先週の金曜日は月末だったため、どうしてもその月中に申請しなければならない手続きがあり、年金事務所へ出かけました。
通勤・通学の時間帯だったため、電車の中はとても混んでいました。
朝から雨が降っていたため、乗客のほとんどが傘を持っていました。
9割の乗客(主観です)がスマートフォンを操作している中、近くで中学生と思しき少年が片手は吊革につかまりながら、もう一方の片手で参考書を開いて勉強をしていました。
では、傘はどうしていたかというと、背負っていたリュックのベルトの部分にぶら下げていたのです。
ただ次の瞬間、電車が急に揺れてしまい、少年のぶら下げていた傘が隣の男性のスーツを直撃してしまいます。
今さっきまで使っていた傘ですから、スーツにはくっきりと分かるほど水滴がついてしまいました。
「も、申し訳ございません。」参考書をすぐに閉じて、ひたすら謝る少年に男性は「大丈夫。気にしなくていいよ」と優しく声をかけ、ポケットからハンカチを取り出して、自らスーツに付着した水滴をふき取り、何事もなかったかのようにされていました。
2~3先の駅に着いたとき、どうやら少年の方が先に降りるようだったみたいで、降車のタイミングで少年はもう一度男性にお詫びしました。「先ほどは、本当にすみませんでした。」
男性は「気を付けて行ってらっしゃい。頑張って」と少年を励ましたのです。
マスク越しにも笑顔であることが分かり、男性の言葉はこころからのものだと感じて取れました。
少年が一生懸命勉強している姿を、男性も真横で見ていたのでしょう。
きっと〝紳士〟というのは、このような男性のことを指すのだなあと思っていました。
この様子を見て、私は朝から何だかとても気持ちのよい場面に居合わせたことに、幸せな気持ちになりました。
そして、そう感じたのは、きっと私だけではなかったはずです。
今後、少年は同じことをしないよう、傘の持ち方(ぶら下げ方?)を改善するでしょうし、男性からの励ましの言葉を胸に、夢の実現に向けて努力し続けることでしょう。
もし私が男性の立場だったら、同じような振る舞いができただろうか・・・?
少年に対して少なくとも怒ったり、不快な態度を示すことはしなかったとは思うけれども、その先の「気にしなくていい」、「頑張って」とまでは言えただろうか?
そう考えると、まだまだ精進が必要なようです。
私も〝紳士〟を目指していきたいと思います。
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こころの障害年金サポートテラス
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