1~2月は暖冬であったが、3月に入って寒暖差が激しく、雨・雪の天候不順が続き、春分(3/20)を過ぎての厳しい寒気もあって、桜の開花は東京で3月27日と昨年より10日も遅かった。しかも、桜の開花と同時の観測史上最高の夏日(3月31日)、そして東北地方にまで及んだ黄砂の襲来と今年も気候の異常さを強く実感する。
小・中学校の入学式に桜が満開であったのは7年振りだそうだ。4月中旬にも最高気温を更新しており、冬から春・初夏を飛び越えて真夏となるのが常態化するのか心配だ。
日本は本当に蘇ったのだろうか。2月22日の取引で日経平均は3万9098円と史上最高値を34年ぶりに更新した。その後4万円を超えることもあって高揚感・陶酔感とも言える雰囲気がただよった。今年の春季労使交渉は、連合では33年ぶりに5%を超え、全労連では25年ぶりの高い水準となってそのムードをさらに高めた。賃上げは人手不足のもとで精鋭を集めるために背に腹はかえられない要因も大きいと思う。
一方、日銀は3月19日の金融政策決定会合で17年ぶりにマイナス金利政策を解除し利上げを決めたが、3月27日の外国為替市場で、1990年7月以来34年ぶりに1ドル=151円97銭の円安となった。さらに米国の消費者物価の上昇により、4月17日には一時154円台後半の円安を記録した。
日経平均とNYダウの指数比較を見るとこの34年間にNYダウは基本的には右肩上がりで約13倍に値上がりしているのに対して日経平均は横ばいに近く、34年前の株価に戻ったというのが実態である。ちなみに4月17日の日経平均37961.8円を単純にドル換算すると245.5ドルである。
出典 auカブコム証券:1991年11月終値を100としてそれぞれ指数化
2022年7月7日終値まで表示
賃上げ率についてもG7との比較では株価と同じ推移の傾向である。円安で目減りした名目GDPで日本は2023年にドイツに抜かれて4位となった。この間、2023年12月以降の5ケ月におよぶ政治的空白、そして、4月末の補選の結果によっては6月に衆議院解散が現実味を帯びつつあり無為に時は過ぎていく。そのほかの分野、例えば、日本の大学のランキングの低下や引用論文数の減少に歯止めがからないなど国立大学が法人化されて20年、大学は「失われた20年」との声もある。
日本はどこかがおかしい、どこが間違っているのであろうか。すべての根源は戦後の「教育」にあるのではないだろうか。
数学者の岡潔元奈良女子大教授が著書『春宵十話』の「一番心配なこと」で、戦後の進駐軍主導による教育制度の改変を強い語調で批判し懸念を表している。(1963年 第一刷 毎日新聞社) 紆余曲折を経ながらさまざまな改革・試行錯誤が実践されてきたが、少子化の加速などの状況下で従来の教育制度に屋上屋を重ねるのはもはや限界ではないか。就学前教育、六・三・三・四制から構築し直すときではないかと思う。
私たちで日本再生に寄与できることは何かを模索し続けていきたい。
・承応2年1635年 幕府から工事を請け負った町人、庄右衛門・清右衛門兄弟。4月の
着工から8ケ月後に羽村から四谷大木戸までを完工。(約43キロ、標高差92メート
ル)
緩やかな武蔵野台地の川と川の間の分水嶺を縫って掘った。兄弟は玉川姓を賜った。
(JR青梅線羽村駅南、取水口付近)
羽村橋(同上)
平和橋(JR 青梅線拝島駅北)
小金井橋(JR 中央線武蔵小金井駅北。
北側堤に伐採された桜古木の根が残っている。
国木田独歩が愛でた桜か)
令和6年 4月7日 武蔵野