・義お姉様 萩尾美月と 由香

 

  二人で出かけた結婚式場での 衣装合わせ。

係の女性二人、佐藤咲江と仲野由美子はカメラに残る、仰天するような画像を見てし

まうも、、例えそれが どなた様の行為を撮ったものであっても話かけることは失礼にあたると判断した”佐藤咲江”は、そのことには触れることなく衣装合わせは終えてしまう。

 

 「奥様、お式の日にちまでには 三月ほどになりますが、、ドレスのサイズなどには

 大きな変化などにはお気をつけなられますこと、とくにウエストのサイズなどに       は・・」

 

  二人で着合わせたウエディングドレスとタキシードスーツ。 洋介の携帯に残る

  お気に入りの二着の画像を由香の携帯にも転送し終わると、、紅茶をいただき、

  細やかな打ち合わせはもう一度することにして、そのホテルをあとにする。

 

「お昼も遅くなったし、、とりあえず姉さん所のジムに行こうか・・もし

  都合良ければ、お姉さん所か、、どこかでゴチになれるかも知れないし・・」

 

 「・・そんなに 厚かましくては、私の立場がないでしょっ・・あのラーメン屋

 さんのお隣のっ・・なんでしたっけ、以前に見たメニューにはお寿司やオム

 ライスのメニューも 見たの。あのお店にしましょっ」

 

   駅から10分ほど歩く、そのマンション。

 お昼の時間帯を過ぎたころ、上の方に眼をやると【ジム&フィットネス・萩】

 の看板。  だが二人は躊躇すること なく和食店へと入って行く・・

 

 お店の入口を横に引く由香、、すると  二人は一番奥のテーブルから一人の若い

 女性が立ち上がり眼が合う。

その女性は【ジム&フィットネス・萩 】の制服でもある 朱色の T シャツを着て

おり・・だが二人は その可愛い感じもする若いお方は、初めて見かける御方。

 それでも、軽く会釈を交わし、、由香は、その人に声をかける。

 

 「 この上の【・萩・】で働いてみえる御方かしら?」

 「ええ、 きょう からバイトで働かせて いただいてます。こちらでのお昼も今日は

  初めてで、萩尾施設長にごちそうになりましたの」 と 微笑む。

 

「・・それは ご苦労様。私たちも時には利用させて いただいてますのよ」

  時計に眼をやると、、

「交代の 時間だから 急がないと・・失礼しますぅー 」

 

 出て行く後ろ姿を見送る由香は、

 「・・お姉様は、ひと目見た感じの美人度と、、好感をもてる感じの良さで面接

 して おられる感じよね. きっと、あの女性をお目当ての男性が増えると思うわ」

 

 洋介と由香は 衣装合わせの様子などを・・話を交えながら お昼を済ますと・・

 

「姉さんに会って、少し身体でも解してから帰ろうか・・父さんは仕事だろうし、

 ・・母さんもカフェの方、手伝っているのかな・・」

 

 二階へと上がり、 【ジム】のドアを入ると、、永瀬美保さんと先ほどすれ 違った

 女性がフロントに立っている。

  胸に掛けられたネームプレートを見れば  ”小野田心音”と ある。

 

  「 い らっ しゃい ませ・・ご利用 ありがとうございます 」

   由香から 受け取ったカードをスキャナーに通すと・・

 「えっ、永瀬さん。先ほどの御方って、 神野さんってお名前の方・・」

 

 「 ああ・あの方、こちらの親戚にあたる方よ・・萩尾施設長から預かっている

 もの お渡し  しないと・・」

  場内を見渡し、人様の様子を見ていた二人は、美保さんに呼び止められる。

 

 「神野さん・由香さん、この服を預かってますの・・由香さんには奥でこのヨガ

  ウエアーにでも 着かえて、みなさんとご一緒すること、お聞きしてますの 。

  洋介さんは場内でも見回っていただいて、、少しお待ちいただくこと・・お聞き

  してますのよ」

 

  由香は 渡された紙袋の中を見ると・・オフホワイトのパンツと・・黒い地に白

 とピンクのラインの入った、真新しいウエアーが袋にはいって入れられている。