2017年10月来日オケ第2弾は、ウラディーミル・ユロフスキ氏率いるロンドン・フィルハーモニー管弦楽団です。

 

ユロフスキ氏はロシア・モスクワ出身の若手指揮者ですが、現在はロシア国立交響楽団とこのロンドン・フィルで活躍中です。 ロシア国立交響楽団といえば故エフゲニ・スヴェトラーノフ氏が率いていた名門オケ。 その芸術監督をお務めなわけですから、当然、今回のロンドン・フィルとの初来日公演も期待されるわけです。

 

ユロフスキ氏とロンドン・フィルの組み合わせですが、これまで数々のレコーディングが行われていることは周知のとおりですが、今回の演目に挙げられているチャイコフスキーの交響曲(5番と6番)も輸入盤が日本で発売されていて、2016年12月には国内盤も発売されたところです。 これらのCDを聴く限り、あまり変わったことはしない、オーソドックスで気取りの無い演奏で、音作りは真摯かな。 音色は少し乾いた音ではあるけれど明るくも弛緩しておらず程よい切れ・パンチがある。 録音の音質がとてもクリアで各パートの音がよく聞こえてくるので余計に感じるのかも知れませんが、ストイックさを感じないリラックスして聴ける好演です。

 

今回、公演を知ったのがチケット発売となった後で、しかも共演するソリストが人気のピアニスト・辻井伸行さんだったせいもあってか、東京周辺の公演(サントリーとミューザ川崎)は完売状態。 それで、休日等を利用して、新潟と浜松の公演に行って来ました。 新潟のリュートピアは今回初めて、また浜松のアクトシティもクラシックのコンサートは初めてというホールでしたので、余計にわくわくしながら聴きました。

2017.10.6 - アクロス福岡 福岡シンフォニーホール(福岡・天神)

  • ワーグナー:歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
  • チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23(Pf:辻井伸行)
  • チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」

2017.10.7 - フェスティバルホール(大阪・中之島)

  • ワーグナー:歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
  • ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18(Pf:辻井伸行)
  • チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64

2017.10.8 - 日本特殊陶業市民文化会館(名古屋)

  • ワーグナー:歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
  • ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18(Pf:辻井伸行)
  • チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64

2017.10.9 - リュートピア(新潟)

  • ワーグナー:歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
  • ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18(Pf:辻井伸行)
  • チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64

2017.10.12 - サントリーホール(東京・赤坂)

  • ワーグナー:歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
  • ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18(Pf:辻井伸行)
  • チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64

2017.10.13 - アクトシティ浜松(静岡・浜松)

  • ブラームス:悲劇的序曲作品81
  • チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23(Pf:辻井伸行)
  • チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」

2017.10.14 - ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎)

  • ブラームス:悲劇的序曲作品81
  • チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23(Pf:辻井伸行)
  • チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」

今回の演目はどのパターンも、ドイツもの序曲を最初に置いて、辻井さんと共演するロシアものピアノ協奏曲を間に、チャイコフスキーの交響曲で締めるというプログラム。 私が行った新潟公演と浜松公演ですが、曲目は一曲として被りは無く、今回の公演のすべての演奏曲目を聴くことが出来ました。 実際に聴いてみて、まず協奏曲については、ラフマニノフ(新潟)もチャイコフスキー(浜松)も、辻井さんのピアノがやはり素敵で、音の粒が揃ってリズム感のある暖かい音色に気持ちよく聴くことができました。 ピアノソロのアンコールも演奏頂いて、辻井さん人気も暫く続きそうな予感がしました。 そして、満を持してのオケ曲の方ですが、新潟公演がワーグナーのニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲とチャイコフスキーの5番、そして浜松公演がブラームスの悲劇的序曲とチャイコフスキーの悲愴を演奏したのですが、こちらも期待通りの素晴らしい演奏でした。 音はCDで聴いていた印象と殆ど変わらず、オーソドックスで変わったことはしない、真摯だけどストイックさは無い、でも適度な切れとパンチがあって、音が乾燥気味だけど明るい雰囲気で真の意味でリラックスできる音を満喫しました。 ユロフスキ氏の指揮姿も、長身で切れのある動きで見ていても好ましく感じました。

 
というユロフスキ氏とロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演でしたが、2018年は、同じくロンドンを拠点とする名門・ロンドン交響楽団が、かのサー・サイモン・ラトル卿に率いられて来日します。 しかもソリストはピアノが鉄壁のピアニスト、クリスティアン・ツィメルマン氏、ヴァイオリンが今最も充実しているヴァイオリニスト、ジャニヌ・ジャンセン女史。 演目がロマン派より少し後の現代曲に近い曲とあって、その点が個人的には少し残念なのですが、好演が期待されます。 私は行けるかわかりませんが、こちらも聴きにいかれる方がおられれば、是非感想をアップ頂けないかと思う次第です。 (完)