雨音に調和するのがサティの‘‘グノシェンヌ’’。
そして雨の日にこそ美味しいのが‘‘バンブー’’。

雨が降ると聴きたくなるのがグノシェンヌだったりします。そして飲みたくなるのがバンブーだったりするのです。私はね。

日本における創作カクテル第一号として1890年に横浜で誕生しました。
考案者は‘‘ルイス・エッピンガー’’。
横浜の外国人居留区に開業した横浜グランドホテルの支配人兼バーテンダーでした。

船乗りたちが各港で伝えたおかげで、世界中で人気のカクテルとなりました。

その味わいは竹の如くまっすぐで鋭く、きりりと引き締まっていて、潔い後味・風味はまさに竹を割ったような清々しさで。

竹を割ったようなその味わいを生み出すのがステアという調製技法です。
それは素材の味をはっきりと生かすために静かに混ぜ合わせる技術。
バンブーは元々混ざりやすいシェリーとベルモットの組み合わせですから、オクターブではバースプーンを回すのを10回以内で仕上げます。
そこでしっかりと冷えたものにするために、シェリーもベルモットも0℃に近い冷蔵庫にてあらかじめ冷やしておきます。

伺ったところ、先輩バーテンダーM氏のバンブーの捉え方は私と全く一緒でした。
先輩バーテンダーH氏はさらに氷の温度と形へのこだわりもありました。
繊細なカクテルゆえにシビアに向き合う姿勢が引き締まった味わいに反映してくるのですね。

いかがでしょうか。
食前酒にピッタリな美味しさなので是非ともお食事の前に、雨が降っていなかったとしても、オーダーしてみてくださいね。


《レシピ》
・フィノシェリー・・・・・・40ml
・ドライベルモット・・・・・20ml
・オレンジビターズ・・・・・1dash


●ステア