バーテンダーは働く者の貴族だ  ダグラス・コグラン

仮にもバーテンダーの端くれの俺だけど、ロスカボスへ行って初めてバーの楽しみ方を知った気がする。もちろん客商売だからそんなものに答えなんてあるはずはないんだけど、ビールしか飲めなかった俺の楽しみ方を少し見つけることが出来た。それは何よりここで出会ったバーと、そこにいたバーテンダーたちのおかげだ。率直に感じたのは日本のバー業界はコンサバティブ過ぎる。それは日本人があまりカクテルを好まないことに起因するのだと思う。なぜなら日本でバーというと連想されるのはエグゼクティブなものであり、シティホテルのラウンジ・バーという最高級のバーが代表されてしまうからだ。最近こそスポーツバーやダーツバーなどバリエーションが出来ることによって「バー」というものは増えたけど、まだまだバーというと身構えてしまう響きだ。だからカクテルに関するリテラシーは低い。人々がマティーニの名前を知っててもベースのスピリッツ(ジン)を知らないのは、業界の責任であるとハッキリ言える。メキシコのような酒の楽しみ方を広めるためにはバーテンダーが貴族のままではいけないのかもしれない。

またミッションが増えた。