昔のツーリング日記を書き起こしています。

特に意識はしていなかったけど、私の人生初の一人旅でもあります。

 

最初から読みたい方はこちらからどうぞ↓

 

 

 

それでは、ここから日記の本文です。あと、写真は全てイメージです。

 

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1986年9月14日(日)

 

8:15 頃、那須高原YHを出発。メーターは460㎞。

 

10分ほどのところに南ヶ丘牧場があり、ユーコに会う。

 

 

ユーコは高山花を販売していた。

 

牧場内を少し見学させてもらってから11:30 に出発。

ユーコがお土産に「ロシア風黒パン」をくれた。私の顔の二倍はある1.3Kgのずっしりと重いパンだ。

ユーコちゃん!ありがとう!!

 

バイクに乗っていて一番疲れるのが首。降りた時はふくらはぎ。それ以外は元気だ。

 

会津に向かう道中は立体感のある田園風景。

峠を三つ四つ超える。晴れていたからヨカッタ!

 

お昼はこのパンにしようと思って食べる場所を探すうちに会津の里YHに着く。15:30、早いナァー。

 

 

ここのペアレント(㊟YHの管理者のこと)のオッチャン、オバチャンは全くのホーニン主義だ。食事は出さないが自炊もできない。はては買ってきた食料を入れる冷蔵庫さえも無い。○○しても良いですか?とか○○はどうしますか?と聞いても、みーんなカッテニシロみたいな返事。

部屋のポスターには「世界中の若人の宿」と書かれてるけど、このままじゃあダメだよ会津の里。

 

スーパーで買ってきた食料を食べようと思ったが、同じ宿の仲間に誘われて外に行く。この辺りはラーメンが名物なのだそうだ。結構しっかりした太い麺で、初めての食感。変わってるけどすごく美味しい。

 

 

宿のミーティングの時にこの近くにある喜多方が蔵の町として有名だと聞いた。

 

あした行こう。

 

1986年9月15日(月)

 

YHの少し先にある三津谷集落のレンガ蔵杉山集落の蔵並みを見に行く。喜多方に戻って今度は鳴海屋というかなり古い手作り駄菓子のお店に行く。(そこのご主人は18代目なのだそうだ)

 

 

黒糖パンを買って、10:30に仙台に向かって出発。メーターは626,6㎞。

 

今日は少し遠いし、山越えもあるのでがんばらなくては。

朝から少し霧が出ていて雨が心配だ。

 

土湯峠は思ったより道がちゃんとしていたので良かった。とにかく安全運転を心がける。特に徐行の標識は必ず守る。でもマナーの悪いやつ(へんなバイクに多い)がいるので怖い。

 

どんどん登って一つのカーブを抜けたら...

 

突然紅葉が目に飛び込んできた。山の上はもう秋が始まっている。

 

 

なんとか峠を越えたら今度は下りだ。コロコロと転がしていれば良い分ラクだな。

それにしても空気がほんっとに冷たい。寒くはないけど冷たいの。

 

やっと福島市の看板が見えてきた。これでひと安心。空気がポカポカあったかくて気持ちいい。

 

少し雨が降ってきたナァー。

 

雨合羽をはおって少し進んだら本格的に降り出した。荷物をビニールで包む。今まで夜や早朝にはよく降っていたけど、走っている時にこれだけ降られたのは初めてだ。気をつけなきゃ。

 

仙台まであと50㎞の看板が出てきた時、一瞬ズルっとスリップする。

何とか立て直そうとしたら、まるで後輪のネジが外れたようなグラグラした感じがする。パンク?と思ってすぐに路肩に停めたら、たしかに...!!ペッタンコ!!

 

あーどーしよー

 

雨はザーザー、人家は全くなし。

その上、通り掛かる車もいない!

 

途方に暮れるとはこういう事か...

 

と、感心しつつとにかく誰かが通り掛かるのを待つ。

 

しばらくして遠くからバイクの音。

ヤッターと思ったが、5、6人の集団は黒いシールドの怖そうなおにーさん達。

慌てて荷物を直すフリをする。

 

一分後くらいにまたバイクが。やった!今度はオフロードのお兄さんだ。

おーいと叫んで大きく手を振る。オフの兄さんはにっこり笑ってピースサイン。

 

ちがう!ってのにー!!

 

ジャンパーを振り回す。このチャンスを逃す訳にはいかない。

兄さんも不思議そうな顔をしつつかなり先の方で停まってくれた。すると兄さんのお仲間らしきバイクが2、3台とバンも一台停まる。

 

どーしたんスかあ~?

 

すみませーん、パンクしちゃってー

 

おーこりゃダメだ。押して歩くのもナンギだろ?

 

...という訳でカブタローをバンに入れてくれた!

 

仙台に向かっていると言ったら、兄さんたちも仙台の人たちで一緒に乗せて行ってくれると言う。

 

ありがとう!!

 

彼らも今日猪苗代湖へ遊びに行った帰りだと。そして私の隣に座っていた人はあの恐怖の土湯峠でコケてしまったのだそうだ。

 

ゆっくりゆっくり降りて行ったんだけどねぇ...ゆっくりコケちゃったんだよ。

 

破けたジーパンの膝から滲んだ血が痛々しかった。

 

今夜は仙台道中庵YHに泊まると言ったら、YHに近いバイク屋で降ろしてくれると言う。それもわざわざ一旦YHの前まで行って「YHはここだからね」と教えてからホンダの修理工場へ行ってくれたのだよ。カンゲキ!!

 

バイクを降ろして(それも降ろす時にカブタローがカセットケースをバリバリ潰しちゃったんだよ、ほんとにゴメン!!)

 

じゃ、気を付けて旅を続けてね!

 

と風のように立ち去ろうとしたので無理やり住所を聞き出しだして、

 

必ずお礼をしますからね!

 

って言ってさよならした。

 

パンクは30分くらいでなおった。

修理のオジサンはとても明るい人で、

 

オメー品川がらパンク引きずって来たんだべが~

わっはっは~

 

と大きく笑った。

 

YH の場所を教えてもらっていたので全く迷わずに着けた。(そうでなかったらかなり入り組んでいたので随分迷っただろうな...)

 

 

道中庵YHは建物もペアレントさんも泊り客も全部が良かった!良い人ばかりで建物も年代物でとても味わいがある。

くつろげるよ。

 

 

早めに寝なきゃ。

 

明日は今年初めての海を見に行くんだ。

 

 
続きます