またアメリカンも馬力がある。
下馬評ではおっさんのネイキッドが最弱。

しかし、三十路のおっさんはこう考える。

「今一番真剣にバイクの事を考えている者が勝つ。ならば私だろう。」と。


ドクンドクン・・・・・。

青信号が近づく。

さすがの金髪ギャルもアクセルに手を回す。

イケメンはミラーを見ながら、最後尾のおっさんのコースを読みに係る。

おっさんはここぞとばかりにアクセルをふかす。


ゴーーーー!!!

青信号に変わる。

さすがの超馬力!イケメンのアメリカンが勢い良く飛び出す!!!
「ブロロロロロロロロ!!」
しかし、重さからかよろけている!!サイドはスキだらけだ!!

金髪ギャルのスクーターはスタートの反応に遅れる!!!

「いける!!最後尾からぶっこ抜く!!」
おっさんは半クラを大胆にし、アクセルを全開する!!
「パパパパパパパパ!!」

その音に気づいた金髪ギャルはアクセルを全開!!
一気に加速する!!

「パパパパパパパパ」
おっさんの表情とは裏腹にバイクが進まない。
前の2人を追うどころか、後ろに着いていた市営バスに煽られる!!!

「パパパパパパパパ」

おっさんは恥ずかしくなったのかそのまま脇道に進路を変え、停車後タバコをふかす。

「次は、勝ってやろうぜ・・・・」

ポンポンとシートを叩き、おっさんは家まで30分のはずが、かれこれ2時間も走っている家までのコースを見なおしていた。

~FIN~


って事で「250TR」納車完了しましたーー!!

バイクが初めてなので、インプレとか書けませんが。

とりあえず、かっこええ!
タンクピカピカです。

方向オンチも手伝って、昨日はいきなりロングツーリングに。
車道を走るのは新鮮ですね。

風を感じると言うんでしょうか。
それが少しだけ分かりました。

まだまだ、慣らし運転をしなければならないので、ゆっくり走っていきます。

いやーいい買い物でした!