この土日、美容皮膚科学会が開催中です
少し前まで京都にいくかどうか、迷ってましたが、
オンラインで参加することにしました。
朝から、赤ちゃんのスキンケアやご高齢の方のスキンケア、ニキビ治療(とくに経口イソトレチノインのこと)、老化が疾患として定義されることになったこと、、、
などを学びました
アウトプットしないと、自分の中に定着しないので、
すこし内容に触れますね。
経口イソトレチノインというのは、重症のニキビの治療薬(のみぐすり)です。当院では、ロアキュタン、またはイソトロイン)という薬の名前です。
この薬の、海外での位置付けと、
日本でのこれからのことが
今回の学会で話されていました。
海外では、日本よりも、
昔からよく使用されていると聞いています。
しかしこれは、飲むことで、もしも妊娠した場合に赤ちゃんに奇形が生じる可能性がある薬です。
これについて、海外では日本よりもきちんと管理されているそうです。
この薬を飲む人は、国で統一された登録機関に情報を登録しなければならないし、医者も薬局も登録しないと出せない。
妊娠検査の義務づけや経口避妊薬の使用もほぼ義務づけ、という状況のようです。
https://www.ipledgeprogram.com/iPledgeUI/home.u
アメリカでもヨーロッパでも、
似たようなシステムのようですね。
これは、初めて知りました。
日本では美容皮膚科や美容外科で処方されているのですが、避妊についてはここまでの義務づけにはなっていないと思います。
しかも、個人輸入という言葉で、
クリニック以外の方法(インターネット)でも
手に入るのが日本の現状です。
ダメですよ、素人が勝手に買うのはダメです。!
厚生省からも公式に注意喚起がでています。
ちゃんと医師が適応をわかって
「ただしく怖がる、
ただしく使う、」
が大事だと思うんですよね。
海外のガイドラインにも
「まずは、スタンダードな塗り薬治療をして、それでもダメな時に経口イソトレチノインを」という内容が書かれています。(ただし、かなり重症の膿腫タイプには最初から、ということもあり得ます)
経口イソトレチノイン(ロアキュタンやイソトロイン)
これは、本当にニキビによく効く薬です。
適応を選んで処方すると、とっても助かる人が増えます。でも、やはり妊娠に気をつけないといけません。
赤ちゃんに奇形が出る可能性のある薬です。
それからメンタルの変化にも気をつける薬です。
(鬱傾向になることがあります。)
私もニキビ重症の方に処方していますが、
妊娠可能年齢の女性の全例で禁忌にさえ当てはまらなければ、経口避妊薬(マーベロン)を同時処方しています。
まとめて渡すことはせず、必ず月に一度来院してもらっているのは、メンタル的にも心配しているからです。
(今のところ鬱状態になった人はわたしの患者様のなかではみたことがありません。ニキビが治ることでメンタルが安定してむしろ元気になる方の方が多い印象です)
このお薬、実はすでに
学会から厚生省に対して「早期に臨床研究できるように認めてください」という要望書が提出されています。
つまり、もしかすると、今後は日本国内で研究が行われて、いつかはもっと広く使われるようになっていくかもしれないということです。
それはすっごく嬉しいこと!!
ニキビの治療はとにかく一番大切なのは外用薬(塗り薬)です。でも、この経口イソトレチノイン(ロアキュタンやイソトロイン)じゃないと治せないニキビの方も
必ず一定数います。
これから、まだまだ
世界的なスタンダードに近づいていく余地のある
日本のニキビ治療。
日本のニキビ保険診療に足りないものは、ホルモン治療と、アゼライン酸と、この経口イソトレチノインです。
日本と海外のガイドラインを見比べるとそれが一目瞭然です。
レーザーも大事ですが、わたしは、
これらの飲み薬こそが
ニキビの原因に働きかける大事な治療方法だと
思っています。
こうして経口イソトレチノインが
大きな学会で話題に上がるというのは、
とても大きな流れの変化なんじゃないかな!と思い、
これからのニキビ治療の進歩に期待が膨らみました
1日目の学会の最後には、なんと
藤原紀香さんが登場!
↑公式ブログのトップ画像。
画面越しではあるけど、
ライブ中継でトークショーが見れて大満足
はーーー、でも行って、直接見たかったなぁ〜〜〜
その感想は、次回、、、♡
Dr.Moeでした!