・家族の 存在 ①    * 全編 固有名詞は 架空のものです

 

   十枚ほどの戸建てショットをカメラに収めることができ、カメラのモニターに

  顔を寄せあって確認している洋介と笹井陽子。

「これをホームページに載せて、・・そこに由香さんの正面か、やや角度 からの

  微笑む感じのものを重ねて載せても いいかもね」

 

 「えっ、由香も載せるんですか?」  

「もちろんよ。わが社の広告塔よ。あのような美人なんですもの。モデル料も出る

  ように交渉してあげるわよ」

「近くのカフェで、お昼にでもしましょうか」

 

「そうね・でも、、中も見ておかないといけないわね」

 

戸建ての内装も終わり、ハウスクリーニングの社の方が三名ほど 仕事に精を出し、

 働いて見える。

 その中、笹井先輩と洋介は各部屋の仕様と 残りの汚れの点検などを見て回り、二階

へと続いて上がる二人。

 

「この部屋には ダブルベッドが置けそうね。この部屋には朝日も入るし、、寝室に向

  いていると思うわ」 と、  振り向いた笹井女史。

 

「・・あの結納のあと貴方たち二人、上の部屋に行って、ラブラブなひと時を楽

   しんでたってことは分かってるのよっ。しばらくして出てきた由香さん、、

   顔を赤らめて出て来たわよ」

 

    「・・お楽しみだったようね。 着物が汚れてなくてよかったわ」

    「・  ・  ・  ・ 」

 

 「お着物も着崩れして て、私が直してあげたのよ。あのまま人様の前に出てたら、

   はずかしいじゃん!」

 

「・・失礼 しますー   窓の方も拭かせていただきますね・・」

 

 室内クリーニングの方たちから掛けられた声に依って、洋介は救われた感があるようにも思えた。

 

 先輩とのカフェでの昼食を終えたあと、話は 洋介の身内の話にまで及び・・、

 「イイお家の一人息子さんって感じよね。今は独りでワンルームとか言ってた

  けれど、ご実家は田園調布なの?・・それにお父様は 一流会社の役員でもなされ

 てる感じだったわ。お母さまや、あの萩尾さんってお姉さまも ”凛”と、してらし   て、貴方たち結婚してからの住まいの方はどうするの?・・すぐに 同居って

  ことも 無いんでしょうけど・・」

 

「まあ、住居はその近くなんですけどね、住まいの方はマンションなので、それほど   広くはないので今すぐ二世帯での同居は出来なくて、 近くか、その棟に 空きでも

 有れば・・そのようになるとしても由香と相談しないと・・」

 

「お姉さまは近くに嫁いでらっしゃるの?」

「ええ、同じマンションの上の階に・・」

「それで、そのマンションの二階では、教室のような事をしてる んですよ。人様に

 来て いただく仕事だから、大変だって・・」

「へぇー 、それはまた  どのような・・」

 

「ジムとかフィットネス教室など、サイクルやルームランナーや屈伸の運動具など

  も有って、、最近そこの一階の道に面した一画でカフェ も始めたようで・・ 

  よろしかったら行ってあげてげてください。」 

 

 「へえー・・それも ひとつの事業ですよね」