そのワクワクを抑えつつ、下宿先を探すために一緒に来ていた母親に電話した。
もしもし!どうやった!?合格した!?
後ろから聞こえる東京の雑踏よりも耳障りな音がスマホから聞こえた。
うん。したよ。合格。
優希は、感情をあまり表に出さない人間だと思う。ワクワクを上手く伝えられない。
それで、アパート探しに行きたいんだけど、大学の近くまで来てくれん?
本郷だったよね!?すぐ行くね!!
地下鉄の改札口で待ってるから。着いたら、連絡して。
優希は、返事を待たずに電話を切った。なんで、アパートを借りるのに親の同意が必要なのだろうと思いながら、改札口に向かったら、母親が先に着いていた。どうやら、近くに居たようだ。
その足で、地元にもある全国チェーンのコンビニみたいな不動産屋で契約を済ませた。内覧はしなかった。
1K。風呂トイレ別。家具家電付きでは無い。8万円。
帰りの新幹線で、東京ってなんでも高いんやねと仕切りに言う母親の隣で、思ったより疲れていたのかぐっすり寝てしまった。気が付いたら地元に着いていた。