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きょうは、
東松島市宮戸島で行われた江ノ浜貝塚の発掘調査現地説明会に行ってきました。

遺跡は海のそば、入り江に面して広がっています。

今回の発掘調査は、被災した防潮堤の復旧工事に伴うもので、
平安時代の製塩炉や製塩土器、9世紀代の土器や漁労具などが出土しました。

当日は快晴。
アクセスのなかなか難しい場所でしたが、30人ほどの方が集まりました。
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製塩炉は3か所で見つかっており、一緒に出土した土器から、平安時代初め頃(9世紀)のものと推定されています。

炉は石組みのものと漆喰状の練り物で造られたものがありました。

炉の周辺からは、塩づくりに利用された土器がたくさん出土しています。

2枚目の写真は、1号炉(漆喰状練り物炉)周辺の状況です。
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炉やその周辺の土からは、海藻に付着するウズマキゴカイの焼けたものが多く見つかりました。

古歌に詠われた「藻塩」のような技術によって塩づくりが行われたことが伺えます。

3枚目の写真は、2号炉(石組み炉)の様子。
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こちらは出土遺物の説明の様子。

製塩関係の資料のほか、石帯(役人の腰帯の飾り)や卜骨(吉凶の占いに用いられた骨)など、通常は官衙等から出土する遺物も見つかり、多賀城との関連が推定されています。

松島湾沿岸では多くの製塩遺跡がみつかっていますが、その多くが小さな浜での小規模なものです。
江ノ浜貝塚は、それらよりも比較的規模が大きく、官衙関連の遺物も出土していることから、多賀城向けに湾岸部で行われた塩づくりの中核的な施設があった可能性が推測されています。


遺跡からは、内湾の穏やかな海が見渡せます。

淡路島 松帆の浦に 朝なぎに 玉藻刈りつつ 夕なぎに 藻塩焼きつつ 海人をとめ
(笠金村『万葉集』6-935部分)

この松島湾でも、風になびく塩焼きの煙が空に立ちのぼっていたのでしょうか。
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【参考文献】
東松島市教育委員会 2015 「東松島市江ノ浜貝塚発掘調査現地説明会資料」