優しさに触れることより、愛想を振りまくことでずっとやってきた。
たぶん何かに脅えてたんだろう。
大切なものが多すぎて見放されそうになっていく。
何が欲しいって、この街の全部がいい。

でも結局行きつく答えはそれまでの道で
元々全てが手に入らないならば、後悔はない。
人知れず自分を守るだけでなんとか持ちそうだ。

ホームに帰れば眠るだけ。
でもここだって仮の宿で、本当のホームなんてまだ知らない。

誰かのことを忘れてしまうくらいなら、いっそみんなに忘れられてしまった方が、、、
と楽な方にまた逃げようとする。

簡単に手に入るものなんて欲しくなかった。
伝え続けることが俺たちのミッションならば、
両手からあふれ出てくるギフトを、どうにか失わないようにする滑稽な姿が俺の姿なのかもしれない。
ただ、よく見てくれれば俺が単に失わないようにしてるんじゃないってことは分かってもらえるはずだ。
こぼれ落ちそうな何かはその瞬間も変わり続けて、だからこそ俺はみっともない姿をさらけ出す。
色の変わらないビー玉なんか拾う気にならない。