[頑張るべき時なのか

どこまで頑張ればいいのか

頑張らず、他の頑張れることを見つけるべきなのか]

 

中学生の時

ある運動部に入り

運動能力は低くないはずなのに上手くなれず

もっと頑張れば上手くなるはず

『継続は力なり』

と信じて高校に入っても続けたけど

やっぱり上手くならず。

 

高校から始めた子の方がずっと上手だった。

レギュラーになれず

試合に出られなけば時間の無駄。

 

縁の下の力持ち役は嫌だと思った。

チームワークが大事。

メンバーとしての役割がある。

そうかもしれないけれど

プレーする場が与えられなければ

意味がない。

 

その後、他のスポーツを始めたら

ぐんぐん伸びた。

ぐんぐん伸びるから楽しかった。

楽しかったから一生懸命頑張った。

 

あ、さほど興味のないことを続けてたんだなと

やっと分かった。

好きなことを続けることが大事なんだ。

もっと早く気づけば良かった、と。

 

だけど

好きと思うことを一生懸命続けても

レギュラー(もしくは一流、あるいはプロ)になれない場合

どうしたら良いのだろう。

 

卒業から何年も経ち

再びそう思う場面にぶつかった。

 

他のことに目を向けたほうが良いのではないか。

継続するのは時間の無駄ではないか。

他に目を向けるか、継続するのか、

その見極めのタイミングはいつなのか。

 

 

やり抜く力

 

「GRIT やり抜く力」の筆者

アンジェラ・ダックワース氏は

成功に導くのは「才能」か「やり抜く力」か

と問うている。

 

タイトルが示す通り、本書での答えは「やり抜く力」で、

「才能」があっても「情熱」と「やり抜く力」がないとダメ

ということなのだが、

 

「才能」の代わりに「適性」と考えると、

これも深く関わっているのではないか。

 

「好きという気持ち」と「幾分の適性」があると

「やり抜く力」を発揮できる土台が固まる。

 

そう考えると、

気づくことがある。

 

中高続けた運動部は、

好きだったから続けたのではなく

レギュラーになりたかったから続けたのだ。

 

実は考え方が逆で

好きを続けると目標点(レギュラーあるいは一流/プロ)に

到達する可能性が高まる。

そこに幾分の適性があれば、その可能性はさらに高まる。

 

なれそうになかったら

やり方が違うのかもしれない。

努力が足りないのかもしれない。

好きであれば、そう考える時間さえ楽しい。

 

それでレギュラーになれなくても得るものはある。

目標点の考え方を修正することも一案だろう。

環境を変える必要があるのかもしれない。

 

とことん考える時間まで楽しいと感じられることが、

筆者の言うところの

やり抜く力が強いほど幸福感も高い。

ということなのではないか。

 

やはり好きなことをとことんやり抜くことが大事なのだ。

 

 

しかしまだ問題がある。

好きか好きではないかわからない時だ。

 

そんな時は、時間を置くのが最善策と

これはじぶんの経験から

思う。

 

時間の経過の中で

考えたり経験したりする中で

答えのようなものが見えてくるのではないだろうか。

 

筆者も

人間のあらゆる特徴は「遺伝子」と「経験」の両方に影響を受ける

そして、

 

やり抜く力は伸ばせる

 

としている。

心強い。

 

もうひとつ心強いのは

年上ほど「やり抜く力が強い」

というデータだ。

 

筆者は、育って来た時代背景によるものとしているが

それに加えて

成功体験や失敗体験を積み重ねたことにより

 

「やり抜くべき勘所」

「継続しながらの微調整の方法」

 

が分かってくるから

というのもあるのではないだろうか。

 

 

経験の力は

思う以上に

強い。

歳を重ねることも悪くないと思える所以だ。

 

 

本書、実は最後の最後に私の疑問に対する筆者の考えが掲載されている。

 

やめることが最善である場合も

「やり抜く力が強すぎてやめられないというケースが考えられる。

 

そして

 

始めたことを何でもかんでも最後まで続けようとすると、

もっと自分に合っていることを始める機会を見失ってしまう可能性が高い。

何かをやめて、もっと簡単なことを始める場合もあるかもしれないが、

自分にとってもっとも重要なことにだけは、

しっかりと関心を持ち続けるようにしたい。

 

ここのところの見極め方法までは記載されていないけれど

そこは自分で納得し、覚悟を決めるしかないということか。

 

 

 

最後に翻訳者の神崎朗子氏。

実力者だ。

同氏の翻訳なら安心して読み進められる。

 

 

頭の中は今日も疑問でいっぱい。

パズルを解くためのヒントを探して

次に読む本を探す時間も

また楽しい。