長い冬が終わろうとする頃に雪の下で芽吹く準備をしている草木の力強さ。
カクテル‘‘雪国’’が表現する世界です。

1958年、寿屋(現サントリー)主催のカクテルコンテストでグランプリとなったカクテルです。
手掛けたのは山形県酒田市の‘‘ケルン’’オーナー‘‘井山計一’’氏。
井山氏は大正15年生まれの95歳。2021年5月に逝去されるまで、バリバリの現役バーテンダーとして活躍されました。
私は井山氏が80代の頃にお会いしたのですが、かくしゃくとしていてシャンとされていて圧倒されました。
私は年賀状交換するだけでしたが、うちのスタッフが数年前に行ってるのですよね、ケルン。
円熟のシェイキングから生まれるカクテル雪国は冷やし過ぎず、それが美味しさだったそうです。
若い頃はキンキンに冷やすために躍起になってシェーカーを振りがちですが、それだけでは見えてこない世界が体感できたようです。
いいな、私も体験したかったな!

カクテルのコンテストや競技大会は毎年開催されていますが、後世に飲み継がれてゆくカクテルとなるとなかなか誕生しないもので。
井山氏の‘‘雪国’’のように日本人の感性・こころの琴線に触れる情趣を表現できたなら、私も愛され続けるカクテルを後世に残すことができるかもしれません。
うん、頑張ろう。


《レシピ》
・ウォッカ・・・・・・・40ml
・コアントロー・・・・・20ml
・コーディアルライム・・2tsp
・ミントチェリー


●シェーク

※砂糖でスノースタイル