
きのうは、 宮城県北部の栗原市で開催された、 国史跡の伊治城跡第43次発掘調査現地説明会に行ってきました。 当日は良い天気でしたが、 やはり寒かったです。

伊治城跡は、奈良時代に古代国家が東北地方進出のために設置した城柵とよばれる施設の一つです。 お城としての軍事的役割と、お役所としての行政的役割の両方を兼ねて地域支配にあたりました。 今回の調査は、伊治城跡の中心部、 政庁の外側に広がる内郭の北西部分を対象に行われました。 上の写真で横方向の黒い長方形の線で囲まれた部分が、今回調査された部分です。 過去の調査では、このあたりに掘立柱建物が並ぶ官衙域が想定されています。

こちらは、内郭の中でも政庁の北側にあたる部分。 部分的な調査なので写真だとわかりづらいですが、ここでは大型の竪穴住居跡がみつかりました。 全体の大きさは、東西8.2m、南北5.6m以上。 床面で焼けた面が4か所確認されていることから、工房だった可能性があるそうです。

こちらは、官衙域を構成する建物の一つとみられる、大型の掘立柱建物跡です。 桁行5間以上(総長15以上)、梁行2間以上(総長6m以上)の規模があります。 780年(宝亀11年)に起こった伊治公呰麻呂の乱による火災以前に存在した建物です。

こちらは、今回の発掘の出土遺物。 調査員の方が右手に持っているものが、今回の出土品です。 左手に持っているものは、完全な形をイメージするための参考資料です。 3枚目の写真でご紹介した、大型の竪穴住居跡から出土したもので、円面硯(えんめんけん)という硯(すずり)です。 奈良時代の城柵である伊治城で、文書をつくる事務仕事が行われていたことが、この出土品で分かります。 伊治城では継続的な調査が重ねられていますが、中枢域の様相が次第に明らかになりつつあります。 今回の調査成果もとても興味深いものでした。
【参考文献】
栗原市教育委員会 2015 「史跡 伊治城跡第43次発掘調査現地説明会資料」
栗原市教育委員会 2015 「史跡 伊治城跡第43次発掘調査現地説明会資料」