先週から秋冬コレクション新作の入荷が多くなってきました。
ウェブストア未掲載の作品が溜ってきたので公開を始めたいと思います。
本日公開を開始するのは下記のブランドになります。
流石にまだ7月になったばかり、アウター類の入荷はありませんが、
シューズやバッグなど季節を問わないものはこの時期だからこそ、
集中しやすく、少し回転も早くなります。
各ブランドすべてアトリエでの手づくりとなり、製作には時間も要します。
実質、今年度では最後の入荷となるものがほとんどとなりますので
興味のある作品が御座いましたら、ゆっくりと吟味して頂ければと思います。
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手づくりでしか表現出来ない味わい深さ、
歪なバランスの上に成り立つ独特の美的感覚からは
デザイナーの造形センスや拘りを強く感じます。
今回も陰影を伴う絶妙な配色でラインアップを揃えました。
黒い服の雰囲気を壊すことなく、趣のある色の重なりを作り出します。
[ Shoes ]
A DICIANNOVEVENTITRE A1923 DERBY SHOES / CANGURO OILED
Price / ¥Open Price (*販売開始はお問合せ下さいませ。)
Size / 42
Color / Grey
Material / Kangaroo
A1923の代名詞ともいえるダービーシューズ。
今回は先端のシェイプをラウンドさせた型をセレクトしました。
ギラついた決め込み感がなく、気負うことなく履けるナチュラルなフォルムとなります。
デザインに特に突飛な点はなく、王道を地で行くダービーシューズ。
だからこそ、甲を低く設定して薄くしならせる部分と
逆にボリュームを出して安定感を持たせる部分とのメリハリを効かせた
シルエットの良さが際立ちます。
特に内角のしなりの効いたラインが全体的な洗練味を生み出して
このブランドのシューズ特有のオーラのようなものを作り出しています。
鉄を思わせる鈍い色合いのグレー。
爽やかでもありませんが、汚い色みでもありません。
本当に形容しがたい色の表現力に満ちたブランドだと思います。
革は種類によって同じ色でも染めた時の発色感が変わります。
今回セレクトしたカンガルーレザーは特に陰影感が良く出ていると思います。
ホースやカーフとは繊維の質がまた異なり、軽量で尚且つ頑丈さが魅力の革となります。
前回はリバースでやりましたが、今回は直球の表革のオイル仕上げを採用しています。
外側だけでなく、内側、中身、底のすべてが革で出来ています。
短靴の中でもクラシカルで雰囲気は少し重厚感もあります。
夏だけ軽く履くというよりは季節を問わず足元をしっかりと固めてくれる相棒のような
存在として合わせて頂きたいと思っています。
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アンクルカットのレースアップブーツ。
ベースを革一枚から製作したほとんどワンピース裁断の作品です。
[ Shoes ]
A DICIANNOVEVENTITRE A1923 ANKLE BOOTS / CAVALLO OILED
Price / ¥Open Price (*販売開始はお問合せ下さいませ。)
Size / 42
Color / White
Material / Horse
くるぶしより少し上にくる絶妙な高さのアンクルカット。
この丈感では合わないパンツがないと言えるくらいバリエーションが取れます。
また、短靴のように脚の出る面積が多くなるのが苦手な方にもお奨めです。
引き算の美学というのでしょうか。
この少し足りないくらいのシャフトの長さがこの靴の素晴らしいバランス感を成立させています。
本体と羽根にあたる部分がすべて一枚で繋がっています。
最初は平面的な形状の革を型に合わせて引っ張りながら靴の形をつくります。
量産に不向きな作業ですが、機械でポコポコと量産してしまうよりも
確実に靴として別格の雰囲気を持つようになります。
短靴と同様にボリュームを出す部分と薄くする部分のメリハリを効かせた造形。
ボテっとしているようでそれだけではない特有のフォルムとなります。
側面からみた反り上がりと甲の曲線からはどことなしに色気のようなものを感じます。
"ほぼ一枚裁断"というのには理由があり、
タンの部分に別で裁断した革をあてがい、
シューズの口を開けた際にはアコーディオンのように
ガバっと開くように作られています。
今まで滅多にセレクトしてこなかったホワイト系のレザー。
純白とは程遠い独特の焼けたような質感が魅力的な色合いです。
コーディネートに映える濃く煮詰めたミルクのような色合いの革に
製作段階で使用する塗料や薬剤などを自然に付着させた汚しの加工が入ります。
日本のモノづくりであれば"汚れ"とみなして洗浄、もしくは製作段階で
付着しないような工程を用いるのですが、こういった作り方を自然に出来るのが
海外、特にイタリアのデザイナーの感性なのでしょうか。
同じ工程でどれだけ似せても紙一重の違いがあって真似できない要素でもあります。
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上記ブーツの色違い、表記はFANGO、泥の様な風合いを表現しています。
[ Shoes ]
A DICIANNOVEVENTITRE A1923 ANKLE BOOTS / CAVALLO OILED
Price / ¥Open Price (*販売開始はお問合せ下さいませ。)
Size / 41,42
Color / Fango
Material / Horse
グレーでもカーキでもブラウンでも絶妙な発色。
恐らく、まったく同じ色をもう一度作ることは不可能に近いように思えます。
そういった一面も含めてこのブランドの魅力を凝縮したような一足ではないでしょうか。
A1923らしいゴツゴツしたテクスチャー感のあるホースレザー。
実際に履くとそこまで硬くはありませんが、ガサっとした風合いで
どことなく硬さを持つような表情の革は足元から力強く存在感を示します。
表革特有の吟面の艶を削ぎ落とし、
ひたすらに鈍く重みのある質感を表現。
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シューズ自体のシルエットにはくびれをともなう色気があります。
無骨な男性的な力強さ、女性的な線の美しさ、どちらも内包するのが
A1923のシューズの魅力であると思います。
シューレースはナチュラルカラーを汚して色入れしたものを使用。
手作業で張り、積み重ねた革の靴底。
デザイナー自身で釘を打ち、腐食加工も行います。
錆の風合いは斑感の強いレザーとの相性も良くなります。
※A1923の作品はすべてオープンプライス(¥0表記になります。)
販売価格の方はお手数ですが、お問合せ下さいませ。
TEL / 06-6534-1630
MAIL / info@loom-osaka.com
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Leon Emanuel Blanckのブーツの製作などで知られるようになったギリシャの歴史あるファクトリーブランド。
独創性の強いレオンのレザーシューズとは反対にコレクションラインではクラシカルな作品を提案。
10年、20年先を視野に入れた大人のスタンダードを最上級にクラスアップしたようなレザーシューズを製作。
現在は二代目がファクトリーを牽引し、伝統とファッションを密にリンクしたモノづくりを追求しています。
先代の時代は皇族に支給される靴の製作などにも携わった歴史あるシューズアトリエを持っています。
今シーズンはその伝統的なモノづくりの魅力を凝縮したクラシカルなダービーシューズをオーダー。
[ Shoes ]
DIMISSIANOS & MILLER derby classic #374
Price / ¥168,480 - (in tax)
Size / 41,42
Color / Black
Material / Horse Leather (Cordovan)
LOOMで取り扱うレザーシューズの中でも特別にクラシックな雰囲気でセレクトしました。
遊び心があったり、既存の枠組みから大きくはみ出したり、そういった"異端"な要素は大好きですが、
今回のDimissianosではあえてそういった要素とは反対の普遍的な面を突き詰めています。
大人としてどんな場面に履けるような革靴をとことん突き詰めて製作したモノになります。
黒の中の黒。深く光を吸い込みようなブラックのホースバット・フルグレイン。
コードバン層を含む馬の中でも希少な部位から採取しています。
しっとりと濡れているような深みのある艶があります。
艶出しの薬品を縫ったりしたものではなく、
馬の臀部の表面の革本来の肌理の細かさを活かした製法ゆえの品の良さがあります。
ヒールは綿密に積み上げて重厚に作り込んでいます。
上着を着たり、最近の主流でもあるオーバーサイズの着こなしにも
埋没しな存在感、オーラを持った靴の雰囲気を確立しています。
アウトソールは上品なアッパーとは打って変わって荒々しいバッファローソールを使用。
これはDimissianosでは一貫して使われているものになります。
緻密な造形から繊細なイメージが先行する作品ですが、
天然の革を使ったハンドクラフトらしい一面も備えています。
店頭ではゴムソールを滑り止めとして貼ることをお勧めしているのですが、
上から貼るのがもったいないくらい靴底の表情も秀逸です。
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上記の色違い、リバース面からラフアウトでコードバン層を出したナチュラルカラー。
酸化させることで独特の色斑を表現しています。
[ Shoes ]
DIMISSIANOS & MILLER derby classic #374
Price / ¥168,480 - (in tax)
Size / 41,42
Color / Brown
Material / Horse Leather (Cordovan)
コードバン層のある部位とそうでない部位で質感が大きく変わり、
グラデーションのように表情が変化するのが魅力のレザーです。
しっとりと艶みを帯びる部位から毛羽立ちを潰してマットになった部位まで、
靴全体をぐるっと見回すと馬の皮膚感が伝わる様な感じがします。
余計な手を加えずに生のコードバンの魅力を凝縮しています。
焼けたような風合いは酸化したタンニンの成分からなるモノ。
表記はブラウンですが、単なる茶色には程遠く、正直何と言って良いか分かりません。
クラシカルなフォルムを良い具合にカジュアルダウンさせた雰囲気となります。
ラフな着合わせやブラックの服装の中に一点色を入れたりとファッション的な面では
確実に使いやすく感じる色合いになるのではないでしょうか。
この辺りの生々しい部位は革好きにはたまらないのではと思います。
バッファローの分厚い革をそのまま一枚のソールにしています。
型崩れしないように硬く、頑丈に仕上げていますが、
履いて地面を踏んだ時の何ともいえない負荷を逃し、靴に支えられているような感覚があります。
歩きやすく、負担の少ないレザーシューズとして仕上げられています。
少し山形に中央が盛り上がるような造形で負担を分散させています。
裏面の造形も良さにも惚れ惚れします。
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最後にESDEの新作を紹介致します。
ドイツを拠点にヨーロッパのタンナーのレザーを使ったハンドメイドアイテムを製作。
小物メインですが、スマートなサイズ感で重厚な存在感を発揮する作品をセレクト致しました。
[ Bag ]
Price / ¥81,000 - (in tax)
Size / Free
Color / Black
Material / Cow Leather
折り紙の容量で折り返してスクエア型に特徴的な
線の構築感を持たせた小型のショルダーバッグです。
ストラップとして使用するベルトは端に縫い付けるのではなく、
本体にぐるっと通して繋げるようにデザインされています。
最低限に荷物を手ぶらでスマートに持ち運ぶサイズ感、
ベルトの長さは自在に調整出来るのでだらんと垂らしたり、
身体に密着させたりと用途や服装に合わせて自由に遊べます。
留め具を外すと折り返しが解除されて本来の形に戻ります。
2WAY BAGとしても使える面白い工夫がされた作品です。
ストラップベルトの先端にはESDEの刻印がさりげなく入ります。
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[ Belt ]
Price / ¥27,000 - (in tax)
Size / Free
Color / Black
Material / Cow Leather
先端を垂らして使うタイプのナローベルト。
革の厚みや金属の重厚感があるので華奢なアクセサリーの印象がなく、
ナローベルトの割にしっかりと存在感を主張します。
リアルな経年変化を感じさせるアンティーク調のメタルパーツや
重厚なヨーロッパータンナーによるショルダーレザーの風合いの強さが魅力です。
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ESDEの特徴である極力、ミシンを使わずに手縫いで仕上げたウォレット。
普段使いに丁度良いロングと片手で持ちやすいショートの2TYPE。
[ Wallet ]
Price / ¥76,140 - (in tax)
Size / Free
Color / Black
Material / Cow Leather
非常に肉厚で頑健なドイツタンナーによるカウレザー。
フルベジタブルタンニンの革そのままのがっちりと硬く、
ギュギュっと革が鳴く生の革の質感をしっかりと出した素材を
ハンドステッチのみで縫製しています。
というよりミシンで縫うのが難しい部類の革といえます。
手で着実に、がっちりと縫い固められます。
パーツは基本的に点留めでミニマルな雰囲気が強い仕上がりに。
使い込むことで非常に味わい深くなり、柔軟性も出てくるとのことですが、
現状、人づてに聞いた情報ですので一つ自分で実証してみたくもあります(笑
革製品ですが、どことなく工業製品のようながっちり感を感じます。
こういった堅牢度の高いモノを人の手でミニマルに作り上げるのがESDEの魅力であると思います。
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[ Wallet ]
ESDE Der Ordener Short Wallet #2
Price / ¥64,800 - (in tax)
Size / Free
Color / Black
Material / Cow Leather
ユーロ圏では重宝されているサイズのようですが、
日本ではあまり馴染みのないサイズ感のウォレットです。
ロングタイプの方が無難かもしれませんが、
財布をよりコンパクトに纏めたい方には断然、こちらがお奨めです。
若干の調整を経た#2モデル(外見はほとんど変わりないですが。)
価格が少し買いやすくなりました。
コートのポケットなどに入れることが出来て取り扱いやすい財布が欲しくて
このサイズ感かなと思って目をつけております(笑
今日はかなり長くなってしまいましたが、
ブログと合わせて掲載したモノをオンライン上に公開していきたいともいます。
是非、ご検討下さいませ。
それでは本日はこの辺りで失礼致します。
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