そんな訳で、ってどんな訳でもなく大学を

卒業しますね、すると普通就職する訳で、

つまり普通の学生さんは4年生、いやもう

当時から3年生で就職活動をしていたのです。

一方私はと言うと、

サークルのトロンボーンのメンバーが足りず、

4年生なのに就職活動そっちのけ、

おまけに学業もそっちのけで

ジャズにのめり込もうとしていたのです。

バカですねえ、

世の中どんだけの天才でないと

プロのミュージシャンなんか目指せる訳もないと言うのに。

まあ大学生活の4年目は、

体調不良が自分のうちで顕著になってきたことも

あり、女の人に拾われたり捨てられたり、

これは関係ないか。

とにかく余裕と言うものの感じられない、

何か追い詰められたような気分で

過ごしていました。

結局最後は学内の就職課というところの

お世話になり、中堅の金融機関に就職することになるのです。

ところで私の人生を随分なものにしてくれた

この病気、若年生のパーキンソン病ということが

ハッキリするのはまだ先のことなのですが、

昔はこの病気には4つの特徴的な症状があると

言われてきました。

今は、症状は人それぞれに多様なものとされていますが、まあ、昔は昔ですから。

で、珍しいパターンと言えると思うのですが、私の場合は筋固縮、というやつから入ったようなのです。

なぜそんなことが言えるかというと、

トロンボーンという楽器をやっていたからです。

金管楽器なんですが、

こういう楽器は、体全体の力を抜いて、

息をたっぷり一瞬で吸い込み、後は

余裕を持って自分のたっぷりの息で

吐き出しながら歌ってやれば、

太くて倍音をたくさん含んだ、

ある種とても心地よい音色で吹けるものなのです。

ところが当時の私は、どうやら胸郭を中心に

硬くなり始め、呼吸に非常に大きな負担が

かかっていたようです。

情けない演奏しかできなくなり、

楽器をやる人間にとって

こんなに残酷な病気はないな、とわかるのは

だいぶ後になってからのことです。

だいぶ寄り道をしましたが、次回から

社会人パーキンソン病になる、というお話です。