宙組「MY BLUE HEAVEN わたしのあおぞら」を観劇しました。


 演出は齋藤吉正氏です。日本の戦中戦後はあまり宝塚歌劇では上演されないと、公演プログラムにも書かれていました。確かに宝塚では馴染みはないけど、NHKの朝ドラにありがちな時代背景なので、時代背景や設定は容易に理解できました。

 暗くなりがちな時代背景だけど、登場人物の心情が細く描かれているので、がむしゃらに生きるという言葉だけでは表現しきれない色々な要素の詰まった濃い芝居でした。

 題名であるMY BLUE HEAVENは1920年代のアメリカの歌で、日本語歌詞「私の青空」を榎本健一さんが歌った歌です。狭いながらも楽しい我が家という歌詞は何回も聴いた気がする有名なフレーズです。しかしこの物語の面白い所は主要登場人物の中で、夫婦、兄弟、親子と言ういわゆる「我が家」つまり家族は登場しません。戦争によって家族を失った人々がそれぞれの『あおぞら』を見つけていくところが心にささりました。

 様々な事件も後々種明かしが次々に展開するのもテンポよく飽きが来なくて面白かったです。


 風色日向さんは初主演とは思えない安定感がありました。サイコロの才能があってボクシングが強くてとヤンチャなんですが、とにかく仕草一つ一つが決まっていて男前でした。やっぱり立ち姿と仕草がかっこいい男役さんは宝塚の王道だなと思いました。

またヒロインやよい役の山吹ひばりさんは危ない仕事に手を染めながらも品があるたたずまいが、

素敵でした。

亜音有星さんのライアンも安定のイケメンさで、

よかったです。


個人的には、山吹ひばりさんの弟的なハジメ役を演じられた奈央麗斗さんが、目立っていたと思います。ビジュアルといい、孤児という立場のちょっと影のある感じと、やよい(山吹ひばりさん)にほのかに恋心を抱いているのかなぁという感じの表現力がすごく印象的でした。

 

 大劇場公演のような豪華絢爛さはありませんが、登場人物一人一人が繊細に描かれていて、気持ちが前向きになる作品でした。残念なのは、バウホールなので滅多にチケットが手に入らない事でしょうか。





 冒頭とエンディングの映像が齋藤作品って感じがします。