エントランスを出る瞬間。
空調の効いた空気を押しやるように身を包む、夜の空気が私は好きだ。
「はぁ。今日も一日お疲れ様。私」
吐いた息は当たり前に白い。そっとマフラーを引き上げた。
仕事の帰り道。
連日の残業で疲れた身体は、自然と駅とは反対方向へと向かう。
少し歩いて、路地を一本入った住宅街。
ほどなくして目的地の店・・・・・と、そこまで来たところである事を思い出した。
「あ・・そういえば、今日、確かお休み・・・」
ピタリと足を止めて、すっかりそれを忘れていた自分を呪う。
今日はマスターの都合で休むと、先日言っていたのだ。
・・・・・がっかり。
でもここまで来てしまったから、とりあえず確認だけしてみよう。
やっぱり、開いてないかな・・・・
落胆する気持ちを隠して最後の角を曲がると、見慣れた灯りが目についた。
「え・・・・やってる・・・」
嬉しいようなほっとしたような。自然と顔が綻んで早足になってしまう。
サインボードのライトがついていることを再度確認してから、現実空間との隔てのような重い木製のドアをそっと開けた。
いつしか、ここに来ないと一日が終わらない気がするようになっていた。
少しアンティークで、昼間は喫茶店も兼ねているこのバーは、私のお気に入りの場所なのだ。
店に入ると、「彼」は奥にある年代物のビリヤード台に浅く腰掛け、常連の男性客と談笑しているところだった。
私の姿を見止めると、体を起こしてこちらに歩いてくる。
「こんばんは、斎藤さん。」
「・・・ああ、いらっしゃい。」
ほの暗い店の照明ではうっかり見逃してしまうほど微かに、でも確かに微笑んで、私を出迎えてくれる。
細面の綺麗な顔にかかる長い前髪を、すらりと伸びた指が掻き上げた。
手前のテーブル席にバッグを置きながら、おしぼりを持ってきてくれた彼に尋ねる。
「今日お休みじゃなかったんですね」
「ああ、その予定だったが急きょ開けた。・・・まぁ、臨時休業だと知らせていたから、客の入りはこんなもんだが」
店内には、先程彼と話していた常連客が1人とカップルが一組、連れ立った男性客が3人。
椅子に座り、暖かいおしぼりを受け取りながら、ズブロッカのソーダ割りを頼む。
「・・・いつもの、だな?」
今度は先ほどよりもはっきりと口元に笑みを浮かべて、斎藤さんがカウンターの中へと戻っていく。
胸の奥がほんのり暖かくなるような居心地の良さを感じた。
すぐに運ばれてきたズブロッカのソーダ割りを飲み干し一息ついた頃だった。
「千鶴」
穏やかな低い声で、カウンターの中から私を呼ぶ斎藤さん。
なんだろう?呼ばれるまま斎藤さんのところまで行ってみる。
「まだ、時間は大丈夫か?」
「え、あ、はい。大丈夫です。」
「・・・そうか。なら、手伝って貰いたいことがあるんだが・・・」
「いいですよ。なんでしょう」
手伝って貰いたい、と言われた私は・・・微かに舞い上がる気持ちを隠しながら笑顔で応えた。
その内容というのは、夏の新作のカクテルの試飲だった。
4種類の候補の中から2つをメニューに加えたいが、参考意見を聞かせてほしい、と・・・
斎藤さんが考えたというカクテルはどれもきれいで、美味しくて・・・甲乙つけがたかったけれど。
二人でこれはこう、こっちはこう・・・なんて言葉を交わしながら過ごす時間がとても楽しくて・・・ついつい時間を過ごしてしまっていた。
「・・・そういえば、時間は大丈夫か?・・・終電は・・・」
その言葉にはっとして時計を見ると―――時計の針は無常にもすでに最後の電車が出てしまった時間を指している。
「・・・・あ!!・・・・終電、逃しちゃいまし、た・・・」
「す、すまん。・・・俺のせいだな、悪いことをした」
少し目を見開いて、申し訳なさそうに慌てる斎藤さんを見て、思わずクスリと笑う。
「いいえ、そんなこと!
つい美味しくて、楽しくて。・・・ふふ。時間を忘れちゃいましたね」
その時、店の電話が鳴った。
厨房の方から聞こえる。
店には回線が2つ引いてあり、こちらの電話はオーナーや仕事関係の連絡専用電話だ。
「・・・すまん、少し、外す」
そう言って、奥へと消える背中。
カウンターの上の熱帯魚のような綺麗なカクテルをまた一口含んで、さてどうやって帰ろうかと思案し始めたところでふと思い出す。
やだ、そう言えば、私。バッグをテーブル席に置いたままだった・・・
仕事の電話とか入ってたりしてないだろうか・・・
フロアに戻り、バッグから携帯を取り出して開いた時、何かの気配が動いた。
奥のテーブル席に陣取っていた3人の男性客がすぐ後ろに立っている。
そしてゆっくりと、私を通り過ぎ・・・すぐ隣のテーブル席に座ったのだ。
体格のいい彼らに小さく驚き、その行動の意味が解らなかった私は・・・バッグを掴んで彼らから離れようとする。
その時だった。
彼らの誰かが、仲間の誰かに耳打ちする囁き声が聞こえた。
あれが、斎藤一か―――
弾かれたように私がその声の主に視線を向けると。
3人が3人とも、私を見ていた。
「・・・こんばんは、お姉さん。
斎藤くんは、随分と君がお気に入りのご様子だね・・・?
仲が、いいんだねぇ」
低い、低い、這うような口調。
繊細なカットグラスに似つかわしくない鍛え上げられた腕。
浪士のような鋭い眼差し。
何より―――さっきの言葉―――『あれが、斎藤一か』。
私の身体中に、警戒音が鳴り響いた。
バッグを胸に抱え込み、ゆっくりその場を離れる私を、値踏みするように見据える6つの獰猛な瞳。
嫌な鼓動が、駆け巡った。
まずい、かもしれない・・・!
男たちは席を立つ様子こそ無いが、何かしら事を起こしそうな剣呑とした殺気を放ち始めている。
カウンターに戻ると、斎藤さんが奥から姿を現したところだった。
「―――どうした、千鶴・・・?」
私の異変を感じ取った斎藤さんが、表情を険しくするのと同時に、寄り添ってそっと囁いた。
「・・・斎藤さん、落ち着いてください。―――落ち着いて聞いて」
言いながら、この人は決して取り乱したりしないだろうと、むしろ取り乱しているのは自分で、まるで自分に言い聞かせているようだと・・・感じた。
「―――何用だ」
初めて耳にする、低い殺気の籠った、斎藤さんの声。
その声と、途端に発せられた彼の僅かな気配の変化に・・・
彼らが仕掛けてきたのだと、理解した―――
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という、夢を見ました。
(私の代理:千鶴ちゃん)
まさかの途中で起きちまったのかよ・・・!!!
続きはどうなったんだよ・・・!!!!
多分、設定として。斎藤さんは裏の仕事か何かをしてる人なのです。
その関係で得体の知れない男たちに何かされそうになってるんですね!
何かって一体何だったのさ!!
あーーーー続きが気になる!!!
てことで、今更ですがこんばんみ。
週のアタマに発熱した娘が、やはりインフルでございました。げふっ
今のところアタシは無事な感じですが、こればかりは分かりません。
ああ~やだよーーー発熱はもうヤダよーーーー
ただでさえ頭ガンガンするのに、インフルとかなったらもう割れる。割れてしまう。割れて花が咲く。
無事に乗り切り隊ものです。
皆様もどうぞお気をつけください。手洗いうがい、忘れずに。
そんだもんで、今週は絵なんて全然描けてないんですが
最近、厚塗り練習中してたりしました。
厚塗りというか、加筆というか?
やり方よく解んないので、テケトーにいい感じにできたらいいな~って感じなんですけどね。。
総司くんのクチビル。
でもって、「みっちゃん」の画風で幼稚園の先生の似顔絵を同時進行で描いております。
アメ様はご存知ですね。w
まぁ要は、全く萌え要素のナイ、3次元のチビキャラでございもす。w
そういえば、ザッキが途中で放置プレイされてたのも思い出す。←
近々仕上げられたらいいな。がんばろ。
そういえば、鬼灯の冷徹始まりましたな。激しく今更だけど。
新しいアニメはまず耳かっぽじって御声チェックから入るんですが。
こ、これは・・・
遊佐さんじゃありませんか!!!
そしてそして
あんげんさんキターーーーーーーー!!!!!!
ヤダちょっと
相変わらずいい御声で腰にキます。
耳福です。
ぜひイヤホン装着で聞き惚れたいものです・・・!
そんな感じで毎回悶えて観ていますよ@旦那の前